《改行表示》66.《ネタバレ》 映画館から出た私の顔はきっと『アメリ』の主人公アメリが、世界と調和して晴れやかな気分で街行く障害者の方を満面の笑顔で道案内をした時の表情に似ていたかもしれない。本当にいい映画に出会うと笑うしかないのだ。帰ってきて暫く経ってもニヤニヤが止まらない。 まず、タイムトラベルものでありながら、決してチープにならない世界観と設定の妙。脚本のうまさは元より何より主人公が素晴らしく魅力的!そして彼を取り巻く人々も皆いい人。タイムトラベルに頼らなくても彼の周りには幸せが満ち満ちているではないか! 彼にとっては平凡な幸せが1番であり、能力はそれを得るための手段であり、決して楽して人生を送ろうとしない所が良い。こんな能力の使い方もあるんだなと感心した。 もし、これが『BTTF』のビフみたいな主人公だったら大変でぃす。父親の言うことなんて聞かずに金儲けに走ったり、やりたい放題でしょう。ラブストーリー所ではありません。そんな事になったら、それを阻止しに新たなタイムリーパーがあらわれたりしなきゃならないんで、もうジャンルが変わってしまいます。逆にこんなSF要素を持ちながら基本的にはラブストーリーを貫いている所が気に入った。とにかく、観終わって人生って素晴らしいと思える作品だった。 もし、自分にタイムトラベル能力があったらどうするか? この映画の主人公みたいに平凡な幸せを手に入れ、毎日を2回づつ体験して、人生の素晴らしさに気付くだろうか。 いや、絶対馬券とか買っちゃう(笑) 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 10点(2014-11-01 18:46:52) (良:3票) |
65.《ネタバレ》 自分の生き方を変えさせてくれるような、圧倒的傑作です。タイムスリップものは、その奇抜な設定を存分に使い切るか、サスペンス方向に転がっていくか、どちらかの展開になるケースが多い。でも本作はそれらとは一線を画す、希望に満ちた素晴らしい落としどころを用意しています。悪人がいない登場人物、みんなそれぞれに短所と長所がある、そんな世界観が最高です。映画館を出たときに、きっと見える景色が少し変わっている。とても素敵な作品。 【j-hitch】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-10-24 16:01:32) (良:3票) |
《改行表示》64.《ネタバレ》 タイムリープする能力で人生を好きなだけやり直せるのに(実際に何度もやり直す)、人生の一瞬一瞬がかけがえのない大切なものだっていうメッセージは意味が分からない。 主人公の父親が亡くなるときに、父親との最期を何度も繰り返すとか、冒涜行為でしかなく不愉快極まりない。もっと優しくしていれば良かった等の後悔も背負って、大切な人の死を受け入れるものだろ。 さらに、一度生まれた自分の息子をタイムリープでなかったことにしたシーンはホラーかと思った。息子を殺したも同然の行為じゃないか。 頭の中がお花畑のスイーツ向けの映画。頭からっぽで観るには良いかもしれない。 【アクアマリン】さん [ブルーレイ(字幕)] 1点(2018-12-01 00:30:25) (良:2票) |
《改行表示》63.《ネタバレ》 こら、インチキな手を使って幸せを手に入れよってからに。とか野次やチャチを入れるコト大いに可能。でもそんな気にはさらさらならない。真面目なタイムトラベル。自分に好都合となるよう細工するのは当たり前のことであって その中で、妹:キットカットをなんとかしてあげたい 助けてあげたい 守ってあげたいという兄貴としての愛が特段素敵に感じました。自分の色恋沙汰だけではナシに家族皆の幸せ願う。とても良質なファミリームービーでしたね ●出会いが暗闇喫茶であったというところが意外と面白かったポイントだ。 ●過去をいじったせいで自分の娘がまるでかわゆくない?(笑)息子に摩り替わっていたところが一瞬ホラーっぽかった。ギョッとした。でもここも面白かった大事な一つのポイントだ。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-12 20:11:56) (良:2票) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 タイムトラベルで過去に戻れる青年ティムの物語。能力を使って、好きな子を射止めるなんてズルい。ズルすぎる。