21.2回鑑賞しましたが、やはり謎は謎のままです。むしろディテールに目が行った分、2回目鑑賞時の方がさらに謎が深まった感もあります。 これはコーエン兄弟作品の中でも特に賛否分かれる作品かと思います。 個人的には、場面ひとつひとつに意味を見出そうとせず、この独特の雰囲気に身を任せてしまえれば、充分酔える作品だと思います。 それにしても、ジョン・グッドマンを始め、俳優陣の演技の素晴らしいこと! 臭ってきそうなくらいの濃いキャラクター達を、見事に演じきっています。 個人的に一番感動したのは、ラスト、鳥が海に「ポチャッ」と落ちてエンドクレジットが入る絶妙な間です。あれにはハッとさせられた。 カンヌでパルムドールを取ったからには、きっと僕のような平凡な日本人には分からないメッセージがこめられているのでしょう。 日本文学をいくら巧みに英訳しても、微妙な感情表現は決して伝えることが出来ないことと同じように、この映画を完全にかつ自然に理解するのは、平凡な日本人である限り難しいでしょう。 しかし、この映画の持つ独特な展開、雰囲気は僕を充分魅了してくれました。 要は好きか嫌いか、好みの問題だと思います。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-07 01:44:19) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 観終わった直後はまったく意味不明、でも面白くなかったわけでもなく、しばらくして、内容が脳細胞に浸み込み始めたら「こういうことかな?」と、自分なりの解釈が浮かんできました。 新進気鋭の劇作家が映画のシナリオを書くことになったものの、畑が違うと戸惑うことも多くて、なかなかうまくいかないなぁ・・・という現実を軸に、新しい仕事先のハリウッドで見聞きしたこと・出会った人とのエピソード・日々の心境など、「僕のハリウッド滞在日記」をバートン君がリンチ風に脳内変換しちゃった、という映画・・・かな??? ニューヨークまでが現実で、ハリウッドからはすべてバートンのフィルターを通したデフォルメ。普通の人なら「到着したホテルはちょっと古い感じ。あっ、部屋の壁紙の端がめくれかかってるな・・・」で片づけられることも、メンタルにちょっと問題ありそうなバートンにはあのような不気味な光景に映るのかも。映画会社の社長も隣の部屋の肥満体も、実際はもうちょっと一般的な人なのに、彼の心の闇が、負のイメージだけを膨らませちゃったんでしょう。 「ずっと『ハリウッドでの出来事、バートンの心にはこう映った』を見せられてたのか?」と感じたきっかけはラストシーン。あのシーンは、仕事がうまくいかなくて、部屋に貼ってある写真の世界に入り込んだ=現実逃避しやがった、と思えたから。だったら、これまでの数々の不可思議なことも、彼の精神世界によって歪められた映像と解釈してもいいのでは? なんとなくですが、感じの悪い二人組の刑事は実際には存在せず、彼の心の中だけに存在する登場人物のように見えました。したがって、チャーリーが殺人鬼というのもバートンの勝手な思い込み。「せっかく仲良くなれたと思ったのにホテルを離れる? きっと人に言えない事情があるに違いない」という思い込みが暴走した結果、殺人鬼→刑事がやってくるというシーンを生んだのでしょう。ラストの海岸シーンにまで出てくる、生首入りを連想させる箱、これが彼の妄想世界であることの象徴に見えます。 存在しない、といえば、小説家の秘書も? だって、お気に入りの彼女の名前が「オードリー・テイラー」って・・・(^^; これこそ妄想の極みですよね?(笑) 解説サイト等には、聖書や哲学のメタファーだ、第二次世界大戦やハリウッドへの皮肉だ批判だなど、いろんな意見があるようですが、そういう小難しいことにはあまり詳しくないので、いまひとつピンときませんでした。自分が書いた解釈も、とんだ的外れなのかもしれませんが、まぁ「各々が自由な解釈を楽しむための映画」ってことでいいんじゃないかなと思います。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-03 23:40:11) |
