4.アガサの原作は知りません。 誰かに勧められて気になっていた作品。 今回やっと見れました。
中盤まではあまり面白いという感じは無かったのだが、ラストでガツンと殴られたような驚きが・・。
なる程、登場人物がそれぞれに秘密を持っていて、本当の供述は半分程度。普通の捜査では迷走確定。
しかし、勝呂探偵の目は最初からターゲットを捉えていたのだろう。すべての不可解な行動と調査は
犯人の筋書きの荒を、一つ一つ拾い集めて推理の土台を固めて行く作業だったと・・。
そして、普段の人を食ったような素振りとは裏腹に、各人物の心の奥にあるものを確実に捉える。
推理物の古典では、現代のような科学捜査は無いに等しい。その中で犯行に至る背景、動機、
実行の可能性、そして犯行を裏付ける材料を積み上げていく。 本来多人数で時間をかけて捜査を
される工程を、実に効率よく探って行きながら、周りからは不思議な変人にしか見えない勝呂。
犯人を見事に翻弄し、気付いた時には反論の余地は残っていない。
ラストシーン、解決したものの、救われない現実を前にした孤独な探偵の表情が忘れられない。
強い印象が残る映画でした。 最初と最後が全く違う映画・・。 実にオモシロイ。