人のために使うことも多いけど、ちょっとした失敗もすぐ能力で解決しようとしたりするので、コイツはロクな大人にならんなーと思ったんだが、後半は少し成長して、最低限にとどめるようにしているし、根本が善良で素朴なので許せる。この能力を持ったことでマスコミやマッドサイエンティストに追っかけまわされたり、同じ能力を持つ人間と対決したりっていうSF的展開はない。 それにしても、何らかの代償があってしかるべきだと思う。何も失わないなんて!能力を使ったことで他の誰かが不幸になる(死ぬ)とか老化が進むとか、で普通はバランスをとるもんだよ。代償らしきシーンもあるんだけど、それもなかったことにできちゃうのはズルすぎる。嫁にも一生言わないつもりかしら…。 ここまで徹底していることから、陰の要素はあえて排除しているのだということもわかる。タイムトラベルの能力は一つのスパイスと捉えれば、グッと来る部分は多く、平凡な幸せを描いた素敵な物語だと思います。 本も映画も時間を気にせず見放題で楽しそうだなー。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-04-14 01:18:14) (良:1票)(笑:1票) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 タイム・トラベル物では所謂「セワシ君問題」が常に付き纏います。タイム・トラベル物の代名詞、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの二作目では主人公の軽率な干渉により未来が大きく捻じ曲がる。本作ではティムはとにかく自分の意中の女の子を自分のものにすべく過去を改変していく。具体的には彼女からチャラ男を遠ざける。チャラ男と付き合っているメアリーも幸せそうだったけどな!初エッチを何度も繰り返す。初エッチってそういうものか?もっと別に良いものがあると思うんだけど。つーか普通に彼女に失礼だろ。個人的には人生って後悔とか苦難があってこそだと思っているので、自分の欲望のままに行動するティムにこの時点から結構ムカついていました。 決定的だったのが過去を変えたことで自分の娘が息子に変わってしまっていたことに驚く場面。その後、ティムは過去を元のシナリオに戻し、娘が無事で良かった良かったと済ませているのですが、改変したことで生まれた男の子はどうなるんだよ!こいつ本質的に自分の息子を殺してます。 前述した『バック~2』だって、もしビフとお母さんの間に出来た赤ちゃんが画面に映ってたらエンタメとして綺麗じゃないと思うんです。マーティーが未来を元に戻したら、その赤ちゃんは存在が消えちゃうわけで。そういう所が本作はホント無神経だと思う。 また腹が立つのが、そういう無神経さに関わらず、最終的には「タイムトラベルなんかせずその日その時を真剣に生きるんだ」という結論に行くんですが、それなら自分の息子の存在を消しちゃったときに後悔して気付いてくれよと。 あと、もう一つだけ文句言わせて下さい。タイム・トラベルが出来るようになったら普通何をしますか?私利私欲の為に使いますよね。男なら助平なことに使うに違いない(しかし本作では女性が引くような生々しさは排除されている、素晴らしいね)。でも、いずれ人助けに使えることに気付く筈。ニュースでは消防車が遅れて焼け死んだ人や、親からアビューズされて亡くなった子どもや、ストーカーに殺された女性の話題に事欠かない。別にヒーローじゃないんだから身を挺して守れとは言わんけど、消防署や警察署に電話くらいできるでしょ。偽善ですらない。頼むから人を助けてくれ。自分のことばかり考えないで。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 2点(2014-12-22 19:24:25) (良:2票) |
《改行表示》60.イギリスのラブコメ職人、リチャード・カーティスがユーモアと感動にあふれた素晴らしい人生賛歌を撮り上げました。 主人公の青年は祖父、そして父から過去にだけタイムスリップできるという特殊な能力を受け継ぐ。 この能力を背景に、一目惚れした運命の女性に対し「あっ!だせえな俺。やっちゃったなあ…。」と思ったら、 そのちょっと前に戻って今のとこ、もう1度やり直し!という展開が続く前半はちょっとドタバタのラブコメといったところ。 笑いドコロも十分です。しかし彼がその女性と結婚するあたりから、少ししんみりとしますが、 登場人物ぞれぞれの色んな家族愛と人生賛歌のドラマへと、実に自然に作品の空気を入れ替えていく。 