2.《ネタバレ》 「賭博師ボブ」とは、なかなかに面白いタイトル・・・って先に【彦馬】さんに書かれてるじゃないですか(T_T)
けど、真の賭博師ってのは、どんなに勝ち続けてても常に冷静で周りが見えているもの。眼前のルーレットに目を回されているようでは、ギャンブラーとしては二流以下。
まぁそれには目を瞑るとして、何が面白いかって、冒頭から如何にもメルヴィルらしいノワールの雰囲気が画面中に漂い、終盤近くまではコメディのコの字も感じさせない完全なフィルムノワールかと思いきや、賭博師ボブの本領発揮で一気にコメディ映画に様変わりしてしまうという、ビッグなオチがついてくるところでしょう。
非常に残念なのが、その後での車の中の(有能な弁護士だったら刑が軽くなるとかいう)会話。あれは完全に蛇足。
また、朝日が出る時間帯の街の息吹とか、逆光で顔に影を作ったりといった画面の演出は相変わらず格好良いとしか言えず、モノクロならではの画面の美しさはここでも健在でしょう。
ところで、こういう風にギャンブルでヘマをしてしまうような人間ってのは、大抵どこか阿呆面をしているものですが、子分を従えたヤクザのボスが大真面目に計画を練って、万全の準備でミッションを遂行しようとしたところで大真面目な顔してギャンブルにハマってしまうというギャップが面白い。
・・・っていうか、後から考えると「ボブ」って実は結構マヌケな名前だよなぁ~(笑)