8.《ネタバレ》 ロス警察24時!二人の警官が撮る最悪な事件現場とは!
警官を取り扱ったPOV風な作りですがなかなかにハードな作品。主人公二人はあくまでも街の治安を守る警察官。パトロールをし、事件が起きれば動き出す。取り締まる。決して捜査をしたり大事件に立ち向かうことはしない。それは刑事の仕事。彼らは警察官だ。
しかしこの町は最悪だ。黒人とメキシコ人の間では抗争が絶えず、メキシコカルテルの中枢も潜んでいる。そんな中でお仕事をする警察官二人の勤務はドンパチや殴り合ったり、火事から子供を助けたりとちょっと破天荒だがヒーロー気質。もちろん二人とも家庭は幸せ。結婚に出産、口は悪いが二人とも観ていていいヤツというのが伝わってくる。
だがそのヒーロー気質がドス黒く、真っ黒な人身売買、大量の麻薬の現場を発見していく。そして家庭が上手くいけばいくほど嫌な予感だけが伝わってくる。そさて最悪の展開。
この作品は最後まで巨悪や真相は描かれないし討ち取られる事もない、悪役もしがないチンピラだ。結局彼らはヒーローではなく最後まで町の警官であったのだ。そこが残酷でリアリティ溢れる映像がさらにどうしようもない現実にさせる。
気になったところと言えば、たまにカメラが敵側になったり(なぜカメラを持っているのか)と、誰がとってるかわからなかったりとPOV風に撮ってはいるけどそうではないという所でなんだか違和感がありました。それとあからさまに「これから悪い事が起きます!」と言わんが如き警官達のハッピーなシーンが多く続くのもどうかと。
漂う空気や犯罪者とのやりとり、扉を開けた時、色んな所にホラーとは違うヒリヒリとした予感が付きまとう面白い映画でした。
にしてもこの二人。お互い結婚しているとはいえ仲良しすぎて、一線を越えているような関係にしか見えませんでした。