59.《ネタバレ》 この映画のすごいところは、次のようなストーリーが見えるのに、あえて説明しない所のような気がする。ものすごい頭のきれる数匹のエビ人間、その他がほとんど無知なエビ人間だ。はじめ変な気がしていたが、人間をエビ人間にするのを見て納得した。そうだ、地球に来る前に違う惑星に行って、みんなエビ人間にしてしまったのだ。そして、地球に来て、地球人をみなエビ人間にすることが出来る力を彼らは持っている。しかし、地球にきてなにかトラブッたのかもしれない。そして、最後、主人公が優秀なエビ人間を助け、3年後に君を元に戻す為に必ず戻って来ると約束して去っていく。エンディングの後に、再会の場面が見えるかと思って、すわって待ってしまった。きっとあのエビ人間は、助けた彼に聞くだろう「地球人をすべてエビ人間にしてよいかどうか?」でも、そのようなストーリーをこの映画は伝えたくなかったに違いない。伝えたいのは、どうしようもない強欲な人間の姿であり、しかし、救いようのある人間の勇気の姿であり、自分たちが一番優秀だと勘違いしている人間の姿であるように思える。奥さんがまわりに振り回されている姿もなかなか興味深かった。この映画は深く考えると、いろいろな事を想定して作っているように思える、味わい深い映画だ。 【matan】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-13 01:34:07) (良:4票)(笑:1票) |
58.ぶっとんだ世界観設定、明確なキャラクター設定、そして何より勢いのあるストーリーでグイグイ引っ張られる。映像は若干チープだけど別に気になるほどではない。丁寧さはないけれど、伏線やドラマもきちんと計算して貼ってあり、中だるみも無駄もなく、ある意味完璧な娯楽映画。とにかく自分が助かりたい一心で動く、人間味あふれる主人公にむしろ好感が持てる。観て損はしない、良作です。 【ブラック武藤】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-08 23:05:59) (良:2票) |
57.《ネタバレ》 異星人についての考察。宇宙船が動かないのは燃料不足だろう。栄養不良に陥っていたことも考慮すれば、何らかの事故が発生したと考えるのが妥当だ。地球まで1年半の旅程。地球に来たのは偶然で、漂着した可能性がある。蟻などの社会性昆虫に似た生態で、知的で命令を下す管理層と命令通りに動く労働層に分かれている。管理層の生き残りはクリストファー(C)のみ。彼は司令船を土中に隠し、密かに液体燃料を集め、帰還の日を待望している。労働層は知能が低く、暴力的で、社会生活に順応しない。しかし、武器に関する知識は豊富で、様々な武器を作りだす。武器は使用せず、専ら猫缶と交換する。異星人は、戦争や暴力を日常的に行っている交戦的な文明と思われる。命令がないので人間に攻撃しないのだろう。搭乗人員が非常に多いことから移住が目的か、あるいは文明を持つ惑星を支配下におきに来た可能性もある。繁殖力は高く、180万人もいる。難民認定され一応保護されているが、居住地はスラム化し、人間のギャングに搾取されている。 不注意によって液体燃料を浴びたヴィカス(V)は徐々に異星人に変態していく。液体は、遺伝子に作用を及ぼしているので、明らかに生物由来のものだ。異星人の本来の姿は別で、液体燃料で変態しているのかもしれない。CがVを宇宙船に戻れば元の姿に戻せると言うのだから、その可能性はある。 Cは人間に似た感情を持っていて、実験にされた仲間を見て「仲間を実験材料にしない。惑星に帰り助けを呼ぶ」と決断している。3年後には全員を助け出すのだろう。 Vは、温顔で物腰柔らかだが、役人気質に凝り固まっており、利己的な人間だ。異星人の卵を大量に焼却して笑っている。自分が助かるためには人間相手でも武器を乱射する。Cから3年待てと言われると、Cを殴打して、自分だけ司令船に乗り込む。それでもCが拷問を受けて殺されそうになると見捨てることができずに救助の手をさし伸べた。悪い人間ではないのだ。CとVが心を通じあえたことで、Vが再来した時には、両文明間で友好関係が持てることが期待される。造花の薔薇は未来への期待だ。Vという小市民を主人公にすることで、人類の愚かさを浮き彫りにしている。いくら上辺で善人を装っても本音は違うのだ。不満点。異星人の姿と生態が気持ち悪すぎる。Vは人を殺しすぎ。人類が宇宙船を調査しないのは不自然。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-02-05 23:52:28) (良:1票) |
