2.極端に台詞が少ない主人公の男が歩くスペインのどこかの街の路地の風景。
意識的に多用されたと思われる落書きのある壁。
空やプールの水の青、遠くに見える山の緑、美術館の白い壁、エレベーターの壁の赤。
特急列車の車中での流れゆく車窓の風景・・・。
それら寡黙な主人公の背景にある風景の1つ1つが、まるでアートのような味わいがあります。
「スペイン語は話せるか?」「いや」
そして現れた人物はごく短時間、問わず語りをしては去っていく。
「オーソン・ウェルズの「上海から来た女」は見た?ー訳の分からない映画・・・。」
これは現れたある女が残した言葉。では、本作は?
本作も僕にとっては訳の分からない映画ではあったけど、それでも全然構わなかった。
ジム・ジャームッシュとクリストファー・ドイルの世界にゆったりと浸ることが出来た、いい時間だった。