主人公の男にこの特殊能力を決して無駄遣いさせないのがいい。 愛する女性のため、愛する家族のため、彼は過去と現在を行き来します。 後半から終盤は、こういう家族のドラマには滅法弱い僕ですが、本作に関しては涙は出てこなかった。 それは本作の持つ独特の清々しさや、終盤のしんみりとした空気の中にも、本作の根底にあるユーモアの精神が常にあったからだと思う。 何気ない日常の中にあるささやかな幸せというものを感じさせてくれる、作品の中の空気のブレンド具合も見事な作品でした。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-12-17 18:16:26) (良:2票) |
《改行表示》59.《ネタバレ》 「時間について」ラブコメではなくラブストーリーを考え続けてきたリチャード・カーティス監督が幾多の作品を集約させたかのような一本を引退作としたのが本作。時間。この壮大なテーマを監督は、極めて普遍的なレベルに落とし込み、全人類が体現出来る形でその尊さと重大さを惜しげもなく雄弁に詰め込んでおられる。エピソードが断片的であることや時勢が行き交うことも、極めてテーマに忠実。目を閉じた時に瞼の裏に映る光景が我々の財産。まるでぼくの人生を観ているかのように思えるのは、彼らや彼女らの想いが、親や子や兄弟や親友や恋人がいる全ての人の心と重なるからだと思う。ラブストーリーとは、男女のいちゃいちゃを観るだけのものではなく、親子の愛も、友人との愛もその中の一つだ。この映画はぼくの理想なのかもしれない。 (P.S. 放題の"愛おしい"は蛇足。痛みの時間もまた人生における重要な財産。痛みがあり、それを乗り越えるから人は強くあれる。監督は、はっきりとそこまで描いていらっしゃる。だからAbout Timeなのだ) 【ボビー】さん [試写会(字幕)] 10点(2014-09-25 17:34:12) (良:2票) |
《改行表示》58.《ネタバレ》 現実世界では過去に戻れないのだから、いまこの瞬間を、毎日を、大切に悔いなく生きよう。それが一番の幸せなんだよ・・・的なメッセージを人々にうまく伝えるための良作映画だと思います。 タイムトラベルを絡めた軽いタッチの恋愛コメディ風の前半は前フリ、後半からは家族のつながりを描いた、心があたたかくなるヒューマンドラマでした。 タイムトラベルで失敗を何度もやり直して人生を軌道修正するティム、タイムトラベル能力がないために人生を台無しにしそうになる妹のキットカット。フィクションと現実とを見比べることで、人生における時間の大切さが、くっきりと浮き立っています。 そして、父親との最後のエピソードは泣けました。私自身、昨年父を亡くし、結局その4~5年前に帰省した時が父との最後の会話でした。「あの時が最後の会話になるとわかっていたら、もっと話すことがあったかも・・・」と思い出し、心が痛みました・・・。 この映画におけるタイムトラベルは、こうしたメッセージを伝えるための一手段で、いわば添え物。設定が甘かったり都合が良過ぎたりしますが、そんなことでこの映画に対する評価は変わりません。自分の「心の琴線に触れた」こともあって、とても印象に残った映画でした。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2022-06-22 22:12:07) (良:1票) |
57.《ネタバレ》 最初は恋物語かと思いました。時を戻す過程で、恋人を失っていく…みたいな。タイムトラベルの旅に、ほんの少しのハラハラ感がありました。しかし、後半になると、もっと深い話に。そして、一日一日をいかに大切にするかというしめ。本当にいい映画にまとめたなぁと思います。とてもやさしい気持ちになる作品でした。 【snowman】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2022-01-10 22:27:39) (良:1票) |
