78.《ネタバレ》 3つの物語が交差してそれぞれの結末を迎えるという構成。深みがありそうなのですが、さて、面白いかというと、さして面白くもないです。浮浪者風の汚いおっさんが、枯れて、浮き世から解脱したような風貌で格好良かったです。実際は未練たらたらですが。兄嫁が田舎のオバちゃん臭のあるギャル風なのもまあ悪くないです。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-04-18 20:48:59) |
《改行表示》77.《ネタバレ》 冒頭のカーチェイスから鷲掴みにされる。 荒削りでギラギラした熱情の一方で冷徹な眼差しのコントラスト。 タランティーノの乾いた暴力とポール・トーマス・アンダーソンの濃厚な悲喜劇の融合だ。 しかし、あくまでイニャリトゥ特有の辛苦さがねっとりしたメキシコの空気を支配する。 三度繰り返される交通事故が及ぼした人間模様はあまりにも容赦なく、もう取り返しのつかない喪失感を際立たせる。 「それでも人生は続く」。 これが監督の取り組む一貫したテーマである。 犬と共に何もない荒野を前に一歩一歩踏み締める姿に、生きる強さを感じざるを得ない。 兄嫁に見放された青年も生きていく。片脚を失った元モデルも生きていく。 絶望を超えて達観している。 |
《改行表示》76.《ネタバレ》 イニャリトゥ監督は、見せ方が上手い。 どのエピソードも飽きさせない展開で見せる。 終わってみると、一つの事故現場の3人のエピソードが絡むことなく、 2時間半綴られていくだけだけど、これが面白い。 この監督ならではの、カタルシスといった感じ。 犬がどのエピソードにも重要なのだが・・ 闘犬で稼ぐ兄嫁に惚れた男の話、事故で怪我したバツイチと一緒に住むモデルの話、 テロリスト上がりの殺し屋の話。 どの話も面白い。 殺し屋が最後、殺さないのがまた良い塩梅ですな。 【トント】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2022-05-22 22:26:20) |
75.《ネタバレ》 複数人物と時系列の入れ替えでパルプフィクションのメキシコ版みたいになるのかなと思っていたけど、自分的には特にカタルシスもなく"Well, so what?"という感じでした。他の方も指摘されているように3つ目の話には全く感情移入できず。世間の評価とは逆かもしれないけど自分はバベルの方が好きだなー。 【なす】さん [インターネット(字幕)] 5点(2019-11-04 04:58:34) |
《改行表示》74.《ネタバレ》 暴力、複数の時間軸、音楽 要素としては、まぁよくある映画なんだけど メキシコのエネルギーで映画に命が吹き込まれている感じ とてもいい |
《改行表示》73.《ネタバレ》 メキシコらしいすさんで危険で、もう後戻りできない感覚がたまらない。もう戻れない道筋を選んでしまった主人公の生き様を理解しようとしても、その主人公の生き方が実は常人では無いと言うことに気づくともう後戻りは出来ないのだと無理矢理に納得するしかない。 こうすれば良かったのにだとか、こんな事をしてはいけないだとかの言い訳が一切通用しない。彼らは本物のその筋の人間だから。この国の現状を検索すると恐ろしさで足元がぐらぐらになるような錯覚を覚えるほどだけど、そういう今いるこの国から見える現実とはまた違う恐怖感が垣間見える。 本当のメキシコという物は、渡航に際して政府が厳重に注意を呼びかけるほどの有様にあるんだろうけど、この映画の主張する危なさも相当な物だ。ありきたりな日常を享受できるありがたさに本の少し気がついた。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-11-08 04:38:23) |
72.《ネタバレ》 南米を舞台にした、とても生々しいエピソードで綴られる重厚な群像劇。剥き出しの肌と肌で生きる市井の人々のエネルギーが画面を超えて伝わってきて、なんだかガルシア・マルケスの小説を映像化したような印象を受けた。特に、大きな犬を引き連れたホームレスのおじさんが実は殺し屋だったところなど、マジックリアリズム的。そのぶん、歩けなくなる女優のエピソードが幾分か浮いてしまっているのが残念だった。それでも、この常にうだるような熱気のなかで生きる人々の生命感は見応え十分だった。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 22:53:09) |
71.《ネタバレ》 3つの話が事故を交差し進んで行く。どの話も犬が重要な役割を果たしており、本線の話を深いものにしていく。映像はリアルというより生々しい。それぞれの話で強い欲望と絶望があり、役者の演技もすばらしい。見終わった後はスッキリするものではないが、考えさせられる映画でした。軽い映画が好きなのですが、たまには重いのもいいなと感じる映画でした。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-05-04 23:46:15) |
70.《ネタバレ》 3つの話はもうちょっと絡み合うかと思っていたのですが・・・(2番目の話で2回かかってくる無言電話なんて、絶対後で裏側のエピソードが出てくると予想していた)。しかし、やたら忙しいカメラで目を回らせつつも、一つ一つのシーンに不気味なほどの迫力とインパクトを与える手腕はなかなかのもの。映画としての重量感があります。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-08 02:11:49) |
《改行表示》69.なんとなく観たら引きずってしまい大変でした。 その後お金が使えるようになってからの作品は 全体のバランスは良くなったものの 少し都合良過ぎだったり無理矢理だったりしたが これは荒削りだがいちいちザクザク刺されている感覚で 正直、気持ちのよい映画ではないけど好きです。 でも、結構しんどいので観るのにエネルギーいります。 【Pecco】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-20 22:09:57) |
