1.《ネタバレ》 このシリーズもついに大団円ですが、妙に弾けていた前作からは想像もつかない幕の閉じ方です。お手本というかネタ元だった『傷だらけの天使』も最終回は予想を超えてましたが、このシリーズもかなりシュールでぶっ飛んだ最後でした、でもこんなぶっ飛び方は好きじゃないよな。ヤクザを町内から追放しようとする寺島進が中心の前半のストーリー展開はたしかにいつものグダグダ系コメディですが、後半からエンディングまではもはやシリアス・ドラマとしか言いようがないです。寺島進の妹キャラがヒロインですけど、いつものように不思議ちゃんではないのからして違和感がありました。バブル時代が終わって大不況になっていった時世を反映して登場キャラたちが離散してゆくんだろうなというのは想像していましたが、まさか哀川翔と前田耕陽のコンビが警官隊に包囲されて銃撃されるようになるとは、予想を大きくはずされました。 “やっぱり腹黒い奴だった”寺島進がけっきょく生き延びたのには何のカタルシスもなかったし、警官隊の待ち受ける中に飛び出してゆく二人の姿は『明日に向かって撃て』のパクりじゃねえかよ!暖簾が風に揺れた瞬間に居眠りしていた洞口依子が目覚めるのがラスト・カット、これは二人が死んだことを暗示していました。ここまで来ると、黒沢清の「最後は俺の好きなように撮らせろ!」という魂の叫びが籠っているような気がします。