1.《ネタバレ》 文明批判の名手、ヘルツォークが冴える。
今話は、ずっと牢にいた男が、言葉を覚え、本当のことをドンドン言って、周囲を驚かせ、
最後、殺されて、解剖され、やっぱり人と違うよ、この人は、と皆が安堵するという話である。
痛烈な風刺である。
論理学の先生とのやり取りが痛快である。
二重否定の論理より、カスパーの方が、ずっと明解なのだ。
あと二つの夢。
みんなが山を登ると、頂上には死神がいたという話。
もう一つは、砂漠での隊商の先頭は盲目の老人。幻影に惑わされず、町にたどり着くのだが、
その町は・・・というとこで彼の話は終わる。
どれも、文明の先にある不安を言い表しているようだ。
しかし、文明批判の展開が進む中、流れる曲はカノンというのは、変な気持ちもした。