2.《ネタバレ》 辺見がアスベルやアシタカを演じた声優さん!?
刃物の怖さもすごかったけど、松田洋治さんの凄みのきいた目付きが本当に恐かった。
現職の刑事さんたち、こういう危険な人物相手に防弾チョッキを着ながら格闘しないといけないんだなあ・・・・・・。
小栗さんの生気を失った最後の目の光が切なかった。
とはいえ、
一通り見て、これは映画版肝試しという印象しかない。
冒頭あたりで、「殺人にリアリティがない。絵は上手いが、キャラがありきたり」という編集者の言葉が出てくるけど、
この映画にもそれは言えるんじゃないの?という皮肉な思いが残った。
確かに殺人のシーンはリアリティがあったけれど、見せ場を省いた事件後のシーンは全くだめ。
たった1人の小柄な男が、4人も相手に1人も逃がさないで必ず全員を殺害するという設定に無理がありすぎる。
被害者たちは腕を縛られ、体をぐるぐる巻きにされていたけれど、絶命させてからでなければこんな状態にするには不可能。
両角がそれを1人で黙々とやったのかと想像すると、どうしても(ダサいなあ)と思ってしまう。
個々の俳優陣の演技力は圧巻だったけれど、肝心のテーマが希薄だったし、
性格の全く違う両者(漫画家と実行犯)が表裏一体というのも、さんざん使い古されてきたネタだし、
お腹の子で人数を合わせるオチは、有名な洋画のサスペンス作品を思わせるし、
大量の写真や切り抜きを壁一面に貼り付ける部屋で異常性を表現する手法も、いまや1時間弱のドラマですら使われている。
視聴中、「多少のつっこみどころはスルーして見るべきなんだな・・・」と自分に言い聞かせるシーンがかなりあった。
でも、一番許せなかったのは、
山城が他人の家の中に勝手に上がり込んだこと。
悪事を働く気のない他人が家主に断りもなく家の中に入るなんて、リアリティのかけらもない。
視聴を始めて早々、あー・・・そういう映画なのか、と強く先入観を持ってしまった。