3.《ネタバレ》 この映画を観たあとにもう一度改めてアニメ版を見直してみました。なぜなら、アニメ版の方がもっとゴージャスで華やかっだた気がしたから。ところが、人の記憶とは曖昧なもの、この実写版の方が断然絢爛豪華でした。まあそりゃそうでしょ。アニメ版は26年も前の作品なんですから。ほんと、記憶とは恐ろしいです・・・。
ただあれですね、実写になるとどうしても、ある程度はリアリティを求めてしまいますね。マンガマンガなままだと違和感がでてしまう。たとえば狼の襲撃ね。襲って来るタイミングが都合良すぎ。ベルが城に来る時と父親に会いに行く時は襲ってこないで、城から逃げよとした時は襲ってくる。どういうこと?あとその父親も来る時は襲われ、帰る時は襲われてないから摩訶不思議。あと野獣にしてもベルにしても相手に心を開くのがあっけなさすぎ。とくに野獣は、呪いを解くために愛そうとしているみたいに見えちゃうから、タチが悪い。ベルの母親のシーンをなくして、もっと野獣とベルのエピソードを増やせばよかったんじゃないかな。だって母親の話、その後の展開に全く関わってこなかったから。
結局この実写版は、26年前のアニメ版をブラッシュアップしただけの、まんま「美女と野獣」でした。だから開き直ってマンガだと思えば、それはそれで十分に楽しいエンターテイメントです。役者陣の演技も素晴らしかった。特に印象深かったのが、ガストンの子分ル・フウを演じたジョシュ・ギャッド。ガストンへの愛と忠誠心、その他もろもろの感情を実に巧みに演じていて、なかなかいい味がありました。
最後に余談ですが、野獣から人間になった時のあの何とも言えぬそうじゃない感は、今回も健在でしたね(笑)それと、予告で散々目にしたタンスから生地が飛び出してベルをグルグル巻いていくシーン。あれ、黄色いドレスになるのかと思ってたらそうじゃなくって、ええ!?でした。