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68.三つの話の絡め方が中途半端です。しかも長い。 【K】さん [DVD(吹替)] 6点(2010-04-05 22:39:59) |
《改行表示》67.《ネタバレ》 救いなき不幸の物語 生まれ育ったところでは、 こんな話が日常にあふれていた。 力になれない他人の不幸は、 そばで見ているのも辛いもの。 相手の気持ちを思いやれない、 独りよがりの愛情では、 誰も救えず哀しみを広げるだけ。 再生への希望は儚げで、 更なる不幸の兆しだけ見えて… なんか、やるせないなぁ 【海之松】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-10-07 00:03:22) |
66.緻密な人物描写とドラマとしての緊迫感の高い構成力、そしてメキシコという国独特であろう暑苦しい空気感に引き込まれた。しかし中盤以降やや失速した感もある。濃密な人間ドラマはあったが、やや尺が長すぎたかもしれない。2時間半という尺にたえるだけのスピード感がなかったかことが惜しい。 【鉄腕麗人】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-06-20 20:14:39) |
《改行表示》65.アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品としては、一般的に一番評価の高い気のする本作だが、確かに楽しめた。 この監督の後の作品には批判めいたものを聞いたりするが、私的には後年の作品の方が好きである。 音楽と映像の両面において、『バベル』や『21グラム』の方が優れているからだ。 だが、本作の脚本については、かなりの出来栄えで、様々な人間模様を描きつつも、登場人物たちを交錯させ、関連性を持たせて描いているのが面白い。 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、脚本選びよりも映像と音楽選びに才能が光る監督なので、今後ますますパワーアップしていくに違いない。 少し寡作気味なのが気になるところだが、新作を早く観てみたいものだ。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-27 00:30:20) |
64.とてもリアルで生々しい映画。登場人物が中盤のある出来事で交差するんだけど、それぞれの物語それだけでも十分よくできています。痛々しい人生を見せられる作品だけど、なぜか妙に心地よい作品なんです。まだまだこの先を観てみたい!そんな風に感じた数少ない映画です。 【たけたん】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-22 21:07:09) |
【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-12-22 15:26:26) |
62.3つのストーリーのオムニバスもの。だからか長い。視覚的には新鮮なのだが、結局その3つのストーリーの絡ませ方が中途半端な気がして意外性もない。しかも3つめのストーリーがだるい。全体的に盛りあがりがないっす。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-02-27 14:09:33) |
61.当時、何の予備知識も無く観たためか腰を抜かすほどの衝撃を受けた作品。人間の本質を見抜き、それをしっかりと独特な感性で映像に落とし込んでいる。「犬のような愛」がテーマとしてあるのだろうけど、やはり強く感じるのは「身分に関係なく不幸や死は訪れる。故に、人間は平等なんだ」と映画を通して訴えかけようとする監督のメッセージ。 【マリモ125cc】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-10 19:15:32) |
60.《ネタバレ》 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、、、長っ。デビュー作にしてすでに完成されている。良くも悪くも。複数のエピソードがひとつのテーマに集約されてゆく様はそれだけで面白い。3つともが自分のことしか考えていない者の成れの果てが描かれている。1つ目は自らの愛と未来のために実の兄までも貶める弟。笑顔の兄弟の写真が印象的。2つ目は富と名声を手に入れたうえに妻と可愛い娘がいる男を略奪する女。無言電話の逆転がちょいとあざとい。3つ目は思想のために家族を捨てた男の後悔。兄弟の諍いという一つ目の話にリンクする逸話が盛り込まれる。スタイリッシュな映像でこの3つのエピソードが繋がる。先に書いたようにひとつのテーマに集約されてゆく。完璧に。この完璧さが面白くもあり面白くなくもある。3つのエピソードという大枠以外の細かなエピソードまでもがひとつのテーマへと集約されている。それ以外は描かれない。テーマに沿ったエピソードの羅列。そこに人生は描かれない。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-09-04 12:09:54) |
59.《ネタバレ》 「バベル」前にかけこみ観賞。人と人とがわかりあうことができないこのろくでもない世界を、犬が寄り添い歩いていくってラストが秀逸。犬と飼い主は一心同体=各々の心の映し鏡的な演出でもあるんだろうけど、言葉も通じない犬と人間が共に歩む姿にも、また意味があるように思えてならない。人はわかりあう事ができるのか? |