7.《ネタバレ》 音が凄いから絶対映画館で見ろと友人に言われて行きましたが。
なまじ楽器を習った事のある身としては、辛すぎてストレスばかりの映画でした。
最後はどうかというと、見る人によって受けとめ方が分かれますよね。
和解したハッピーエンドという向きもありますが、それは無いと思います。
個人的な恨みを晴らす為に、大勢の客の前で滅茶苦茶な演奏をさせるって
聞きに来たお客に対してあまりに失礼です。有り得ない。
例えばフレッチャーが、既に有名になった後のマイルスデイビスだとしたら
この展開は有り得たかも知れない。ドラムが馬鹿やって、1曲でクビになっても
オーディエンスはマイルスの次の演奏が聴ければ納得してくれる可能性はある。
でも、地域のセミプロビッグバンドレベルがフェスティバルに出た程度じゃ
ドラムの恥は、バンドのしかもマスターの恥となる。
主人公へのトドメの一撃は、自分の経歴にも汚点を残す、諸刃の剣でした。
ジャズドラムの優劣も、方向性によって評価は分かれるトコロ。この映画では
ドラマー大御所のバディリッチにリスペクトしている傾向があるけど、
時代が違うからなのか、どーもスイングしません。
聞く側が音を楽しめるジャズもあれば、正座して対峙すべきジャズもあります。
楽しめないジャズばかりのこの映画、伝えたいものは何だったのか・・
「極限まで追い込まれて、隠れていた才能が覚醒した瞬間が見せ場」と友人は
言いました。その衝撃に憎しみよりも、その演奏の継続を望むフレッチャーは
ニーマンと一体となってフィナーレへ・・ ? うーむ
そりゃそーですが、この後どうなるのでしょうか? あれほど憎みあったのに
拍手喝采で仲良く笑顔で握手できるのでしょうか。自分だったら無理。
ていうか、フレッチャーの性格悪すぎで嫌悪感ばかりです。
ここは評論家とか格上の音楽家が、水戸黄門のように成敗してくれる展開を
期待しましたが、まあそれを描かなくても想像でどーぞという事なのかも。
自分にはスイングガールズの方が、感動的でしたスミマセン。