56.《ネタバレ》 初めて観た時は「何で黒い液体を浴びるとエビになるんだろう」と気になりましたが、何年かして最近見直したら、そんな事はどうでも良くてとても楽しめました。細かい事を気にするというのは全く人生を損していますね。 【DAIMETAL】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-08-18 11:47:43) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 新感覚SF。アパルトヘイトへの皮肉の要でもあり寓話のようでもある。 純粋にSFとして見ても面白い。たまたまほかの作品と間違って借りてきてしまったんだけどこれは大正解でした。最初は何かのパロティなのかなと勘違いするようなチープさでしたが、途中からぐいぐい引っ張られていって気がつくと、最後までつんのめるようにして見ちゃいました。理屈抜きに、ぜひ見て見て欲しい。SF好きな人はもちろん、社会派好きの人にも、そういうのが総じて好きじゃないという人にも。こんなに面白い作品が日本でスルーされているとは、なんともったいない。とにかく一度見て欲しい。 【ひであき】さん [ビデオ(吹替)] 8点(2011-07-17 05:49:31) (良:1票) |
54.《ネタバレ》 ドキュメンタリー風の演出がおもしろかった。 いちばんまともに思えるのがエイリアンの子供と感じられるくらい、出てくる人間がどいつもこいつもクズばかりというのは皮肉な演出。主人公自身も最初はどうしようもない最低のクズ野郎だったのが、エイリアンとふれあうことで「人間性」に目覚めるのも皮肉。最後は3年後を信じてああなってしまったのかと考えるとある意味哀れでもある。 続編ができる可能性もあるようだし、監督自身はその後を描く気があるようだが、これはこれでこのまま完結という形でも好いような気もする。 【オオカミ】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-02-12 23:14:02) (良:1票) |
53.《ネタバレ》 異星人に侵略されそうなんだけど、なぜかスラム化してしまっている設定が、ドキュメンタリータッチで描かれているのが面白いですね。。。暗に難民キャンプが抱える問題を指摘しているのかはわかりませんが、説教くささはなく娯楽性がうまく噛み合っている映画ですね。 【ないとれいん】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-07 18:23:46) (良:1票) |
52.《ネタバレ》 実に、面白かった。現代の世界にエイリアンが普通にいます的な設定や、ヨハネスブルグという街とオランダ名の主人公も斬新だった。また、異種族の間に横たわるであろう緊張感が無いのも面白かった。それ以上に主演のシャールト・コプリーが実に名優だ。久しぶりに俳優らしい俳優を見た気がする。この人に仕事が来ないようであれば、映画産業も終わりだなと思えたほどだ。難しいことは何も考えずとも、純粋に心から「面白い!」と唸れる作品である。 【DeVante】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 11:08:12) (良:1票) |
51.序盤は後悔しながら見てた。 安っぽいCGと、それ誤魔化すための手ブレ映像と、下品で小心者の主人公。 これは悪名高い「クローバーフィールド/HAKAISHA」(注:自分内の評価)と同じだから。 それから映像的に新しくない。どこかで見た宇宙船とモンスター。 そのモンスターの動きもかなりチャチ。 これだけ揃っちゃったから、「あー、またハズレ映画見ちゃったか。2点。」で終わると思った。 ところがだ。中盤からグイグイ話を引っ張る。主人公に段々感情移入できるようになる。アクションシーンに緊張感がある。最初の伏線を次々回収して唸らせる。すごい。ラストも簡潔にしてお見事。 序盤の印象と鑑賞後の感想がここまで良く変わった映画は初めて。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-10-24 03:03:28) (良:1票) |
