7.《ネタバレ》 フランスの時代劇。17世紀に実在した人物を主役に据えた戯曲があり、それを映画化したもの。剣の腕があり、弁が立ち、文才もある主人公の唯一の悩みは、鼻が大きく醜いことで、生涯、恋愛はできぬものとあきらめている。そんな主人公が、思いを寄せている女性に、ある日呼び出されて、ドキドキして行ってみたところ、私は美男子の○○君が好きなので応援してネ♡的な告白をされてしまう。その後、べしゃりと手紙は全く苦手な美男子君のゴーストライターになって、二人の恋愛劇をサポートしていくというお話です。序盤から主人公があまりにスーパーマン過ぎて、ゴーストライターに収まるようなタマではないはずなのですが、結局、収まっていくので、結構な尻すぼみ感があります。戦闘シーンなど時代劇としてのしつらえはよくできているのですけどね。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-06-27 20:38:27) |
6.詩作に富み剣にも強い,部下にも慕われるような好人物なら、多少のコンプレックスは気にしなくても女性にもてそうな気がするが、こればっかりは個人の気の持ちようなのか。ずっと気がつかないロクサーヌもどうかと思うが、ずっと告白できないシラノもいい加減じれったい。これが当時の男の美学なのか。死の間際になってから暗くて読めないはずの手紙を暗誦してしまい真実が明らかになる場面でやっとすっきりするが、ここまで来るのに15年もかかるとは!シラノの弁舌さわやかな立ち回りは各映画祭で賞を受けるにふさわしい演技だ。好み30/50、演出10/15、脚本7/15、演技9/10、技術8/10、合計64/100→6/10点 |
5.すべての映画が映画史を切り拓くものである必要はないが、映画ならではの楽しみというものも欲しいところ。だからもっぱら原作についての感想になるんだけど、誠実さを見せるためには技巧が必要なのだな。フランスだけの話でもない。日本の平安時代だったら和歌が詠めないとダメで、誠実さがただそれだけで尊重される社会のほうが、歴史的には珍しいのかもしれない。技巧ってのはただの飾りではなく、ある程度本質と不可分になってるんだ。17世紀のフランスでは、ジュテームとしか言えないのは、和歌を読めない平安貴族と同じで、ただの馬鹿だったのだ。これ「他人の顔(安部公房)」の話でもあるな。美男子の仮面を得て始めて朗々と恋を語れるシラノの切なさ。顔はやはり他人との通路なのか。シラノの涙とクリスチャンの血による二人三脚物語。あちらの古典戯曲には、しゃべりまくる爽快さってのがある。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-10-13 10:10:40) |
4.《ネタバレ》 かつては日本や中国でも歌を作る能力が重要視されていましたし、たしかにそうした才能があるということはすばらしいと思いますが、しかしそれだけか? という気持ちになってしまいます。美文をつづっても、うわべたけの美辞麗句に流れることもあるでしょう。いや、その美文に人間性が表れているのかもしれませんが、この映画を見た限りでは、どうもそのようには思えてきません。ロクサーヌも、そういったところをくみ取れるような女性であるとは思えませんでした。シラノとクリスチャンが彼女に振り回されて、哀れに思えてきました。そうした「悲喜劇」としてはよくできていたとは思いますが、それ以上に惹かれるところはありません。やはり、ロクサーヌにあまり魅力を感じられませんでした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-08-02 20:29:30) |
【puhara】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-26 20:58:17) |
2.《ネタバレ》 寡黙な私にとってはこの女の行動はかなりむごい。キレイだけど。まあ「おはなし」なんだからムリに現実(しかも今の時代の)に当てはめるのもおかしな話ではあるんだけども。それでも戦争の最中で真実を知り、それでも変わらぬ愛を・・って展開だと思ったら、そのウン年後にまで引っぱってやっぱり「知的で詩的な愛の言葉」がいいのね、あなたは(ショボン)。キレイだけど。と、なんか複雑な心境ではあるのですが、たしかに「ことば」って大切だなあと。美しい言葉というのは美しい絵画や美しい音楽と同等に芸術なんだろう。その具現化した最たるものが詩であり戯曲であり、その戯曲で美しい言葉を題材にしているというのだから、この徹底した「ことば愛」も許されるってもんです。だから戯曲でこそ映えるんであって映画にしちゃうとちょっと違和感があったりするのだろう。ただ、言葉だけじゃなく、あんなに嫌な奴だった上官も含めてみんな男気に溢れていて、その男気の単純な見せ方には素直に感動。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-31 14:53:10) |
1.男の哀愁を歌っているのだそうだが、それを表現するのに全編”詩”を多用している。この詩を美しいと感じるか、それとも理屈っぽくうっとうしいと感じるかで、この作品を面白いと思うか、そうでないかに分かれるのだろう。理屈っぽいのが好きな人にはお薦めします? 【イマジン】さん 6点(2001-01-26 22:35:34) |