21.《ネタバレ》 注意。超ネタバレ。 この映画は、真夏の暑い夜、野外上映会(俺が子どもの頃には夏休みの一日、たいていそういう日があった)で観たかった。今は夏だが、エアコンの利いた部屋で観た。格好悪い俺(この格好悪さは、三里塚のドキュメンタリーをDVDボックスで買うプチブルっぷりと共通している)。 ラスト付近。 刑事が犯人を捕まえた後。二人ともへとへとになって倒れ込んでいるところ、朝の通学なのか、子供たちの歌声が聞こえる。姿は見えない。 画は花や虫のアップだ。スゲー(これじゃあ黒澤が歴史にその名を刻んだのも無理はない) 犯人は泣き始める。 その言い知れぬ後悔は俺にも伝わってくる。 「ぼくたちはかがやく陽射しを目指すべきではなかったのか」 <- ここは一種のなぞかけになっている。ほとんどの人はわからないはずだ。 妙に大いなる勇者を思い出させる映画だった(が、もちろんこっちのほうが早い。内容も全然違う)。 【おら、はじめちゃん】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-07-07 03:25:10) |
20.《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて再鑑賞。○終戦から数年後の時代を映している映像的貴重さとともに、この時代の邦画にして刑事ものの礎を築いていたのは本当に驚かされる。○「悪」とは何か。村上刑事が佐藤刑事と議論した後の子供たちの眠るシーンや、同じ財産をすられた者同士である村上刑事と遊佐が横たわるシーンの俯瞰カットなど表現者として素晴らしい領域に達している。○黒澤映画では毎度のことだが、セリフが聞き取りづらいのが残念でならないなぁ。 【TOSHI】さん [映画館(邦画)] 8点(2017-10-28 09:59:34) |
19.若き新米刑事の、正義感溢れる姿が印象的。 2015.05/03 3回目鑑賞。黒澤作品は観れば観るほど良さが発見でき、好きだ。+1点。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-04-28 21:43:39) |
18.《ネタバレ》 この時代にこの完成度、独創性はすごい。その後真似され続けるというのは、いかに認められ、愛されているのか再認識した。 【min】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-01-22 20:27:38) |
17.三船敏郎はなんと美しい俳優なのでしょうか。現在活躍している日本男優の誰も持ち合わせていない圧倒的なオーラがあると思います。 【ジャッカルの目】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2012-09-02 21:54:19) |
16.まず、作品として単純に素直に面白い。 最初から最後まで全然だれないし、飽きない。 次に、終戦直後の風俗や雰囲気が興味深い。 終戦4年後のリアル東京。 正直言って、実はつまらないのではないかと先入観を持っていたんだけど いい意味で裏切られました。さすが世界の黒沢監督です。 【ひであき】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-08-02 10:49:47) |
15.終戦直後の雰囲気がよく書けているし、なんだか作品の中の暑さや匂いが画面からにじみ出てきそうな迫力が良い。 【ashigara】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-09 21:07:13) |
14.《ネタバレ》 プロ野球の試合がジャイアンツ-ホークス戦。1リーグ時代でピッチャーは腕をグルグル回してから投げてたりして時代を感じさせます。志村喬がいかにもベテランの刑事役を好演しており、いいセリフが多々出てきます。「コルトがなけりゃブロー二ングでやってたさ」、「犯人が金を使い果たした時何がおこる?、また押し入る。野良犬が狂犬になるんだ」、「1匹の狼のために傷つくたくさんの羊を忘れちゃいかん」、「何ですか、あの人」「狂犬さ」・・・古典にしてすでに完成された刑事ドラマの傑作。 【きーとん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-09 00:19:26) |
13.《ネタバレ》 この時期の黒澤の現代を舞台にした映画って、どれもギラギラギラギラしてますよね。本来人間が持っていたはずの、いまにも暴発しそうな「生」のエネルギー。タイトル「野良犬」の息使いにも似た獰猛な危険さ。戦後復興時の街の情景とも相まって、なにやら画面からもやもやと、エネルギーの飛沫が立ち昇ってくるようなイメージ。クライマックス犯人逮捕シーンでの草むらでの俯瞰慟哭シーンと、どこぞのお屋敷から流れてくる穏やかなピアノの音色との対比が忘れ難い鮮烈な印象を残します。今のニッポン人は、この爆発寸前のエネルギーを昭和のいつかどこかに置き忘れてしまったんでしょうか? 【放浪紳士チャーリー】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-11-30 16:43:39) |
