9.和物の集団群舞ミュージカルというのは、それだけで貴重(というか、何で作品自体がこんなに少ないんだろう?)。随所で曲がぶち込まれる「しつこさ」も良い感じだし、それを支えるテンションの高さもまずまず。よって、それに流されながら見ているだけで十分楽しめるのですが、よく見てみると、肝心のフランキー堺が意外とコメディとして機能していない。というか、この主人公、ほとんど何もしていない(笑)。とぼけた味わいの高島忠夫の方が、ずっとコメディになっていたと思います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-01-09 02:51:57) |
8.中身は殆どないのだが、まだ戦後20年も経っていない昭和30年代に、これほどのパワーと熱気と勢いがあったのかと驚かされる。 |
★7.《ネタバレ》 やっと見ること出来た。以前、CSで放送して録画してると言う親戚から借りて見たけど、フランキー堺が最初に筋トレしながら歌いながら出てくる所からノリノリで、そんなフランキー堺の魅力で通す映画て気がする。出世できる〜できる〜と歌うフランキー堺、フランキー堺に釣られる様に社長の見送り、お迎え、社長が戻ってからのミュージカルシーンで一斉に踊り出す会社の人達、良きハリウッド映画のミュージカル映画を見てるような気持ちになります。アメリカでは〜アメリカでは〜て、アメリカ人が見たらどう思うのか気になります。アメリカ人は本当にコカコーラで顔洗うのか?高島忠夫の歌も初めて聞いた気がする。アメリカ人を沢山乗せた観光バスでのやりとり、高島忠夫がアメリカの観光客2人に英語でサービスは無料と説明するも、社長の娘からは良い気にはされなかったり、何度も名前を間違えて言われたりとちょっと気の毒だけど、シャワー浴びてる最中に電話で呼び出されたり、しかも、そのままで良いからて言われた後のやり取りの楽しさや作品全体に漂うどうにでもなるみたいな雰囲気もこの映画の魅力です。最後までアメリカでは〜て頭から離れなくなってしまいます。日本ミュージカルながらハリウッド映画でも見てるんじゃないかて錯覚になるぐらい陽気です。フランキー堺の風邪引いた時の様な声の出し方がお相撲さんみたいで笑える。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-02-18 18:50:39) |
6.《ネタバレ》 自分は戦後日本映画界の最高峰ミュージカルは『狸御殿』シリーズだと思っていましたが、どうしてどうして、この東宝が放ったカルト・ミュージカルもななかのいい勝負してます。 まず、アニメーションのタイトルデザインがソウル・バスが関わったかと思わせるほど洒落て秀逸。舞台となる東和観光のオフィスは確かにシャレまくったセットで、色彩と言いデザインといいカネかけたなというのが良くわかる豪華さ。フランキー堺や高島忠夫を始めとして芸達者な役者と中尾ミエと雪村いづみといった本職歌手の女優をそろえた豪華キャスト、皆さんほんとスキルが高いですね。中でもフランキー堺のダンスというか身のこなしの華麗さ、ほんと天才的としか言いようがないです。でも浜美枝みたいにそっちの方の芸が劣る女優は歌わせないというのは賢明な選択、そういや有島一郎もほとんど歌ってなかったですね。しかし本作の浜美枝はキュートさが爆発状態、ピンクで統一された彼女の部屋のオシャレさは現代でもなかなか観れないセンスです(愛犬のプードルまでピンクなのは笑ってしまいました)。 この映画はアメリカ帰りの雪村いづみが登場してからの展開が本番です。二言目には「アメリカでは」と社員に説教する“アメリカ出羽守”ぶりが笑えます。この「アメリカでは」はメインスコアにもなっていて、なんと40年近く経ってピチカート・ファイブが雪村いづみを使ってカヴァーしているんですよ。どうりでなんか聞いたことある曲だなと思ったわけです。こういうバタ臭いコメディになると東宝の独壇場なんですけど、アメリカ出羽守・雪村いづみと対峙する高島忠夫のテーマソングは「あこがれのタクラマカン」、でもなんでタクラマカン砂漠なのかは理解不能でした(笑)。そしてワン・シーンだけですが植木等がノン・クレジット登場でフランキー堺と絶妙な掛け合いを見せてくれます。この二人の共演はたぶんこれだけなんじゃないでしょうか、貴重です。 しかし何といっても「凄いもの見せられたな~」とため息が出るのは、やはりクライマックスのサラリーマン軍団のモブ・ダンスで、邦画でここまでのミュージカル・シーンがあったとは、これはぜひとも大スクリーンで観てみたいものです。これがヒットしなくてカルトになってしまうという現実、やっぱ日本じゃミュージカル映画は根付かないのかなあ… 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-28 21:58:30) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 和製ミュージカルの最高傑作との評価を以前から聞いていて、是非映画館で観たかった作品。池袋文芸座「映画ファンが選んだ二本立て特集」にて鑑賞。上映後、観客席から拍手が起こりました。いいですね~、映画館ならではのこういう空気。私は拍手をするほどでもないかなと思ったんですが(汗)十分に堪能させて頂きました。和製ミュージカル最高傑作という評価は確かに間違いないんでしょうが、同時にニッポン製ミュージカルの限界をも感じてしまって。