1.《ネタバレ》 決して心地良い映画ではない。
死に直面する人間を、直視する内容。
目をそむけたくなる様な気分になる。
だがこれが現実。
人間が病でもって死にゆく様は、有名人であろうが、無名の人間だろうが、およそこんな感じだろう。
ただ、それを捉えて何になるんだろうか?
ヴィム・ヴェンダース自身も、それを自問自答したに違いない。
ヴィム・ヴェンダース自身が迷いながら撮っているから、観ているこちらも困惑せざるを得ない。
確固たる信念を持って、ニコラス・レイをカメラに収めたなら、それを観ている人間(観させられている人間?)も、もっと覚悟をもってこの作品を観られただろうに相違ない。
でも、そのヴィム・ヴェンダースの素直さに、人間らしさを感じる。