12.《ネタバレ》 自分の生まれるはるか昔に、現代劇の原型となる映画が製作されていた点に尽きます。 踊り子のシーンをみると、現代日本女性のスタイルが、短時間の間によくなっていることがわかります。意思が、遺伝子の働きを制御している事実を、明らかに証明しているようです。それに比べて、男性は、若き日の三船敏郎を超えているかというと、そうはいえないところにも、本作品を鑑賞する価値がありそうです。 【クゥイック】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-12 21:43:11) |
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11.《ネタバレ》 目が離せないストーリーと素晴らしいカメラワークだった。黒澤監督はやはり偉大だ!汚れたズボンの犯人を探す場面は後日の映画「リオブラボー」にも見られたので嬉しかった 【ホットチョコレート】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2008-03-11 19:07:32) |
10.若き頃の三船敏郎と貫禄十分の志村喬の2人の刑事による刑事ドラマで、テンポ良く描かれていて面白い!そして又、戦後まもない時期の日本というものを黒澤明監督は独自の映像で見せる。社会派の刑事ドラマといった感じのする映画で、これもまた黒澤明監督が良かった頃の忘れられない映画です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-20 21:39:59) |
9.三船が若い! この頃から突き抜けた存在感がありますね。志村もいい味を出していますし。ところどころで妙にテンポが悪くなるのが気にはなりますが。私個人の基準では7点ですが、黒澤への敬意を込め、この点数に。 【K】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-24 21:56:19) |
8.冒頭の、三船が犯人を追うシーンは躍動感が溢れていてスゴイ!と思った。最近の刑事モノよりも遥かにいいのが嬉しいやら悲しいやら。クライマックスで、三船が犯人に気づく有名なシーンもよかったです。なんだかダイハード3のエレベーターのシーンを思い出しました(←こっちの方が先に見てたんで)。あの盛り上がり方がすごく好きです。 (あと、グロリアさんと同じく、私もハーモニカのシーンが好きです。) 【ゆうろう】さん 8点(2004-12-19 16:52:34) |
7.みなさんが言ってるように、やはり皮膚感覚にうったえてくる暑苦しさと疲労の迫力がスゴイ。『野良犬』の疾走感はクロサワ現代劇の醍醐味を感じれます。そもそも、わたしはクロサワの時代劇より現代劇のほうが好きです。かろうじて時代劇で選ぶなら『隠し砦』と『蜘蛛巣城』かな。『7人の侍』とか『羅生門』とかは、正直なにが面白いのかわかりません。(『羅生門』はたしかに美しいですけど。)カラー作品なんか問題外。 【まいか】さん 8点(2004-09-16 05:30:54) |
6.この映画が50年以上も前に作られた映画だということに唖然とする。時代背景は当然古めかしいが、語られるテーマはまさに普遍。メッセージ性の強い主題を描きつけながら、少しも説教臭くない刑事ドラマへと昇華させているあたりに、もはや「巨匠」という言葉では片付けられない黒澤明の偉大さを感じる。それと同時に、さすがに瑞々しい三船敏郎の眼差しに惚れ惚れする。 【鉄腕麗人】さん 8点(2004-04-18 16:17:18) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 結果的にはハッピーエンドだったのは、ちょっと残念だった。(志村喬も結局助かるし。)でも、情熱的な三船と冷静な志村喬の対比はすごく良かった。 【ボーリック】さん 8点(2003-12-26 00:01:21) |
4.黒澤映画は、こういう判りやすいのが好きです。地道な捜査の連続なのですが、まったく退屈しませんでした。 【のほほん息子】さん 8点(2003-10-31 04:03:20) |
【たましろ】さん 8点(2003-09-24 23:11:45) |
2.まだ戦後間もない東京の景色やドヤ街に住む人々、湿気のある暑苦しさ、道の土ぼこり、つぶれたトマト、原っぱの花々、モノクロなのに色が見える映像。大事件なのになんかのんびりしてる警察の人々、日々の生活を必死に生きている人々、犯人を追い詰めるほど自分を追い込んでしまう展開、光と影のような刑事と犯人、歯車が一つ違えば2人の立場も逆になっていたかもしれない。だが、社会や環境が犯罪を作るわけではない。紙一重のところで踏みとどまる勇気が必要だ。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2003-07-27 22:00:09) |