5.《ネタバレ》 「七人の侍」の武士にあこがれた百姓役の三船敏郎が、今度は赤報隊にあこがれる。隊長に頼み込んで、故郷に凱旋するが、かつての故郷は「人物」のいない荒れ果てた町になっていた。赤報隊がこの街にやってくるというので、送り込まれた赤毛だったが、赤報隊は内部のイザコザで、話が込み入ってくる。最後、三船は元奥さんと一緒に鉄砲の餌食になる。涙があふれる・・。町の用心棒との友情も粋なもので、時代の流れの中で大義名分で動く連中の勝手さに、行き場のない感情を最後、町民たちは「え~じゃないか」と踊り狂う。岡本喜八さんは「座頭市と用心棒」でもそうだったが、込み入った話を割とすんなり処理するのが上手い。この話も面白かったです。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-06-05 21:04:09) |
4.《ネタバレ》 奇想天外なキャラ、コミカルな味付け、テンポ良い場面展開と、岡本監督ならではの娯楽作品。明治維新を農民目線で見せてシニカルに捕らえており、テーマはかなり深いものがあって、それを娯楽映画にしてしまうというところも、岡本監督ならでは。日本の誇る大俳優となった三船敏郎もこの映画撮ってる時、既に50前で見た目の歳は隠せないけど、溌剌とした若さあふれる演技(単純でお人好しというキャラ設定もあるが)で、途中でそれを忘れてしまうのはさすが(でも、やはり、「七人の侍」の頃の三船敏郎であれば、完璧だったのだが、、)。脇役陣も、それぞれのキャラと演技がドンピシャとはまっており、その演技のうまさを引き出す監督、スタッフの技量に感服です。 【nobo7】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-07-26 23:51:22) |
3.《ネタバレ》 コミカルでマンガのような内容が楽しい。隊長から赤毛を借りて自分の村に戻って村を圧政から解放する下りまでトントンとリズミカルに繋いでいき、テンポは上々。特徴ある音楽も妙にはまっている。しかし遊撃一番隊が登場するあたりから調子も面白さも落ち着いてしまいます。最後はバタバタと人が死んでいくけど、どれもあっさりしてしまっていて、見せ場として成立していない感じ。遊撃一番隊もあっさり、高橋悦史もあっさり。結局鉄砲最強である。「たった三日間だけでもお前は百姓の天下にしたんだ」というお話なので、爽快感のあるラストには成り得ないのがちょっと寂しい。役者さんは皆良かったが、特に代官役の伊藤雄之助さんがとぼけた味を存分に見せてくれて本当に楽しく素晴らしかった。三船さんは確かにこの役をするにはちょっと歳を取りすぎ。でもその違和感に慣れてくると段々楽しくなります。この歳でこんなコミカルな役をやってくれてることが可愛らしく思えたりして。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-12-30 22:57:21) |
2.岡本喜八監督の映画で主演している三船敏郎を見るのは初めて。五月に見た「座頭市と用心棒」が内容的にちょっと物足りない映画だっただけに同じくスタープロ(三船プロ)制作のこの映画にはそんなに期待してなかったんだが、こちらはわりとシリアスな作風になっていてそれでいて喜八監督らしいユーモラスなシーンもあり、(代官役の伊藤雄之助がとくにコミカルな演技をしていて笑える。)なかなか面白かった。ラストのええじゃないかの踊りは圧巻。主演の三船が「七人の侍」の菊千代のようなキャラクターなのは三船の当時の年齢もあって若干の違和感を感じるのがちょっとと思うものの、全体的には喜八監督らしい傑作だと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-07-26 14:23:42) |
1.赤毛というタイトルそのままに赤い髪をしている三船敏郎の大将ぶりが醸し出す能天気な性格の中に見えるリーダーシップの姿こそこの時代の大将そのものではないかと見ていて感じることが出来る。自分を犠牲にしてまでも農民、平民の為に金持ちである武士達へと戦いを挑む姿が描かれています。前半、やや単調な感じがしなくもないが、後半のはちきれんばかりの力強さと岡本喜八監督の時代を読み取る力は流石!作品の雰囲気は喜劇的ではある。ところが観ていてこれは単なる喜劇ではない何か考えさせられる内容になっている。権力のあるもの、ないものとでは違う。やはり権力のある者の方が強い。しかし、権力で支配する人間に対して、立ち向かう為に何か行動を起こさなくては何も始まらない。そんな叫びというものが聞えてきそうだ! 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-05-21 21:33:47) |