ペトルーニャに祝福をのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ペトルーニャに祝福を

[ペトルーニャニシュクフクヲ]
God Exists, Her Name is Petrunya
(Gospod postoi, imeto i' e Petrunija)
2019年北マケドニアベルギークロアチアスロヴェニア上映時間:100分
平均点:7.00 / 10(Review 1人) (点数分布表示)
公開開始日(2021-05-22)
ドラマコメディ実話もの
新規登録(2024-11-14)【タコ太(ぺいぺい)】さん
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配給アルバトロス・フィルム
あらすじ
北マケドニアの小さな町に暮らす32歳の未婚女性ペトルーニャ。ちょっぴり太めで冴えない雰囲気の彼女は、大卒ながら歴史専攻ということもあってなかなか定職にも就けずにいる。ある日、母親から無理無理勧められた採用面接を受けた彼女は、嫌味を言われた挙句にセクハラまで受けて追い出される始末。モヤモヤした気持ちを抱きつつ帰路につく彼女は、途中で女人禁制の伝統儀式の場に遭遇し思わず参加してしまう。そして、そのことを他の男性参加者から厳しく追及されるばかりか、警察署に連行されてしまう。自分に正直な彼女の立場は悪くなるばかりだったが、やがて理解者も現れ…。 2019年のベルリン映画祭でエキュメニカル審査員賞、ギルド映画賞をダブル受賞。「女性の幸せ探し」というテーマに宗教的エッセンスを添えて描いたヒューマンストーリー。
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1.《ネタバレ》 ヒロインは理想や夢を大切に生きたいが故に世の中のレールからはみ出してしまった女性。そんな彼女に世間は冷たい。しかもその急先鋒は母親。父親は彼女を擁護するが、彼自身の家庭内のみならず世間での立場も弱く庇護者としては心もとない。同性の親友はいるものの本当の意味での彼女の理解者とは言えない。まさに四面楚歌。しかも、本人は甘んじてその状況を受け入れてしまっている。すっかり斜に構えるスタンスを身に着けながら。

こんな状況に自ら追い打ちをかける女人禁制の宗教儀式への乱入。当初は彼女の心の中にはその儀式が男たちだけのものであることへの反発はなかったと思われます。がしかし、批判され追及され挙句断罪されれば彼女の闘争心にはここぞとばかりに火が付いてしまう。事態は悪化の一途を辿るばかり。

正直なところ、このあたりまではヒロインのことをどうにも好きになれない。普通にしてれば(普通って何だ?)少々太目なだけでそこそこ美貌とも思われるし、好きな歴史を大学でしっかり学んだ知性派でもある。なのに何でそんなに斜に構える?母親や世間に背を向ける?元々個人的には、女人禁制の伝統行事があったとしても長きに亘って育てられ守られ築き上げられて来た文化なのだから時代が変わったという理由で否定や破壊はすべきでない、というのが持論ということもあり、どうにも好きになれない人物でした。連行されて当たり前だろ!みたいに。

ただ、観ていく中で彼女の内なる葛藤が次第に沁みて来て、父親の素朴な理解や司祭の宗教観に基いた理解が得られたあたりからは彼女を否定することへの虚しさを感じ始め、ラストシーンで十字架を司祭に返し晴れ晴れとした表情で帰路につくその後ろ姿にそれまでの反感に後ろめたさを感じつつ観終えました。

彼女が半裸で十字架を胸に抱くポスターは、本作の宗教性を強調してしまうようで如何かなと思えます。キリストの受難(詳しくないのであまり言及は出来ませんが)にあらぬ差別を被る彼女の姿を重ね合わすという観方も出来るのかも知れませんし、女性差別への批判や女性の地位向上みたいな視点で観ることも出来るのかも知れませんが、ひとりの人間の成長の物語として鑑賞しての7点献上です。
タコ太(ぺいぺい)さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-11-15 09:41:47)
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【点数情報】

Review人数 1人
平均点数 7.00点
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600.00%
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