4.グリフィスの集大成ともいうべき傑作。18世紀末のパリを舞台にした重厚な歴史ドラマ。
フランス貴族に対する辛辣な描写は当時問題となり、ブルジョワ層を敵に回してしまう作品はヒットしなかった。
しかし、今そんな事は関係ない。
展開の速さや詰め込まれたストーリーはグリフィス映画でも屈指の完成度だ。
物語の鍵を握る二人の女性。
運命に翻弄されて違うドラマを歩む二人のヒロイン。ボロ着をまとい寒さに耐える者、愛する者を探す果てに断頭台に消えようとする者。この二重に展開されるドラマの面白さ。
フランス革命やロベスピエールの恐怖政治を絡めたストーリーはより厚みがある。
かつて「イントレランス」で試みられた手法がより分かりやすく、かつ洗練されたものになっているだろう。
登場人物の丁寧な掘り下げはモチロン、グリフィスらしいクライマックスの畳み掛けも素晴らしい。
それにしてもリリアン・ギッシュはキレイだ。「スージーの真心」あたりから余計に可愛くなった気がする。
もっとグリフィスとのコンビが見たかっただけに残念だ。