19.《ネタバレ》 単調な展開だが、考えようによっては深い映画。 普通に観ると前半は退屈。後半の殺人状況から自分がミステリー映画を観ていたことを思い出す。登場人物や個々のシーンが意味深いとは思うが、その意味を見出す気がなければ独特の雰囲気だが面白みは無い作品。評価が難しいが玄人向けで加点。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-22 16:13:55) |
18.《ネタバレ》 劇場で一度見たきりの作品ですが、今だに覚えているのはホテルのベルを鳴らすシーンですね、あれは最高でした。何か不快感が残るなと思ったらまだ鳴ってたのかよ!って。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-05-08 21:35:44) |
17.《ネタバレ》 ハリウッドにも庶民にも受け入れられなかったよそ者の話。彼本人は庶民の理解者のつもりだった。でも彼のイメージする純粋な庶民ってのにはついに出会えない。あるいはレスリング映画の観客としてイメージするきっかけはあったものの、彼はラッシュ見ただけでウンザリしてしまう。そういった庶民の反対側に、酒びたりのハリウッドがあるんだろう。唯一の庶民と思っていた隣人は、最後に「俺の場所に踏み込んできてうるさいだと!」と怒る。庶民というより「他人」と広げてもいいかもしれない。でもこのホテルではチャーリー以外他人は姿を見せない。気配は靴音以外にもたくさんあるんだけど。このホテルの雰囲気を味わうのが本作の中心で、廊下にはブィーンという低音が響いているし、暑さで壁紙は剥がれていくし、唯一外界のイメージは海岸の女性の絵で、屋内に立ち込めていた暑さは、ラストで火に凝集していく。社長の部屋は『シャイニング』を思い出させ、そういえば廊下もそうだな。あちらが「恐怖の寒さ」だったのに対し、こちらは「不安の暑さ」か。そういう映画。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-09-11 10:37:37) |
16.サスペンスなのかなんなのかよくわからない映画。ギリギリ退屈じゃない独特の微妙な気持ち悪い間と空気に呑まれます。会話と空気だけの前半と、突然加速する後半では別の楽しみ方ができます。終わり方とか好きです。ブシェミはあの一瞬だけかよ・・・。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-15 17:10:23) |
15.《ネタバレ》 観た直後は「は?つまんな」と思うけど、後から意味をよく考えて夢という構成に気付くとすごさがわかる。いつもの日常の中の陰鬱さとイヤーな感じも健在。どっからが夢かわからない構成が秀逸。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-04 00:44:01) |
14.どこまでが現実で、どこからがフィンクの夢なのか。結局自分にはわからなかった。解釈に関しては諸説あるけれども、そうした議論の中で作品の世界がさらに拡がっていくという面白さがあるし、それだけのネタを提供してくれる作品であることは間違いない。好き嫌いの問題はあるけれども、「わかる」「わからない」という接し方というよりは、どうせ答えなど出ないのだから、無理に分かろうとせず曖昧な立ち位置で観るくらいのほうが、よりフィンクの追体験ぽいという意味で面白いかもしれない。 【もっこり八兵衛】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-13 16:18:05) |
13.どこが面白いと訊かれても困るのだが、観ている間はすごく楽しめた。しかし、鑑賞後、あまり残るものがない。なんでだ!? 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-10-08 07:04:35) |
