1.《ネタバレ》 落ち着いた色調、波の音、寂しい海沿いの街、19世紀のファッション。画が情感に溢れてて、とても説得力があります。
この時代、女性が社会的に弱者であったことも示唆的に描写されているので、実在したメアリーの置かれた境遇の厳しさもよく伝わってきます。役作りに徹したケイト・ウィンスレットのぱっさぱさなオバサンぶりは衝撃的ですらあります。
作品テイストの寂しいことも厳しいことも嫌いじゃないけど、ケイトとシアーシャの性愛シーンにはちょっと乗れなかった。ポルノまがいな撮り方は興ざめしてしまうし、そもそも前段階としてこの二人の恋情にグッとくるものが無かった、ということです。
メアリー→シャーロットはまだ分かるとしても、シャーロットがなぜさして魅力的でもないメアリーに惹かれるのか良くわからない。たぶんお金持ち有閑マダムの気紛らわしのようなお遊びにすぎないんじゃないですかね。終盤メアリーの気持ちを全く計り損ねて亀裂が入ってますし。もっともこの恋愛のくだりはだいぶ創作のようですが。