1.《ネタバレ》 医学を征服した天才外科医の私なのだから、舞台女優のイヴォンヌも征服出来る!狂信に満ちたゴーゴル博士。ハリウッドデビューのピーター・ローレの血の通わない語り口にゾッとさせられ通しの怪演ぶり。列車事故で両手が潰れたピアニストである恋敵なフィアンセを陥れようとナイフ投げ名人にして殺人罪でギロチンにかけられた男の手に付け替える。落語「犬の目」のような話で何となく展開も分かるのですが、当然ながら笑い話ではなく哀れな結末に行き着きます。博士の終盤の暴走ぶりがいまひとつだったものの、短い尺に詰め込まれた見事な脚本でのキレのよい展開に緊張が途切れる事の無かった秀作です。