2.《ネタバレ》 筋から見るとウォルシュ監督が41年に撮った「ハイ・シエラ」を西部劇に置き換えてセルフリメイクしたもののようです。「ハイ・シエラ」の方がボギーの魅力も手伝って男女の関係や危うさみたいなものを感じさせますが、本作は西部劇ならではの見所があります。駅馬車襲撃から列車強盗シーンでの馬の躍動感、死の谷の素晴らしい景観での銃撃戦と要所をおさえているのです。そういったあたり「ハイ・シエラ」よりも娯楽要素が強く、死を覚悟で渦中に見を投じていく女が主人公と心中してしまう結末に変えられており、さらに二人の握り合う手が映り教会の鐘へと繋がっていくラストは神話的とすら思えます。