2.ハンガリーの辿る目まぐるしい近代史(てか、本作が目まぐるしいだけか?)を、三世代を演じたレイフ・ファインズが駆け抜けていく。本作が3時間を費やして描くのは、如何に体制が変ろうとも決して変わらぬ人の愚かさと、ユダヤ人迫害の歴史。社会が右に行こうと左に行こうとやることは全く同じ。それは、左右どちらも「敵」がいないと成り立たない体制だからです。そして最終的には、いつもユダヤ人が敵に仕立てられる。これこそが何千年もの間、脈々と続いてきた差別構造。ユダヤの名前を取り戻した子孫が平和な生活の得られる社会を、我々は築けるのでしょうか…。確かに大河ドラマとしての重みには欠けてる様な気もしますが、その分、この手の映画としては非常に観易くなってるので門戸は広いと思います、6点献上。