2.序盤の緊迫感は何処へやら、中盤以降はやけにご都合主義的に話が進み、そして余りにも呆気ない幕切れ。決してつまらない映画じゃないし、社会性もあるし、どのシーンもしっかりと作られてるんですけど、やはり一抹の物足りなさが残ります。この映画は逃走劇である共に、その間にデビッドの頑なな心が解されていく物語の筈。“Trust no one.”と教え込まれた少年は、その言葉を支えにするだけの過去を背負ってる。しかし映画からは、彼の心の変化が全然感じられない(これは彼がしかめっ面を崩さない所為ではない)。だから終盤が唐突に映るのです。デビッドの心情を細かく描く時間的余裕は充分あったのに、惜しいまとめ方でした。それにしてもジム・カヴィーゼルは、ここでも虐げられる収監者だったなぁ…、6点献上。