15.《ネタバレ》 前回、何としても生き抜くことを誓った梶、次第に軍人としての顔になっていきます。それはつまり、人ならざる者になるということ。 方々で敗残兵、民間人と合流するも、余りの過酷さに脱落者が出てしまう。それでも、何としても生き抜こうとする。第1部の時点では考えられないような状況。 そんな心情の変化にあっても、終盤、少女が水面に顔をつけるシーンは本作唯一の清涼剤としての役割を果たしていました 【クリムゾン・キング】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-08-23 01:52:18) |
14.《ネタバレ》 第4部での戦場。そして敗戦し、敗残兵としての内地に帰るための大陸逃避行である。 「戦争に負けた国の女ほど惨めなものはないよ」 途中、出会った日本人女性たちの一群の言葉である。 その言葉の意味することの、残酷さを考えさせられる。 そしてロシア兵に暴行された女性に乱暴する日本兵。 この大作「人間の條件」のいよいよ最後の問題提起かもしれない。 いよいよ最終回へ。 (最終話を見たが、問題提起はさらにさらに続いた・・) 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-07-24 18:13:19) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-01-26 14:04:37) |
12.第5部は全編を通じての敗走だけに暗い、暗すぎる。そして死なないですむ人たちですら死んでしまう。特に妻美千子の面影がダブる竜子の死は大変悲しい。戦争の暗い部分を描き、死ぬか生きるかの極限を再認識する良き映画かもしれない。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-12-18 12:59:37) |
11.《ネタバレ》 題名通り、命をかけた脱出行が延々と続きます。本作での梶は、落伍者が出てもしゃにむに突き進むところがやや人間離れしてきて、これまでよりマイナスのイメージです。強行軍の合間に哲学を語るのも、どうかと思いました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-04 22:22:54) |
【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 7点(2011-08-27 20:51:22) |
9.敗残兵の生き残りをかけた脱出劇。 雄大な自然をバックに、緻密な人間の内側を見せる。 最終部へとつなぐ第5部なので、一つの作品としてみると物足りなさも感じるが、それでも十分楽しめた。 戦争ものとしても秀作であるし、人間ドラマとしても良くできている。 生き残るためには、非情なこともせざるを得ない状況下で、少しでも人間らしさを維持しようと悩み続ける、仲代達矢の姿が痛々しい。 それにしても、本作の仲代達矢は超人的にタフだ。 肉体的なタフさ。 いくらでも歩けるし、飢えや渇きにも強いし、喧嘩も強い。 戦時下ならなお更のこと、平和な世の中でも、これだけタフなら何でもできるだろう。 特に、男にとっては、これだけの肉体的頑強さというものは宝である。 そんなタフに対する羨望を本作の仲代達矢に感じ、そして、その男としてのタフさに魅力を感じた。 それを違和感なく演じる仲代達矢は、やはりもの凄い俳優だ。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-04-03 00:53:37) |
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8.歩く、歩く、歩く。1部、2部では随分中国人を苦しめてきたが、この5部では中国人が日本の非戦闘民、しかも女性を殺すという場面が見られ、真実味が増している。また凝った撮り方をしているため、芸術性も感じられた。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-04-29 13:15:17) |
★7.いよいよ、ここまで来たかってぐらい、とにかく見ていて疲れるし、ひたすら重苦しくてやりきれなくなるけれど、戦争が人間を人間でなくしようとするというものがここでも見られて、とにかくこの重苦しさ、梶にとっての軍隊とは、戦争とは?作品全体に今まで以上に死というものが付きまとう。もう、既に皆さんがコメントしている通りであるからして、これ以上述べることはないが、ここまで見てきたからにはどんな結末になろうとも、覚悟の上で観なくてはならないと思う。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-02-13 15:17:20) |