50.《ネタバレ》 白人から酷い人種差別を受けてきた黒人が、宇宙人を「最低な奴ら」「エビ」と貶す冒頭のシーンが印象的。不安は人を凶暴にさせる。最初は私も人間目線で「宇宙人は凶暴だな。怖いな。隔離したくなるのもわかるな」と思って見ていた。でもヴィカスが酷い目にあい、残酷な実験、弱いもの相手に商売をするギャング、そして宇宙人の中にも頭が良くて話のかわるものもいるというのがわかると、不思議と宇宙人目線に見方が変わっていく。最後には「3年後、仕返しにくればいいんだ」とさえ思ったり。宇宙人が実際に来たら本当にこんなことになるのか?なんてことはわからないけど、ある物事に対していろんな方向からの見方があって、それぞれに自分達に都合の良い正義が存在するということですね。最後まで楽しく見ることができました。 【あっち】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-08-30 15:11:20) (良:1票) |
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49.観た人が既婚か独身か、既婚なら今でも妻を愛しているか否かで主人公に対する心象が思いっきり変わりそうな作品ですね。一見ヴィカスは身勝手っぽく見えますが、独身の私からしたらあれでも人間として物凄く理性的且つ理知的な行動に見えました。私が同じ境遇になったらたぶんヤケを起こしますね(苦笑)あれだけ酷い目に遭ったらエビと手を組んで人類抹殺に走るかも……いやマジで。ヴィカスは愛する奥さんが居たからこそ、奥さんが信じていてくれた(と、少なくとも本人は思っていた)からこそ最後まで人間の心を保っていられたんじゃないかな?平穏で幸せだった日々が戻ってくると信じて…。全然ハッピーエンドじゃないのにラストの奥さんとエビの姿に変わり果てたヴィカスのシーンを見てとても優しい気持ちになれました。うん、これは記憶に残る良作だ。 【taxyun】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-08-24 19:14:40) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 面白かった。 エイリアンの侵略というテーマの作品はたくさんありますが、エイリアンと人間が共存してる作品はなかなかない。 メン・イン・ブラックとは違い、こちらは生活感にリアリティがありました。 見所は主人公が感染してから。 冒頭では軍と一緒に行動していた主人公が、後半では対立する。まるでアバターのような話ですが、個人的にはこの作品のほうが好みです。 ラストのゴミ山に座るエビに、とても切なくなりました。 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-13 18:29:39) (良:1票) |
47.これは面白い!エイリアンの造形がなんとも醜悪で素晴らしく、作り手の気合と(良い意味で)趣味の悪さが伝わってきます。 作り方によっては説教臭くなってしまうテーマをこんなにも娯楽性に溢れた作品にするニール監督には非凡な才能を感じます。 宣伝用ポスターに使われた南アフリカの都市の上に漂う巨大なUFO、このカットこそ純度100%の「SF」でしょう! オチも安っぽくなく、それでいて後味も悪くなく。とってもバランスの取れた傑作だと思います。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-05-11 20:29:57) (良:1票) |
46.《ネタバレ》 序盤はコミカルだが、じきに切ない。南アフリカで虐げられていた黒人がエイリアンをいたぶる。兵器開発の為には娘婿まで人体実験の餌食に。主人公を含め上等な人間はほとんど出てこない。人間は悲しい。でも、あんな兵器を持っているのなら最初から戦えばいいのに、エイリアン。 【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-23 07:36:21) (良:1票) |
45.《ネタバレ》 ドハマりしたわけではないが、比較的好みのテイストに仕上がっている。 ストーリー展開自体には、特別な謎や不可思議な秘密や恐ろしい衝撃があるわけではなくて、他のアクション作品やSF作品とそれほど差異はないように思えるが、良い意味での粗さや雑さが、他の作品とは異なる“新味”を産んでいる。 いい加減で凡庸な設定も多く見られるが、新人監督らしく勢いとブラックユーモアで突っ走ったら、なかなか悪くないものができたようだ。 新人監督に好き勝手にやらせたと思われる彼の親玉のピーター・ジャクソンの度量の広さも窺われる。 また、ラブストーリー、友情、親子愛なども含まれているようで、上手くカタチになっていないような気もした。 しかし、そのような部分に逆に惹かれた。 ハリウッドテイストに精錬されて型にハマッているわけではない部分が本作の魅力といえるのではないか。 