6.山を登るためには会社も妻も捨ててしまう男、かじかの研究一筋の男、無駄な投資は決してしない男、さまざまな男たちが登場しそれをとりまく女性たちが描かれる。不倫かロマンスかと思わせつつもそうはならない、それぞれの人間の心情を描いた映画。しめくくりの山村聡の言葉が印象的。三橋、新珠による川島映画は何と言っても洲崎パラダイスだが、こちらの方が前年なのか。中盤がやや中だるみの感じがする。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-05-01 06:22:26) |
★5.川島雄三監督の映画、かなり久しぶりに見る気がする。あまり期待はしていなかったのだが、三橋達也、月丘夢路、新珠三千代、山村聡のドロドロとした複雑な人間関係がリアルに描かれていてなかなか見ごたえがあって面白かった。こういうドロドロとした話だと暗く重い雰囲気になりがちなのだが、「洲崎パラダイス 赤信号」がそうであったように見ていてそこまで暗い映画だなという印象がないのはやはり川島監督らしいし、「洲崎パラダイス 赤信号」の主演コンビである新珠三千代と三橋達也が本作でも共演してるのは嬉しい。三橋達也は本作でもダメ男役なのだが、やはりこの俳優は誠実な役柄よりもこういう煮え切らないだらしないダメ男のほうが圧倒的にはまっていると思うし、そういう男に妻(月丘夢路)がいることを分かっていながら不倫に走ってしまう女を演じる新珠三千代もまたはまり役で、やっぱり川島監督の映画でのこのコンビは最高だと思う。しかしやはり川島監督の映画としては「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが出来としては上のように感じる。冒頭の回想シーンから現在に戻るときのつなぎ方が面白い。三國連太郎扮するカジカの研究に没頭する男はどちらかといえば傍観者的立場に描かれているが、彼がいることによってこのドロドロとした物語を比較的冷静に見られるという側面もあると思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-03-29 01:52:07) |
4.《ネタバレ》 川島監督って、面白いカットのつなぎするんですね。有名な監督ですから観てみました。うん、面白い。今観ても、最後まで退屈しなかった。昭和の懐かしい映画が一気にDVD化されていくのは、非常に嬉しいこと。早くこの監督の「しとやかな獣」「女は二度生まれる」も観てみたい。 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-02-22 10:42:45) (良:1票) |
3.川島作品にしてはどうもイマイチだった。 三橋達也がどうにも煮え切らない役でイライラしたし。 山村聡は、演技はうまいかもしれないが、これまたどうも好感が持てない。 出演陣の中で唯一良かったのが三國連太郎。 まさに役になりきっている。 ほんと凄い。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 5点(2009-08-08 23:24:04) |
2.《ネタバレ》 「風船」と同じく、はるか昔に録画したビデオ。昔は民放でも深夜枠ではこういう映画をやってくれてました。すれ違いばかりの内実の伴わない夫婦生活っていうのは、どこか成瀬を連想させます。成瀬のような男と女の内面をえぐり出すような鋭さを期待するのは、この時期の川島雄三には酷なのかもしれませんが、それでもそこそこ面白かったです。三橋達也は、ホント、川島雄三作品では好感が持てない男ばかり演じていて、それが、今となっては新鮮で、むしろ好感が持てます(どういう文じゃ)。 【いのうえ】さん [地上波(邦画)] 7点(2007-09-09 20:31:35) |
1.《ネタバレ》 これ、観て思った。こういう駄目な男、優柔不断で女に弱く、何をやっても中途半端な駄目男を演じさせたら三橋達也の右に出る俳優はいないと思う。あの大傑作「洲崎パラダイス赤信号」を見ても解るようにこういう男が本当によく似合う。そんな三橋達也に対し二人の女、一人は奥さん(月丘夢路)、もう一人は別の男(山村聡)の愛人でありながらも忍び寄る異常なまでの怪しさと美しさの両方を持つ新珠三千代、何ともこれまたドロドロした雰囲気なのだが、川島雄三監督作品らしい才気と軽快さが少し薄い。いや、薄いというよりも無い。そこが不満ではあるが、これはこれでなかなか見応えのある出来にはなっている。二人の対照的な女性が見せる女としての哀しさとやるせない雰囲気がどことなく「洲崎パラダイス赤信号」に通じるものがある。ただ、やはりあっちに比べるとどこか弱い。川島雄三作品としてはけして、傑作の部類には入らないだろう! 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-12 22:39:26) |