12.《ネタバレ》 ニューヨークからハリウッドに呼ばれた演劇作家の不安と期待、そして社会派を自称するもプロデューサーからの脚本依頼がB級格闘技ものであることから生まれるプロとしての葛藤、そういった心情もあってか全く筆の進まないという作家としての苦悩までもが入り乱れ、悩める作家バートン・フィンクの世界が描かれてゆく。その世界観がおもいっきり虚構感を漂わせながらも妙にリアルで、リアルでありながらも明らかに破綻していて、複雑にして単純な独特な世界を見せてくれる。怪しげなホテルの一室でベッドに横たわったところからすでに夢なのか?それとも翌日か?ということになるとホテルのフロントは現実ということになるがそのほうがもっとありえない。だってフロントマン、ブシェミですよ、ブシェミ!ふつうに不気味です。まぁ、内容はともかくとしてなかなかインパクトのある映画でした。フロント・ブシェミにしても廊下を焼き尽くしながら向かってくるグッドマンにしても不気味さと怖さと可笑しさが同居していて、これぞコーエン兄弟の味だなぁと思いました。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-06-01 13:56:32) |
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11.劇場で見て、「最高!」と人に勧めまくり、「全然面白くない」と言われまくった覚えがある。そして、今は、当時の面白ささえも覚えていない。 【みんな嫌い】さん 7点(2004-10-24 17:25:12) |
10.火事のシーンが綺麗でした。箱の中身が気になってしょうがない。 |
9.これコーエンやったんや。。。ジメジメが伝わる。トイレのシーンとか好き。 【ヒロヒロ】さん 7点(2004-05-06 17:35:13) |
8.《ネタバレ》 コーエン兄弟の作品は、一見不条理に見えて意外に理に落ちてしまうことが多い。本作はその典型例である。しかし、脚本家が避けることのできない創造の苦悩を、夢という媒体を用いて観客にも追体験させていく仕掛けはうまい。これから観る人は理屈を考えずに、コーエン兄弟が生み出すヴィジュアルイメージに身も心も、そして脳もゆだねるのがいいだろう。とはいえ、そこかしこに「論理」が現れてくるので、クローネンバーグの『裸のランチ』ほど世界に酔うことはできないのが難点だが。 というわけで、作家追体験ソフトとして皆さんには、『バートン・フィンク』→『裸のランチ』→『アダプテーション』の3点セットをおすすめしたい。 体験談:今まで凡人だと思ってた私もこれですっかり脚本家になった気分に浸っております。でも、やっぱり脚本家になったらなったで苦しみっぱなしでもう死にたいです……。 恭人さん(仮名) 32歳 【恭人】さん 7点(2004-05-06 16:52:30) |
7.一体何がこんなに可笑しいのか。すべての奇怪な出来事が、不気味な男が、血が、暗い廊下が、おどろおどろしいBGMまでもがすべてギャグに思えてくる。何に対してこんなに興奮したのか分からないが、次に何が起こるのかと画面に釘づけ状態だった。こんなに熱い炎ははじめて見た。燃える魂のなんと力強い事か。映像に不思議な力がある。 【ぷりんぐるしゅ】さん 7点(2004-03-28 12:26:55) |
6.何とも不可思議な作品。ジャンル的にはサスペンスになるのかな?日常と非日常、現実と幻覚が混沌としていく。序盤と中盤で作品の雰囲気がかなり変わったりと、見ている方も何とも言いようのない不安感や幻惑感に捕らわれる。結局、ラストがいまいち意味不明のまま終わってしまうのが、この手の作品としてはありがちな「逃げ」に思えた。まあ、その微妙なところを楽しむべき映画なのでしょう。 【FSS】さん 7点(2003-11-21 15:40:29) |
5.イライラさせられるイメージの連続で、ヤな感じを味わわせてくれます。が、暑い暑いと言うんならもっと暑さをうまく実感させるような演出って無いのかなー、とは思いました。これはストーリー上も重要な点ですからねえ。まあとりあえず、ラストはカッコいいよ。 【鱗歌】さん 7点(2003-07-12 22:17:54) |
4.別に悪い映画ではないけど。これ見た後でロマン・ポランスキーのリパルジョンみたらまんまパクってたのでずっこけた。 【ダイ】さん 7点(2001-07-03 00:35:29) |
3.どこかで見た事がある。と思ったら、以前見ていた。主人公を見ているとイライラしてくるが、それ以外、雰囲気がお気に入りです。 【平八】さん 7点(2001-06-07 06:35:07) |
2.チャーリの精神を反映するホテル、このモチーフだけで十分面白い。畳み掛けるようなプロレスラーの肉体映像もgood. |