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56.《ネタバレ》 この映画はタイムリープを小道具にした人の一生をとらえたドラマと見るべきでしょう。リチャード・カーティスのあくまで創作過程の想像ですが、さえない男が意中の相手と結婚するためには・・うん、タイムリープを使おう、でもそれだと陳腐になるから、結婚後のドラマもしかっりこさえよう・・という感じなのかな。なので、タイムリープの設定はそんなにち密にしてはなく、あくまでドラマの進行を邪魔しない程度にとどめておいたというところでしょう。この映画も人生も一緒で結婚するまでのところがかなり盛り上がり、なりふり構わずのタイムリープ頻発が嘘臭さとご都合的なのをギリギリのところで抑えて、微笑ましい恋愛ドラマにしています。そして結婚後の平凡な日常を描くのに適度な頻度でタイムリープを入れ、人生のドラマを演出し、若干説教臭い人生訓を入れていますが、そこまで気に障るほどでもなく、よく抑制して描いていると思います。なので、これはSF的視点ではなく、人生ドラマとして採点してあげるべきでしょう。ティムの容姿もちょうどよく、レイチェル・マクアダムスもお相手役として釣り合っていてキャスティングも文句なしです。個人的には新婚さんや、子どもが生まれたばかりの夫婦が見ると、より感慨深さを感じる映画だと思います。 【エリア加算】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-29 22:41:33) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 あの日、あの時、あの場所で、君に会えなかったら…(小田和正)過去に戻ってしまったばかりに失ってしまったメアリーとの出会い。2回目3回目がより1回目を輝かせ、1回目しかない普通の人の出会いを賛美する。父との別れは自ら決断しなければならないつらさと、思いはすべて伝えられる幸せさとでなんとも言えない二人の時間だったなぁ。相変わらずビル・ナイが良いんだ。タイムトラベルものとしての面白さはそこそこながら、心温まる佳作として記憶に残る。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-16 01:07:36) (良:1票) |
《改行表示》54.《ネタバレ》 優しさと可笑しさに包まれた映画。ただ優しすぎて、タイムトラベル設定がなければ、何も見所がないかもしれません。 当初の予想とは違い、思っていたより長い年月の作品。エピソードが多くて、ちょっと散漫になっちゃったかな。個人的にはラブコメ1本で見せてくれたほうが気分が乗れます。もちろん、この映画が面白い作品であることは間違いありません。 やたらとひねった設定にされがちなタイムトラベルもの。オチも悲恋だったり切ないものが多い気がします。そんななか、ある意味革命的なこの作品。ひねりなし。深い考証もなし。 ルール①『タイムトラベルは過去に戻れるだけ。未来には行けない。』 ルール②『過去に戻って過去を改変したのち、過去に戻る前の現在の時間のところには帰ってこれる。』 ルール③『子供が生まれてから過去に戻っちゃうと子供が別人になってしまう。』 ルール④『手をつなぐと自分以外の人を過去に連れて行くこともできる。』 わかりやすい。そしてこの超便利な能力でやることが、父親は読書で、息子は彼女ゲット、なんとも平和なお話。 ただねえ、その彼女がレイチェル・マクアダムスだからたまらないですね。この女優さん大好きです。 失敗したらタイムトラベル。小さな修正繰り返し、ちょっとだけ良い未来にしていって、最後はメアリーを見事ゲット。メアリー、あなた騙されてますよー、って教えてあげたい。でもこの恋愛パートは凄く面白くて見入っちゃいました。 後半は、もしかすると今までの幸せが全部なくなっちゃうような嫌などんでん返しにびびりながら鑑賞。妹のくだりや父親のガンは特にドキドキしましたが、主人公が家族のために自己犠牲も厭わないような高尚な人物ではなく、奥さんと子供を優先する凡人で本当に良かった。 ルール③で子供をとるか父親をとるかの2拓を迫られるシーンで、最後に父親に会いに行くシーンは感動。 ただ、過去に戻って父親と会った後、その父親と一緒に更に過去に戻るシーンはちょっとやりすぎな気も・・・。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 13:17:59) (良:1票) |
