3.《ネタバレ》 ジョン・グッドマン、見た目はとてもよく似てます。偉人だの怪物だのと言われたベーブ・ルースも、その中身は子供の様な純粋無垢さと、どこまでも正直な人への思いやりというものがあり、彼が家庭なりチームやファンなりで起こすいざこざはその「正直」さ故のものであることがわかります。「私は悪人だ」とベンチ裏で泣き叫ぶ彼も、その不遇さは悪からもたらされるのではなく、むしろ清らかすぎることが原因なわけです。誰にもそのことを理解してもらえなかったのならともかく、2番目の妻はベーブのことをよく理解してくれていたみたい。常に彼の味方をしてくれたこの良き妻は、病気がちになっていく彼にとって大切な存在となっていたでしょう。作品としての不満は時間経過が少々不明瞭な点。病棟の少年が立派な青年となってベーブに会いにいくまで、ベーブの見た目はほとんど変わっておらず、デビューから引退までの20年あまりの時間経過を指し示すものは年号ぐらいのもので、作品の作りとしてそれが表されているような表現が足りない様に思う。