1.若尾文子の美しくも怖い女の凄さがここでも見られる。それはそれで良いのだけど、物足りない。若尾文子は文句なく美しい。それなのにどうしてだ?増村映画や川島映画などで見られる若尾文子映画のようなもの、上手く言えないのだが何か物足りない。若尾文子の相手の男が原因なのか?いや、それだけではないはずだ。若尾文子が文句なく良いだけにそれを上手く生かしきれていないような感じのする作品って気がする。中年の夫に夫を嫉妬する若い男、そして、ここでもやたら「奥さん」「奥さん」て言われる若尾文子という三角関係、この手の作品で若尾文子主演なら監督の演出一つで絶対に傑作になるはずなのに、何故だ?やはり監督の力量の差なのか?それとも脚本の問題なのか?色んな意味で折角の面白い題材なのに、勿体無い。だからってつまらないわけではないし、まずまず楽しめる作品にはなっている。これ、主演が若尾文子でなかったらもっと低い点数になっているであろう!