6.《ネタバレ》 一人の少女との出会いをきっかけに、忘れ去った過去と向き合う中年の小説家が主人公。
男は少年の姿で現われた自分自身とともに、封印された過去を解いていくファンタジー。
ストーリー、演出、音楽など、どれもツボにハマらず。
中年男と少女の恋愛をファンタジーと文学仕立てに作った感じがついていけない。
少女好きな大林監督の幻想を見せつけられているよう。
はるかは少年時代の綾瀬を愛して現在の綾瀬に抱かれたようだが、男の視点で都合のよすぎる展開だ。
男にとっては三好遥子に対する贖罪でもあり、癒されて安息を得ただろうが、少女にとってはどういう意味があるのか。
『さびしんぼう』のときも感じたが、自分にとっては感傷的になる要素がなく琴線に触れなかった。
大林ワールドに共感できないのは、大林監督の持つ原風景がまったく異なっているということかもしれない。
2時間40分はとても長かった。