1.《ネタバレ》 松竹に入社したばかりの新人俳優を紹介する10分に満たない短編。十朱幸代を案内役に松竹期待の新人が次々と紹介されていき、全員が小芝居を披露するというもの。「愛と希望の街」で本格デビューする直前の大島渚監督が手掛けているのが驚くが、「愛と希望の街」や「青春残酷物語」など初期から衝撃的な映画を手掛けていた大島監督もいちばん最初はこういうあからさまな頼まれ仕事をやっていたんだなと感じられる作品になっている。大島監督のこの初期二本で印象的だった富永ユキや桑野みゆき、川津祐介も紹介されているが、後になって見ると大島監督とはこの時から縁があったのかと思える。最後に日活から移籍してきた津川雅彦が紹介されるが、ほかの人に比べて紹介のされ方がハデで、最初からスターとして松竹に迎えられたのがよく分かるシーンとなっている。「これから映画の中で暴れまわるんだ。」と言っているのだが、やはり津川雅彦は松竹よりも日活や東映のほうが合っている気がする。