2.《ネタバレ》 最近の分裂騒動に触発されて20年ぶりくらいに見ました。公開された1990年は勝った方も負けた方もまだまだ在命の人が多くいたわけで、今の感覚でいえばよく制作できたものだということになる。敵方にも名優を配しているのはそのあたりをきちんと配慮したということだろうか。しかし、渡瀬恒彦が中井貴一や中条きよしに負けるというのはかなり無理があると感じた。バブル全盛期のやくざ映画ということで、東映なのに無駄にスタイリッシュな役者を使っているが、空回りしている感は否めない。泥臭くても成田三樹夫や梅宮辰夫にでてほしかった。思えばモデルとなった山一抗争が引き金になって、暴対法が施行され、90年代以降はやくざ映画も片隅に追いやられてしまった。本作は面白いけど、やくざ映画のレクイエム的な最後のあだ花になってしまったのかなと思うと、鑑賞後切ない気持ちになってしまった。