7.《ネタバレ》 家族って何だろうねえ。目に見えない情愛のみでスタートする不可思議なまとまり。常に順風満帆とはいかないのが世の常でして、ここに描かれる家族は予期せぬ事故に見舞われる。そしてそれをきっかけに明らかになる家庭崩壊すれすれの内情。ずっと進行していたのに気付かなかった綻びに突如直面した父親G・クルーニーの奮闘ぶりは涙ぐましい。
そりゃぶつけたくもなるわな。憤懣やるかたない思いを。たとえ相手が昏睡状態だとしても。でも別れの時が来たら、涙が頬を伝うのだ。この場面、複雑で多面体な”家族”という感情をリアルに描いていると思った。
家族にKOされつつあったお父さん、自らのアイデンティティを大王の子孫であることに見出し、親族らの意向を却下して再び生活を生き出す。ラストの、やけに生真面目なTVドキュメンタリーを見る親子三人をむしょうに応援したくなった。
今後土地のことでもめるだろうし、長女のしょーもない彼氏のこともやっぱり心配だ。
でもきっと上手くゆく。この世の皆、何がしかを抱えている。ゆったりとした音楽も伴って、しみじみと背中をさすってもらえたような想いが残りました。