2.《ネタバレ》 つるんでケンカして馬鹿をやる。いつの時代も共通の、男の子たちの青春が眩しく描かれます。一人一人皆キャラが立っているのでとても見やすい。女好きで仲間想いのリッチー、腕っぷしの強い正義感ペリー、口だけ達者の逃げ切りタイプのジョーイ。裏切者のターキーは最後まで惨めなまま。敵対チームもスキンヘッド系、チャイナ系、黒人グループとまあ色彩豊か。たくさんいるけどちゃんと見分けつきますね。ユニフォームがあるし、そんなものないアイリッシュ系は顔つきがすでに殺人者ぽくて、他グループとは次元の違うヤバさがあったり。
ケンカとパーティ、女の子へのイタズラ、彼女をめぐる諍い。若くて青くて、日々勢いで元気に生息しているように見える彼らにも複雑な家庭事情があったりとビターな差し味が効いています。
映画の終わりは青春の終わり。アメリカ社会はこの先ベトナム戦争が泥沼化して行くのです。ほとんど騙されて兵隊にとられたボールディーズの連中のこれからも、家から逃れて独立を目指すペリーとジョーイの将来も明るい展望を抱けそうにありません。リッチーは間違いなく嫁の尻に敷かれる人生が待ってるし。さらば青春。
フォーシーズンズの歌がぴったりハマる60年代の息吹がリアルに伝わりました。彼らがもっと不良化すると「ウォリアーズ」になるのね。(こちらも好き)対で印象に残る二作品です。