《改行表示》53.《ネタバレ》 可笑しそうに笑う女性の写真が気になって見た。内容としてはタイムトラベルの話だったが、主人公は「秘密のパワー」を持った家系というだけで、それ以上の説明がなかったのはかなり簡略な設定である。 主人公が何度も過去に戻って都合のいい結末を得ようとしていたのは、個人的に知っている範囲では「時をかける少女」アニメ版(2006)に似ているが、やがて取返しがつかなくなるとか天罰が下るわけでもなく、また本人の努力や試練のようなものもあったにせよ、結局思いどおりにうまくいくのは出来すぎである。結論的にも少し違っていたようで、この映画では若いうちに秘密のパワーを使って充実感のある境遇まで到達してしまい、そのあとの余生の過ごし方を語って終わったようで変な気がする。 ただ、普段の何気ない幸せ感の表現は非常によかったので、ここは監督がインタビューで語っていた映画の目的に貢献している。荒天の新婚パーティは悲惨なようでも、後になれば完全に笑い話というのがよくわかる。また平凡な一日を繰り返してみると、二度目は美女の笑顔が見えた上に、なぜか値段まで違っていたのは反則だった。終盤で幼い娘が何度も手を振るところは少し泣かされた。 自分としては過去など二度と繰り返したくない日ばかりで、今となってはもう墓場が見えている気もするわけだが、せいぜい今後とも前向きなタイムトラベルを心がけていきたいと思わされなくもなかった。悪い映画ではない。 なお自分をこの映画に誘引したヒロインは、劇中でも最高にキュートな女性だった。この点では間違いなく期待通りの映画だった。 【かっぱ堰】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-09 09:28:58) (良:1票) |
《改行表示》52.とても愛らしい映画だった。この映画が多くの映画ファンに愛されている理由がよく分かる。 タイムリープ能力を有した主人公のラブストーリーといえば、傑作「バタフライ・エフェクト」だったり、クリストファー・リーブの「ある日どこかで」だったり、今作同様レイチェル・マクアダムスがヒロインの「きみがぼくを見つけた日」など、古今東西多々あり、個人的に好きなジャンルでもある。 それらの多くは、主人公たちの悲恋の切なさや美しさを、練り込まれたストーリーテリングの中で描き出すが、今作はそういうジャンル性の中において一風変わっている。 “変わっている”というよりは、想定外に“どストレート”なストーリー展開が逆に特徴的に感じたのだと思う。 この手の映画の多くは、“タイムトラベル”とういアイデアをどう活かして、独創的なストーリーを紡ぎ出すかに注力するものだが、この映画において、“タイムトラベル”という要素は、一つの小道具に過ぎない。 ストーリーの妙ではなく、あくまでも主人公が織りなす恋愛模様、家族模様、それらすべてをひっくるめた人生模様の素晴らしさをストレートに、真っ当に描き出すことを最優先にしている。 そこに映画作品としての新しさや、特筆する発見はないけれど、てらうことなく、人を愛することの素晴らしさ、家族を持つことの素晴らしさを真っ直ぐに伝えてくれるからこそ、この映画はあまりに愛おしいのだと思える。 ふいにタイムリープ能力を得た主人公は、ひたすらに誰かを愛することに没頭し、文字通り時間を駆け巡る。 そして、人生と、それを司る「時間」という概念に対するひとつの真理にたどり着く。 それは、「綺麗事」などと片付けてしまうには、あまりに勿体ない僕たちの人生に備わっている「価値」だ。 秋深まる深夜、映画を観終え、清々しく床に就く。 思わず、すでに眠っている妻にキスをし、娘を抱きしめ、息子の頭を撫でてやりたくなる。 明日はみんなで、ごはんを食べよう。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-10-21 17:39:11) (良:1票) |
《改行表示》51.《ネタバレ》 人生のあの瞬間をやりなおせたら…とは誰しも思う事であって、それを解決するためにタイムトラベルというのもまぁちょくちょくあるパターン。 この映画は、タイムトラベルについての難しい要素をあえてスルーして恋を成就させるための小道具に使ったラブコメ映画…だと途中まで思ってたんですが、あにはからんや、まさかの家族愛物、そして「毎日を全力で楽しんでいくことが真のタイムトラベルだ」的な偽善的ありふれたオチには正直鼻白みました。 そんなありがちで小奇麗にまとめた偽善映画を観たかったんじゃないんだよ!という思いが強くてかなりのがっかり感。 タイムトラベルがなぜできるかという理由付けが全くないため、その運用も自由自在。真面目に見ているとツッコミどころしかありません。 お父さんが何回目かの過去帰りの中で生きてる人生の中にその息子がタイムトラベルして帰ってくる…とか、それ絶対破綻するよね、としか思えないシーンなどが安易に成立するわけで、軽いラブコメであればそれでもいいかもしれませんが、真面目な家族愛映画であればもうちょっときっちり仕様を整理しておかないとダメなんじゃないでしょうか…なんでもありじゃ観てられません。 あと内容に対して時間が長すぎます。100分でまとめられますよね、この内容なら。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 4点(2018-10-15 17:13:13) (良:1票) |