【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-02-15 18:53:15) |
5.いよいよ物語も大詰めの第五部。敗残兵となった梶たちが避難民である民間人たちとジャングルをさ迷い歩くシーンをはじめ、岸田今日子演じる竜子の無残な最期など壮絶な展開ばかりで見ていてかなり辛いものがあった。今回は梶はただ美千子の元へ生きて帰ることだけを考えていて、その気持ちはじゅうぶんに理解できるのだが、そのためには人殺しも厭わなくなっており、第一部からずっと見ていると別人のようである。こうなるとちょっと今回の梶の苦悩というのは理解しがたいものになってしまい、もし、梶と再会した美千子がこれを知ったらどう思うだろうなどと考えながら見ていたらまた辛くなってくる。下にも書かれている方がいらっしゃるが、戦争は人を変えてしまうということがこの「人間の条件」という作品の最大のテーマ、メッセージなのではなのかと思える。そんなこの回において唯一の救いと言えるのは中村玉緒演じる少女の健気な笑顔であるが、ラストの桐原の一言はその彼女に強姦をしたというのが、リアルに想像できて怖かった。次で最後だ。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-06-24 23:24:51) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-20 18:46:36) |
3.タイトルが「死の脱出」というだけあって、常に”死”がつきまとうストーリー展開、とても緊張感がありました。密林をぬけた後の丹下との再会はちょっとだけ心休まるシーンと思いきや、その後も引き続き”死”がつきまとう行軍の連続、、、鑑賞中は意識しませんでしたが、梶は自分が生き残るために今度は一般市民や他国の軍人をどんどん殺す加害者の側にまわっています。一部・二部で戦争の被害者だった人間が今度は加害者へ、この作品の最大の問いかけのような気がしてなりません。 【maemae】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-09-28 02:35:54) (良:1票) |
2.竜子の死体が痛々しく、墓を巡る丹下と梶の議論なんてどうでもよくなってくる。死を前にして思想が何をしてくれるのか?僕は、いま思想を持っていないので言葉に詰まるが、焚火を前にして捨てられた少女を思う梶の心が、僕には戦争の矛盾と伴に、思想の矛盾として強く響く。大きな流れの中では人は流されるしかないのか?それとも沈んでしまうだけか?殺人マシーンと化してゆく梶の苦悩は、僕には理解できないほども深く、暗い。美千子という美しく、純粋に彼を愛してくれるものに対して、彼はこのことをどう語るのだろうか?それを考えると、その苦しみの一端だけでも突き刺さってくる。梶は、歩哨の生活を考えただろう。歩哨がロシアの家族のもとで、美千子と同じように愛する妻のもとに帰りたがっていることを感じただろう。戦争とは、どれほど多くの矛盾を抱えながら進行してゆくのだろうか?思想とは、国家とは、それほどまでに重要なものだろうか?僕にはわからない。娘役の中村玉緒の溌剌とした笑顔が、僕の脳裏に刻み込まれる。この作品の持つ悲しさをより引き立てるこの笑顔を、僕は想像でも踏みにじることは出来ない。戦時下にない僕には想像すら出来ない、凄惨なことが、戦時下・敗戦下という名目で行われていたことに、僕たちは眼を背けてはいけないだろう。 【fero】さん 9点(2004-03-14 17:38:55) (良:1票) |
1.今作はオールロケという宮島義勇のカメラワークが素晴らしい。あくまでもストイックに自己を通す主人公・梶。彼の脳裡にあるのは、ただ“生きて帰る”だけである。不屈の精神力、強靱な体力等かなり超人的に描かれてはいるが、時には本人でさえ予想だにしなかった驚くべき潜在能力が発揮されることがある。それは確固たる目的があるからで、彼を突き動かすエネルギーは妻・美千子のもとへ何が何でも帰る。ただそれだけだ。ところで、監督小林正樹は敗残兵による略奪、強姦等をも描いている。(彼らは銃という武器を持っている) これもまた、終戦直後という無法状態では古今東西必ず横行するもので、日本では乱世の戦国時代が良い例でしょう。いよいよ次は最終部。今作までの伏線が大きく活かされる事になります。 【光りやまねこ】さん 10点(2004-01-17 10:16:18) |