9.《ネタバレ》 冒頭のナレーション「戦争なんて後の教科書に載れば理由なんでどうでもいいのだ」というのが非常に言い得て妙。そしてこの作品の雰囲気を物語っていました。
戦争だとか歴史だとかそんな固いこと言わずに純粋に楽しめる剣戟コメディ。だけどアメリカやイギリスのコメディと違いナンセンスや下品さといったものがあまりないのもフランス映画の特徴。そのギリギリのラインが非常に心地よかったです。
主人公ファンファンも、女たらしで大胆で強引、普通なら嫌味なヤツ、という印象ですが自然とそれがない。演じるジェラールが爽やかな美男子なだけあってか自然と惹きつけられる魅力があります。
そして剣戟、アクションにしても今の作品と比べても褐色のない迫力。その中で随所に挿入される笑いの要素。絞首刑の時の「枝がボキ!」だったり、恋敵?との決闘でも決着がなんとも情けないものだったりと、さらりと挿入してきているので作品のテンポを崩さずよかったですし、敵の陣地占領の場面でも、そんないい加減でいいの?(笑)と思いながらも、ファンファンの強運さを強調していてとてもよかったです。
ラストも、そうきたか!という感じ。なんで急に養女になってんの?とか思いましたが、娘にだったらビンタされても面目は潰れない、という判断だったのかな、と解釈しています。
なかなか強引な終わらせ方ですが、そんなのも笑って許せる痛快な作品でした。
それにしても、「1万人の死者はどうした!?」「それはまた次の機会に、、、」が最高に戦争を皮肉っていてよかったです。