2.《ネタバレ》 ジェーン・フォンダが出ていれば、それはおおむね駄作ではない。
美人で知的で金持ちの生まれなのに、なぜかこきおろす気にならない。
私はジェーン・フォンダ好きなんだよなあ。
プライベートで話すときはまるで大学教授のような話しかたをするし、セクシーなアメリカ人女性なのにインテリという変り種。シャロン・ストーンもそうだけど。
さて、「相手の男はいったい誰なのか」という興味だけで1時間半引っ張ったあげく「不明」というふざけた回答の本作だが、やっぱり「不明」にするしかなかったかもなあ。
「不明の男」は修道院近辺をうろついて歌を歌って注意を引き付け、秘密の通路から納屋に現れたアグネスをレイプした。なんだそりゃ。
…これは、シスター・ポールに仕組まれたということですね。シスター・ポールも生前にその男を見たとアグネスは言っている。
50年間修道院で過ごしたシスター・ポールは、80過ぎて自分の死が近づき、哀れなアグネスを修道院に埋もれさせたくないと思ったのだ。
秘密の通路をアグネスに教えたのは、シスター・ポール。死の床で、アグネスだけに分かる何かをつぶやいたのは、「不明の男」との密会を導く合図だったに違いない。
シスター・ポールは、生前に「不明の男」と何らかの接触をし、アグネスを誘惑するよう頼んだのだ。
死にかけた尼さんのくせになんでそんなことを、と誰もが思うだろうが、死にかけた尼さんだから、荒療治を用いても、アグネスを修道院から出したかったのだ…と私は思う。
しかし、シスター・ポールの善意は思わぬ悲劇へ発展し、妊娠と子殺しを招き、そして結局アグネスは死んだ、のだと思う。そんな感じのラストだった。
すべての原因であるシスター・ポールは死んでいる。相手の男は不明。子殺しをしたアグネスは知的障害。
さて、誰を責めたらいいのでしょうか。責める相手が居ませんよね…という話。
佳作だと思うが、教会への配慮から、色々な意味で遠慮がちな作品になってしまっていると思う。