28.《ネタバレ》 やけにサラリーマンの悲哀を強調する。今となってはサラリーマンになる人が多くなったが当時はこれから高度成長の時期でサラリーマンを選択する人が徐々に増えつつある時期だったのかもしれない。サラリーマンの「あるある」が散りばめられているのだが、今見るとちょっとうるさい。シナリオと演出上の芸の細かさはさすがである。 【ほとはら】さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-06-28 14:01:24) |
27.《ネタバレ》 前半での岸恵子の捉え方、これがまたいい。 細い二の腕に、キュッと締まったウエスト、細い足首。 そんな岸恵子が池部良にキスを迫る。 これぞ、究極のエロス。 これだけの魅力を振りまく岸恵子との浮気、仕方ない面はあるにせよ、奥さんは最後に許したらダメ。 こんな男を許したらアカン。 最後、元のサヤにおさまるのが納得がいかなかった。 時代なのかな… それ以外は上質この上ない。 美しい白黒画像に、サラリーマンの生き様を的確に捉えたストーリー。 こちらの面に関しては、時代を超えた普遍的な魅力をふんだんに感じた。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-02-28 18:34:36) |
26.《ネタバレ》 東京物語の後に創られた名場面が多い本編。 甘えた声の金魚が岸恵子だというのに驚き。 不倫をテーマにさらりと描いてみせる小津監督。 コメディ風ホームドラマを撮るイメージがあるが、 結構、当時の社会問題にきりこんでいくんだね。 でも小津監督だから、ドロドロしない。 【トント】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2020-04-06 09:50:47) |
25.《ネタバレ》 現代的価値観から言えば、酔っぱらいの友人を家に連れ帰ってきたり、無断外泊、不倫、と、とんでもない亭主というところだろうが、戦後すぐという時代背景もあり、銃弾をかいくぐってきた男にして、多少のやんちゃもありかな、とも思わせる。 月並ではあるが、平和のありがたさ、健康のありがたさ、そして家族のありがたさを思った。 最後に、どんな手紙を書いたのか気になるところ。もちろんそこを語らないのが粋なのだが。 【チェブ大王】さん [地上波(邦画)] 6点(2020-01-03 19:27:37) |
24.時代を感じるが、気持ちは分かる、そして岸恵子の上手さも分かる、という映画。 定年退職のサラリーマンが「31年働いた...」ということだが、今考えると短い。でもすごく老けている印象。 女性の地位も低い感じで、飲んで歌って、タバコ吸って、麻雀して、とまあイメージ通り。主流を押し通すというのが、現代とは違った映画の本流か。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-06 21:19:49) |
23.不倫を扱うにしては、明るすぎる演出ではないかなあと思う。現代のようなドロドロを描けというわけではないけれど、ちょっとあっけらかんとし過ぎで、あまりいい印象がない。岸恵子感が出過ぎてるのでは、とも思える 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-10-29 18:39:32) |
22.こんちわ、ちょいと、煙草にウチワ。泥沼にならずに盛春のようなのどかな不倫、男にとって古き良き時代です。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-10-22 23:42:18) |
21.すんなり鑑賞できた。サラリーマンもつらいなー。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-10-21 06:09:35) |
20.《ネタバレ》 私はこの監督の、しつこいくらいの正面カメラ目線の切り返しと、やたら段取りまる出しで間の空く台詞のやりとりが嫌いなのですが、この作品はその要素が比較的少なめで、したがって楽しんで見ることができました。不倫を扱っていながら、池部良と岸惠子、池部良と淡島千景、双方とも「何となく」収束しているのが良い。ただ、それでも2時間半は長すぎ。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-10-19 03:13:15) |
