1.《ネタバレ》 ビニールハウスを背景にしたタイトルバックはカッコよかった。まずはそこですね。
あらすじは読んでおおよその展開は知ってましたが、舞台は愛知県伊勢湾内に浮かぶ猪狩島という島での物語。ロケーションは同県の佐久島なんですね。一度行ってみたいと思っていたところで、ロケーション動画のように楽しめた側面もあります。イチジクって実際佐久島の名産なんですかね?いろいろ見に行きたいところではあります。
犯罪加害者の保護司が彼の就職先を見つけるために島を訪れたのがきっかけで動くストーリー。彼は島に着くなり保護司を絞殺して島内を徘徊し始めます。そんな彼が犯した犯罪は幼女強姦殺人。イチジク農園の主圭太の幼い娘には被害はなかったものの、その元受刑者と圭太の間で諍いが起き、勢い余って彼を殺してしまうところから冒頭に書いたタイトルバック、『ノイズ』は始まります。
殺人そのものより、いわゆる村社会というか、島社会を表している作品だなーと思いました。どっちかというと舞台になった佐久島にはネガティブイメージが付きそうですが大丈夫かなとか余計な心配をしてしまったり。でも個人的には島社会であるがゆえの『ノイズ』をもっと描いてほしかった気がします。けっこうすぐ本土の人間が立ち入ってガチャガチャするので、島社会の特性を描ききれていないなーって感じます。私もとある島に行ったことがあります。そこはフェリーでしか入れない島で、言ってみれば治外法権。平気でノーヘルでバイクに乗るし、2ケツも当たり前。こんなとこで働く駐在警官ってやりにくいだろうなーって感じました。島のルールや習慣に従うのか、自分の属している本土の警察機構のルールに従うのか、けっこうなジレンマに悩まされる。「かさぶた」どうこうでスッキリと切り替えられないですよね。そんなジレンマの被害者となってしまった真。彼が一番気の毒だった。でも映画としてはもっと島社会のドロドロしたところとかそれによる真の苦悩を描いてほしかったですね。本土の警官なんかもっとあとでも良かったのに。個人的には最終的に島の人間全員が協力して事件を隠蔽するラストになるのかなとか予想してました。そして警官はすごすご引き上げていき、『ノイズ』も聞こえなくなった、という。そんなラストもどうかなあと思いました。
さらに個人的には、タイトルは『ノイズ』でなく、『かさぶた』で良かった気がします。