3.《ネタバレ》 まず二つ。
一つ目に、この映画はとても誠実に作られた見応えのある韓国サスペンスドラマである。
二つ目に、実際にあった未解決事件を元に非常によく料理してある映画である。
1991年3月。5人の少年が、カエルをとりにいくと言い残し自宅近くの山で失踪する。のべ30万人もの警察官が動員されたにもかかわらず少年たちの行方は不明。
ここに絡む男が3人。一人は捏造をいとも思わぬ野心家のTVディレクター。一人は地位も信頼もある大学教授。一人は粗野ながらも筋の通していく警察官。
そして絡まれるのは。被害少年の家族たちと、追うべき追いこむべき謎の犯人像。
未解決事件を扱った映画にはディスアドバンテージがある。犯人逮捕という手品でいうところの種明かしができないという点だ。これらの映画はそれぞれに工夫して映画として成立させるためのオチや見どころを作る。たとえばゾディアックや殺人の追憶など。
本映画もドラマ性やサスペンス性にあふれ、登場人物の心情を描き切る。ドキドキすらする。
韓国未解決事件三大映画の一つ。他の作品に劣らないパンチのきいた快作。