19.戦後の復興という、おおきな社会の変化が背景にあって。 池部良演じる主人公は大会社に勤めていて、まさに戦後、新しく構築されつつある秩序の世界。若い社員たちが集まって休日にピクニックにいったりするのがいかにも現代感覚。その一方で、戦後まだ10年ちょっとという時代、主人公は従軍経験があって、戦友仲間という、一種旧時代的な人間関係も有している。実際、この戦友ってのが、これでもかという加東大介顔をしていて(そりゃ本人だもんな)、いかにも古くさ~い印象なんですな。 主人公本人は池部顔ですから、顔立ちは新時代的。新時代過ぎて、不倫なんかをやっちゃってる。 この不倫を、周りの友人たちが見とがめてやめさせようとするのが、今の目からみると、まだこれでも古い倫理観、という声が出るかもしれませんが、「不倫=うらやましい」という本音の部分は、これはいつの時代も変わらないようで。 はたまた一方では、せっかく戦後まで生きのびたにも関わらず、病に斃れる友人もいる。生きていくことの大切さ。 年長者は年長者で、皆、それぞれの立場から実にいいコメントをくれる。特に浦辺粂子、なんという貫録、なんという迫力、なんという説得力。 という中で、最後は「やっぱりなんだかんだ言っても、夫婦が基本でしょ」というベタな結論に落ち着くんですが、それをこれだけ自然に見せられると、なんか感動しちゃうんですねー。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2018-10-14 16:17:19) |
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18.何というか、ほのぼのとした作品だが、あまり印象には残りそうにない作品だ。火遊びして奥さんにバレるとやはり恐いものだ。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 6点(2018-05-19 22:02:23) |
17.小津作品の中では異質な作品だろうがこれが最も好きである。 昭和の東京の風情に趣が感じられ、そういったモノクロ映像中でかわされるこんちわ、さよなら等々日本語のリズムが聞いていて心地よい。簡素な風体の池部良は渋く、若い岸恵子も可愛い。 【クリプトポネ】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-01-08 21:03:30) |
16.小津映画に不倫ものはないだろうと思っていたがあった。でも不倫問題はテーマではなく、サラリーマン人生や夫婦の絆の方がメイン。地方に飛ばされたサラリーマンや脱サラしたサラリーマンも登場する。終盤笠智衆扮する小野田さんの「いろんなことがあって、だんだん本当の夫婦になるんだよ」という言葉が深く心に響いた。地味ながら良い映画だったと思う。岸恵子の魅力に私も惹かれたが、最後はやはり女房という淡島千景が良い。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-09-12 12:53:13) |
15.《ネタバレ》 なにより全編を通じての言葉の弾むようなリズムが可愛らしくて可笑しい。退屈にも思える日々から、うねりに流れているうちに、ある日突然抜け落ちたものが大事なもの、幸せだったんだなんてよくあることですが、リスタートが蛍の光だなんて人生の春、青春からの卒業ではないか。甘さの残る青春を脱皮し、これから断固とした夫婦になっていくのだろう。なんとこれは成長の物語だった! |
14.馴れっていうのは本当に怖いもので、何本か見ているうちに小津監督作品の本流っていうのは、豪華スター共演による「適度にユーモラスな笑いとペーソスを交えた適齢期の娘とその親父の物語」っていう固定観念がいつのまにやら私の中では出来上がっていたようです。その一つの完成型が「彼岸花」(10点)であったわけで。さてさて、この作品は倦怠期を迎えたサラリーマン夫婦の危機を描いています。戦後の小津監督のフィルモグラフィーの中では、明らかに傍流に当たるのかと思われますが、不倫という小津映画にしてはあるまじき事件が描かれていながらも、例によって例のごとくのこの監督のタッチゆえ、ドロドロした様子などほとんど微塵も感じられません。不思議。これがいわゆる小津芸術マジックなんでしょうか?↓どなたかも書かれていますがこの題材で成瀬監督ならどのように料理したのか想像してみると、より楽しいのかもしれません。主役三人それぞれがご自分の魅力を十分発揮していると思います。淡島さんのお母さん役の浦辺粂子さんが少ない出番ながらもやっぱり上手い。本日、淡島さんの訃報に接しました。この映画で夫の浮気に心揺らす女から、「夫婦善哉」(8点)でのひたすらダメ男に尽くす女、時代劇でも現代劇でもコメディでも、どんな役でもこなせる芸域の広い素敵な大人の女優さんでした。数年前「大停電の夜に」(7点)を観たとき、まだまだお元気に頑張って欲しいなあと思ったんですが・・・。残念です。またひとり昭和の偉大な名女優の方が逝かれました。ご冥福心よりお祈り致します。一ファンより。森繁さんはきっとあちらで、笑って出迎えているんでしょうね・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-02-16 22:40:30) (良:2票) |