50.《ネタバレ》 タイムトラベルものにしては世界観が地味なのがいい雰囲気を出していて物語に引き込まれた。タイムトラベル能力も個人的で些細な行動の修正にしかつかわないあたりがいい。家族の温かさや何気ない日常の大切さが伝わる作品。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-31 17:22:37) (良:1票) |
《改行表示》49.《ネタバレ》 導入部の父と息子の会話にうまく引き込まれました。メアリーもとても魅力的なので、そこでうまく目を潰れると気にならないかもしれませんが、とにかく事がうまく運ぶまで何度でもやり直すという中盤になって、僕はちょっと付き合い切れなくなりました。 この展開で物語に完全に冷め切ってしまう前に、自分の子供が別人になってるという新たな展開でなんとか持ち直しました。ここから、際限なかったタイムトラベルに縛りがかかる(何度でもどの時点でもやり直しできなくなる)というのが良かったです。 それでも、ガンで死んだ父親と何度も過去に会いにいくというのが、ちょっと…。しかし、第二子を持つ決意によって父との別れを覚悟することに。こういう形で世代の移ろいを表現するのは新しいなと思いました。 父の気づきを超えた人生の秘訣も話としてはイイのですが、それは一見「タイムトラベル? そんなものもう僕には必要ないよ」って感じでいて、けれど彼が掴んだ幸せはさんざんタイムトラベルをして手にした物。なんかうまく騙されているようで納得いかない。 「若いうちは何度でもやり直せるよ。納得するまでチャレンジしなさい」ということなのかなぁ? でもねぇ…この映画観てて、これまでのタイムトラベルもの観ても考えが及ばなかったことに思いが至った。それは、主人公が過去に飛ぶ度、世界中の老若男女全ての人が人生をやり直しているということ。 で、彼は自分以外の何かとの関係性を自分の求めるものにするために、過去に戻ってトライ&エラーを繰り返すわけですが、それに間接的にでもなんらかの関わりが生じた人の人生は変わってしまうわけです。もしかすると勝ち組だった人が彼のせいで負け組に変えられたかもしれない。実際、メアリーのボーイフレンドのことはどうなん? 自分だけが都合よく何度でも先回りできて、そのために悪影響を受ける人もいるはずなのだが、こんなアンフェアなやり方で手にした幸せの上で「人生の秘訣」などのたまうのはいかがなものか? なんて野暮なことが頭をかすめてしまいました。 リアルな人生は、失敗は周囲に記憶されるんよねー… リアルな人生はそれも噛み締めたりしますがねー… 【だみお】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-12-25 00:18:28) (良:1票) |
《改行表示》48.《ネタバレ》 ほのぼのめな「バタフライエフェクト」って感じですかね。 笑える部分もあり、主人公のおバカさんな対応が面白かった。 恋や人助けのために奮闘する主人公の姿には好感がもてました。 終盤でなにか物語の波が欲しかったところですね。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-08 00:50:44) (良:1票) |
47.《ネタバレ》 主人公がタイムトラベルをいろいろいじり始めたところで、気がつけば、レイチェル・マクアダムスが別の男とくっついている。これではいかんと即座に修正して、ちゃっかり自分に出会いを向けている。厳密にいえば、これは恋愛競争としては「卑怯なやり方」なのだが、リチャード・カーティスはそんなことは気にせず、話をどんどん先に向けていく。彼は主人公には何としてもハッピーになってもらいたいのだし、これはみんなが夢想する「あんなことができたらなあ」の具現化なのだから、作品としてはそれが正解なのだ。そして、いろいろあったけど結びついてハッピー、で収束するかと思いきや、さらに後半は話を飛翔させて、人生全般の次元まで包み込んでしまう着実さ。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-12-31 21:16:03) (良:1票) |