1.《ネタバレ》 これまた、物凄いドキュメンタリー、いや記録映画を観てしまった。
良質なドキュメンタリーは、やはりどんなジャンルの映画も凌駕してしまう。
東條英機といえば、A級戦犯として知っているし、親からもよく話を聞かされたし、歴史の授業にも良く出てきた。
だけど、考えてみたら、肉声を聞いたのは初めてだ!!
東條英機の映像と肉声、そして話し方、手振り身振り、それらを観られたことは予想以上に衝撃だった。
A級戦犯たちの肉声や姿を観ることができるだけでも、極めて貴重な作品である。
ところで、本作はどういう立場から撮られたのだろうか。
アメリカ政府が、本作品の制作にあたってだいぶ協力したらしいが、それにしてはアメリカ批判色が強く打ち出されている。
なぜなら、締めくくりが、アメリカのベトナム戦争参入に対する批判の文字で終わるからだ。
それに、戦勝国アメリカが一方的に日本軍を裁いたというメッセージが強く伝わってきた。
客観的にというより、どちらかと言うとA級戦犯たちを擁護しているように感じた。
それが良いか悪いかではなく、そう感じたのだ。
ところで、この記録映画は実にリアルに昭和というものを描いている。
これほどまでに生きた昭和史を目で見た記憶は他にない。
そういう意味で、類い稀かつ貴重極まりないフィルムである。