★13.《ネタバレ》 小津作品のことだから、また娘が嫁ぐ嫁がないの話かほのぼの話だろうな~と思ってました。けど本作は違った。夫婦の話だ。嫁ぐ嫁がないを通過した後の話だ。自分は未婚なので、自分の実体験とともに作品を観ることはできなかった。でも、夫、妻、妻の母親、浮気相手、同僚などに対し、感情移入することはできる。隠したい気持ち、隠されて腹が立つ気持ち、色んな気持ちに感情移入することが、言い方が変かもしれないが、観てて楽しかった。あとこの作品を観てて素敵だなと思った所は、夫婦に接点のある周りの人達が、世話を焼いてくれる所だ。近所のおばさんが鍵を預かってくれていたりする光景は、今の世の中の目線で見ると、珍しい光景だ。戦友が再開して合唱するシーン、送別会で合唱するシーン、池部良と淡島千景の緊迫した空間など、凄く良いシーンが多い。そのシーンをまた見たくなる衝動が、きっとこれから先何度かありそうだなと、そのシーンを見てる時に既に脳裏に浮かんだ。 【VNTS】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-01-27 20:43:17) |
12.倦怠期の夫婦、ついに夫が不倫を! というと、暗いイメージを抱いてしまうけど、 小津作品としては異色の設定でも、主人公であるサラリーマン族の悲哀やペーソスを中心に、 あくまで軽快なタッチで描いてます。もちろん主人公の不倫のほうも。 それがどうしても物足りなさを感じてしまう。不倫以外のエピソードは他の作品でも観れるし、 同監督の「風の中の牝鶏」ぐらいはぶつかってくれないと、面白味がない。 もうこの頃の小津作品はカラーも決まっちゃってるし、仕方がないのかなとは思うけど、 不倫のエピソードを入れた意味をあまり感じなかった。というわけで、 小津色は色濃く出ている作品ではあるので、小津ファンなら十分楽しめるかと。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-11-23 06:57:42) |
11.他の小津作品と違って、登場人物ひとりひとりの繋がりが希薄で、それぞれが個として孤立していて、お互いの摩擦の中で生きているような感じがしました。愛で繋がっている、というような夢物語はなくて、打算的なものの中から価値を見出してゆくような、結構厳しい物語。ちょいとした笑いもありますが、ひとつひとつが重たい映画でした。達観した世代、そこに近付きつつある、行く末が見え始めている世代、そしてこれからまだまだ未来が見えない世代、未来が閉ざされてしまった人。先人達や周囲から距離を置きながら学び、あくまで個として自分を見つめてゆく。それを描く視点は至極客観的で冷静。不倫はいけないと、みんなが金魚に人の道を糾そうとした事に対しても、それが嫉妬心から来る、褒められたものではない行為だとハッキリ言わせてますしね。正直なところ、見ていて息が詰まりそうな苦しい映画ではありました。そんな中、これまで見てきた小津作品の中にあって、トラックの荷台から捉えたショットのスピード感とコミカルさは、ちょっと意外でした。 【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-07-20 00:55:06) (良:2票) |
10.《ネタバレ》 小津作品の中では最も長い作品(144分)とか。小津作品では珍しいと思う不倫を扱った作品で夫婦を描いた作品。夫婦ものでは「お茶漬の味」とか「淑女は何を忘れたか」もあったけど、また違った印象。ありがちな妻を迎えにいって仲直りというわけでもなくさりげなく終わらせてる。特に見せ場というシーンもないけど飽きずに楽しめた。終始プンスカしてる淡島千景が良かったなぁ。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-31 23:32:31) |
9.《ネタバレ》 小津監督、またしても味わい深くて、それでいて、どこか懐かしいような風景を描く。私は益々、小津さんの映画にはまる一方です。この作品にしても一度、観ただけで絶対に忘れらないようなショットを幾つも見せてくれている。例えば、みんなで「蛍の光」を歌う場面!その後の橋、川、ボート、池部良と笠智衆、この二人が座っている所なんて良い場面だと思う。また最後の方で転勤先の田舎の風景に映し出される田舎ならではの街並、仕事を終えて、ただいま~と帰ってくるとそこには奥さん(淡島千景)の服にカバンなど荷物がある。そして、極めつけは「こんにちは!」と入る淡島千景の声、部屋から外を眺めると、走り去る機関車!そこで一言、これまた何とも味わい台詞を吐く池部良!なんて粋な演出とでも言うのか?台詞を言わせる。こんなちょっとしたことでも小津監督という監督は今の監督にはない良さというものが見ることが出来て嬉しい!まだ観ていない小津監督の作品が何本もある筈だ!残りの作品も全て観たいと思う。 【青観】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-03-28 21:15:18) |