1.《ネタバレ》 所謂「電流戦争」を描いた本作だが、結果を抜きに当時の状況として、直流と交流のどっちが真にプラットフォームとして優れていたのかというのは、現在の我々が考える以上に微妙な問題だったのではないかと感じた(種々の関連技術の開発の進展の先も見えていない状況な訳だし)。
しかし同時にこの戦い、その新ビジネスの主導権争いとか技術的優位性の実際とかといった本質的で理性的なものと言うより、本作ではひたすらに、ただエジソンとウェイスティングハウスの「意地の張り合い」である様にも見える(怒り狂って形振り構わないエジソンと、バカに付き合ったら負けだと思ってるウェイスティングハウス)。そうなるとこれは男の面子の問題なので、特にエジソンは全くと言ってよい程に冷静さを欠いており、結果として理性的とは言い難い極めて醜悪な争いを繰り広げる、というワケだが、イザ勝負がついてしまえば(冷静に戻ったのか)ラストはお互い実にアッサリしたものであった(ここの描写がホントなのかどーかは知らないが)。
映画としては少しエピソード(話の内容)が不足気味なよーにも思えるが、娯楽作としてはそこそこ。