6.《ネタバレ》 70年代あたりのアメリカン・ニュー・シネマという感じの映画。
確かにカメラワークも演出も今見ても新しい凝った演出。
しかし・・内容は音楽の割りにかなり暗いです。
私はこのあたりの作品があまり合わないのです。
けだるいハード・ボイルドといった感じで排他的な当時の若者の美学・・
これがどうしても入り込めません。
「タクシー・ドライバー」もそうでしたし「卒業」もそうでした。
この作品は「スケアクロウ」と「タクシー・ドライバー」を合わせた感じ。
スケアクロウのほうが感情移入もできたし、
なによりエンディングで泣くくらい感動しましたから、
あの映画には残虐性があっても友はまだ死んだとは言ってない。
どうにでも取れるラストの余韻が慰めになりました。
でもこの作品では同じようなノッポ&チビのコンビのある意味孤独なロード・ムービーなのに、
あまりにも哀しすぎてしかもあまりにも汚らしい・・
そのとことんまで汚い生活を描ききっているのは評価できますが、
どうしても映画の中には入ってゆけませんでした。
冒頭から流れる「風にふかれて」これはボブ・ディランのバージョンとは違い、
誰がカバーしているのかわかりませんが楽天的でよかったです。
主役のジョン・ボイドがどうしてもカウ・ボーイに見えなかった違和感も、
この作品の成功にはなっているものの大いなる違和感がありました。
アンジェリーナ・ジョリーのお父さんというのも知らなかったです。
スケアクロウのジーン・ハックマンのほうが無骨だけどよかったなぁ。
まあ普遍的ないい映画には違いないけれど、
好みにもよるでしょうね。