計算しているとは思えないが、どこか作り物らしくないリアリティが高まる効果が生じたように思える。 せっかく“友情”のようなものを築きつつあるのに、「3年!地球時間でか?」と聞いて、仲間であるはずのエビちゃんをいきなりぶん殴る辺りは思い切った展開といえる。 そのような扱いをしたエビちゃんを最後は命を張って助けようとするのだから、何かを感じずにはいられない。 子エビちゃんが彼らの関係を繋ぐいい橋渡しになったとも思えないが、「息子のために頑張れ」というような趣旨の発言をしていたので、ある程度は子エビちゃんの影響も感じられる。 きちんと計算しているとは思えないが、ドキュメンタリータッチやインタビュー形式を採用しているので、実は意外と計算し尽くしているのかもしれない。 能力が高そうではない人の良さそうな普通のサラリーマンが主人公というのもあえて狙っているのだろう。 このような思い切りの良さも低予算・無名俳優・新人監督のなせる業だろう。 南アフリカのことも、アパルトヘイトのこともよく知らないので、政治的なメッセージも含まれているのかどうかはよく分からなかったが、鑑賞後にヨハネスブルグのことを調べたら、ある地域の治安の悪さはリアルで映画のままのようだ(映画の方がマシなのか)。 ネタも含まれていそうだが、強盗に遭う確率が150%(2回以上強盗に遭う確率が高い)、赤信号で停まってはいけないという暗黙のルールがあるらしい。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-13 21:57:04) (良:1票) |
44.「差別されるエイリアン難民」という基本コンセプトが面白い。南アフリカという舞台からして明らかにアパルトヘイト政策のメタファーなのでしょうが、変に政治的メッセージを盛り込まず、(ドキュメンタリータッチの序盤をのぞいて)主人公である小役人の視点で「事件」を描いているのがいい。とかく宇宙人映画は大仰な侵略・戦争を描いた作品か、ファーストコンタクトそのものをテーマにするような作品が多いですが、まだまだこんな切り口があったのですね^^ただし、ややグロい描写もありますので、スプラッタ的なものが苦手な人は気を付けた方がいいかも… 【大鉄人28号】さん [試写会(字幕)] 8点(2010-03-13 22:22:55) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 「エイリアンが差別される側という設定のモキュメンタリー映画」。そのことを念頭に見ていたため、主人公の腕から徐々にエイリアン化して人間に追われる逃亡劇、そしてエイリアン親子との熱きバディものへと変化あふれる展開が面白い。グロテスクな造形のエイリアンに感情移入させても抱き着きたくない距離感も良く、人種問題とリンクする見事さ。これがアカデミー脚色賞候補に上がった理由だろう。ラストカットには美しさをも感じてしまった。 |
42.はじめて見たときも感動しましたが、再視聴してもやはり面白い。 プロットの勝利。シャールト・コプリー扮するヴィカスを心から憎く感じ、いつしか宇宙人であるエビを応援してしまう。 アイロニーたっぷりな社会派ドラマ仕立てのSFで、一粒で2度おいしい。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-01-24 11:57:41) |
41.《ネタバレ》 全く予備知識ゼロ鑑賞。。。スゲー、、、設定が斬新だよね。20年間動かない巨大な宇宙船、そしてその下に住むエイリアン達。CGによるエイリアン(エビそっくり)の造形や動きが技術進歩のすごさを感じさせますね~。最初は気持ち悪い~な~~とか思ってたエイリアン親子も物語が進み慣れて?くると普通に見れるようになってしまった(苦笑)。まぁ、しっちゃかめっちゃかだと言えばそうだけど、SFだからこれぐらいぶっ飛んでないと面白くないよね。結構グロい場面が多いのでそこらへんが苦手な人にはキツイかもしんない。。。3年後の約束は果たされるのか?ちょっと続編つくって欲しいなー、と思ってイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-18 09:58:03) |
40.《ネタバレ》 もうね、演歌で途中にセリフがあるような感じ・・・って、どんな感じよ? 兎に角、私の中では今まで観たことのないような斬新な映画で、何だかわからないけど面白かったです。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2013-05-03 16:06:59) |