やっぱりミュージカル向きの「非日常オーラ」を醸し出せる役者がニッポンには圧倒的に少ないんですよね。おっ!よく頑張ってんな~っていうシーンも多かったけど、ちと背伸びしすぎなんではないかい?っていうシーンも幾つか。主要人物四名の皆さんはここまでやれば及第点。特に雪村いづみ、「三人娘シリーズ」を見た時から彼女ならミュージカルイケルんじゃないかと思ってました。「♪でき~るできるよ!君も出世ができる!♪」「♪ア~メ~リ~カ~では!♪(←では!を短縮するのがポイント?)」「♪田舎、田舎、田舎に帰れば~♪(あの?中尾ミエが超キューツっ♪」以上、3曲も覚え易いポピュラーな曲があればもう御の字でしょ。思わぬカメオ出演無責任男植木氏と、出世命男フランキー氏とのバーでのシーンは館内でも一瞬どよめきが(笑)なんかこのお二人のツーショット、笑えるシーンのはずなのになんか泣けてきた・・・。その後の、終電前丸の内ビル街泥酔リーマン大群舞もみどころ。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-12-11 11:06:59) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 悲しいかな邦画ミュージカル屈指のこの名作でも、浪花節・演歌・盆踊り風土の日本では「邦画ミュージカルは所詮ハリウッドの二番煎じでしかない」事を感じる一抹の寂しさ。だがこの映画が後々の人々に愛されるのはやはりスクリーンからあふれ出る「幸福感」オーラが放出しまくりだからでしょう。中尾ミエとフランキーが星空の下泥だらけになって唄うあの美しさ・高島忠夫と雪村いづみの熱い恋心ふれあう瞬間/アメリカかぶれの社長令嬢=いづみが朴念仁忠夫の雰囲気に飲まれ踊り出すシーン。素敵じゃないか。最大の功労者は作詞/谷川俊太郎・作曲/黛敏郎の繰り出す音楽そのもの。特にしがないオフィスがあっという間に早変わり!の「アメリカでは~♪」これは必見。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2009-01-21 00:35:00) |
3.しょせん本場のミュージカルにはかなわないという気持ちと、一生懸命やってるなあ、という気持ちとがこもごも交錯しつつ見て、結論として、よくやった、の方に加担する。空港で社長を送り出すときの「ニッポン、ニッポン、ニッポンポン」のナンバー、法華の太鼓が好きなのは岡本喜八だけでなく、東宝監督人共通の好みだったのか。高島忠夫の「タクラマカン」のバラードなどがあって、見どころは社長令嬢雪村いづみ中心の「アメリカでは」でしょうなあ。大きなオフィスを舞台に一番ミュージカルらしいナンバー。なにかというと「アメリカでは」と持ち出すことへの皮肉があり、しかしやはりアメリカを目標にして突き進まざるを得ない当時の日本の状況がベースだが、画面としては屈折のない明るさが満ちた。ミュージカルはこうでなくてはいけない。箱根での高島・雪村のデュエットも音楽として凝っている(黛敏郎)。酒場でカウンターの奥に植木等が座ってるってだけで場内に笑いが起こるのだから、大したものだ。酔っ払っての工事現場の路上での群舞も勢いがある。オリンピックで一等国の仲間入りをするんだ、という戦後の上昇期の日本の姿が、背の低いフランキー堺が飛んだり跳ねたりして頑張っている姿と重なり、いじらしい。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-08-04 10:27:07) |
2.ずっと見たかった作品で、ようやくCSで観ることができました!ありがとうチャ●ネルN●COさん! こんなゴージャスで楽しいミュージカルが60年代の日本にあったとは。雪村いづみのアメリカかぶれが微笑ましいし、かといって和風なテイストもちゃんと入れてるし、衣装完璧だし、歌も一度聞いたら忘れられないし、セットがだだっ広くてチャチさがないし、そして当然のことながら出演者が芸達者!雪村いづみ・中尾ミエの歌唱力はもちろん、あんな太ったフランキー堺がすんごい機敏な動きをする。動くだけで面白い。東京オリンピックのころの、まさに日本の青春時代を代表するような作品ですね。でも当時ヒットしなかったとか…なんで!? 当時としては垢抜けすぎだったのかなぁ。 【ミカエル】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-01-08 11:09:16) |
1.これも「幻の湖」のオールナイト上映で観ました。この作品が最後の上映で、確か夜中の三時から四時半くらいだったので、かなーり眠かったのですが、結構面白かった。50年代のアメリカ製ミュージカルを模倣したスタイルですが、単なる真似っこでなく、ちゃんと消化して「和魂洋才(?)」してて、数少ない和製ミュージカルの成功例と言って良いのではないでしょうか。内容は、東京オリンピックを控えて景気も上向きの時代を背景に、ハリキリ社員のフランキー堺とマイペース型の高島忠夫が恋でも仕事でも成功を収める、というノー天気な作品ですが(まぁでも、ミュージカルだしね)、ダンスも歌も楽しくて良かったです。社長の二号(←って死語だよねえ・・・愛人のことです)役の浜美江が小悪魔的な魅力を放っていてとても可愛かった。ただ、今度観る時は、睡眠を充分取った状態で観たいなあ(笑)。 【ぐるぐる】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-11 15:34:23) |