13.《ネタバレ》 決して嫌いではないが、もっと若い時に観ていれば、素直に感動できたと思う。「包帯クラブ」という発想は良いが、うまく納まっちゃった感があり、想定の範囲内で終わってしまったというのが正直なところ。最近、若い作家の書いた小説を何冊か読んで思ったのだが、導入部は面白いが、結末に向けてぐだぐだになっていくことが多く、この作品も、もう少し破壊的なクライマックスを用意してくれていても良いのではないか。ディノのちょっとした過去が語られ、最初の一歩を踏み出すというありきたりさ。普遍的な青春映画でありながら、それを越えられないもどかしさが残る。石原さとみは可愛いが。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-09-02 22:24:21) |
★12.《ネタバレ》 ここ数十年で日本社会は、“持ちつ持たれつの村社会”から“個の権利が優先される集団”に姿を変えたと思います。それだけ皆が食うに困らなくなったという事。多種多様な価値観が認められるようになったのも喜ばしい。社会が成熟した証だと思います。私自身も、今の社会が住み易いと実感しています。ただし、得たモノがあれば失ったモノもある。それが「思いやり」。一般的に良いイメージのある言葉ですが、必ずしもそうではありません。要らぬ思い遣りは「お節介」。心遣いが過ぎても人は疲れ傷ついてしまう。個の集団に移行するために、捨てなければならない概念だったと思います。で、私達は個の安らぎを手に入れた代わりに、深い孤独に陥った。そこで包帯クラブ。痛い思い出のある場所に包帯を巻いてもらって癒されるのは何故か。それは、痛みの共有に他なりません。この辛さをほんの少しでも他人に分ってもらえたら、それだけで救われる。それほどまでに、現代人は孤独に耐えている。いや耐えかねている。人は一人で生まれ、一人で死んでいく。でも一人じゃ生きていられない厄介な生き物です。包帯クラブが再発見した「思いやり」の効用は、この世界をもうワンランク住みよい社会に変える手がかりだと思います。でも、今のままでは不十分。包帯を巻いて欲しい人の心は思い遣れても、包帯を巻いて迷惑する人の事までは思慮が及ばない。「法に触れるかどうか」なんてトンチンカンもいいところです。「思いやり」スキルはまだ低い。点と点が結ばれて線になった。今はココ。線と線が繋がりあって網にできるかどうか。革命と言うよりは「ルネッサンス」。まだ道程は遠い。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-08-18 18:26:11) (良:1票) |
11.説明臭い長台詞にだれてしまったけど、結構いい話だと思いました。 安っぽいドラマみたいな演出はどうかと思うけど、ハムを目玉商品にするのを禁止する法律は笑った。 ついでにスカートの下にジャージを穿くのも法律で禁止して欲しい。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-08-07 16:43:12) (笑:2票) |
10.《ネタバレ》 ストーリーは至って単純で登場するキャラたちも一見軽そうに見えるけど、その実、現代人に重い問いかけをしているような、そんな映画でした。 いつもそうなのですが今回も柳楽優弥の演技にグイグイ引き込まれていった感じです。 物語の終盤でその意味が効いてくる「ヘタな大阪弁」を彼がうまく会得していたのもなかなかグッドでした。 【ライアー】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-07-22 00:46:14) |
9.「人が捨てたものを見る」とは庶民学を構築した宮本常一の言葉。この映画で描かれる「包帯を巻く」という行為は、まさに「人が捨てたものを見る」ことを具体化しているのだと思う。その行為自体ははたから見ていれば荒唐無稽に見える。けれど理屈としては、精神分析が抑圧されていたトラウマを物語に転化することで治療するのと同じように、包帯クラブでは「人の心の痛み」を「包帯を巻くという行為」に変換することで和らげるあるいは治癒するだけのことだ。だから、この作品も、精神分析が世間に受け入れられるのにかなりの時間を要したのと同じ理由で、あまり受け入れられないまま終わってしまう可能性がある。でも、この映画で描かれていることが人類にとっても普遍的な意義を持っていることは間違いないと思う。 【wunderlich】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-05-06 09:08:44) (良:1票) |
8.柳楽君の巨大化(成長)っぷりと快演はもはや別人のようで面白いが、内容自体は いたって健全で青臭い青春ドラマです。画づくり、キャストは好感触です。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-03-19 18:35:05) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 あらすじだけだとガキ臭い映画のようにも感じてしまうかもしれませんが、(まだ自分自身若いので言い切れませんが)そんなことはなく、いままで青春時代にどこかで痛みを持った人であれば誰にでも通じる作品だと思います。 全体の話内容もよかったし、なによりディノを演じる柳楽優弥がよかった。 年齢的、体格的にも大人になってきて、役どころも変わった役だったけど、非常に魅力のあるキャラとして演じられていたと思います。 非常にいい眼をしていて、眼で語れる数少ない役者だと思います。 ただ、エンドロール後の映像はいらないと思いますが。。。 【コショリン】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-02-23 00:07:47) (良:1票) |
6.後半部分はイマイチでしたが、柳楽優弥と石原さとみの熱演に癒されました。 【Keicy】さん [試写会(邦画)] 6点(2008-02-12 18:38:42) |
5.《ネタバレ》 全然期待しないで観に行ったんですが予想を裏切り?面白かったです。 でも若い人向けの映画という印象ですかね。 それと包帯を巻いたら癒されるということに拒否反応とかくだらないって思ったら 楽しめないと思います。 あと、石原さとみ、見直しました。ドンマイ!のシーンは男子中高生なら 結構な確率で「可愛い!」って思っちゃうでしょう。 【ポドルスキ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-01-16 22:49:50) |
4.ドラマで十分。でも柳楽優弥が一皮むけててよかった。これからもがんばって欲しい。 【kaneko】さん [映画館(邦画)] 4点(2007-12-16 20:33:44) |
3.《ネタバレ》 テレビで言ってましたが、原作の天童荒太が取材で紛争地帯を隔てる河をボートで横切った時、非武装を表す舳先に結び付けられた白旗がまるで包帯のように見えたそうです。そこからこの作品のヒントが生まれたとのこと。…なるほど。単に傷ついた人を癒すだけの話に終わらず、いろいろなことを考えさせられる作品です。また、主人公二人が橋を渡る時の包帯の使い方など結構グッときました。久々に演じるべき役を演じた柳楽くんの怪演とそれを受け止めた石原さとみの自然な芝居はとても良かったです。様々なジャンルの映画を引き受けながらも、それぞれにこだわりを見せる堤幸彦のベストではないでしょうか? 【ParaP】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-10-27 01:25:12) |
2.《ネタバレ》 邦画はほとんど観に行かないのですが、ちょっとご縁があり行って参りました。 重すぎず、軽すぎず、キャラも個性的で思った以上にいい映画でした(^o^) 柳楽優弥と石原さとみをはじめ、キャストがとても良いですね~柳楽優弥はワイルドでハイテンションであやしい関西弁を使うお金持ちのお坊ちゃんという、なんとも難しそうな役を見事こなしてました。 日本映画は本当に今元気がいいなって思いました! 【kiryu】さん [映画館(吹替)] 8点(2007-09-23 00:45:44) (良:1票) |
1.これは「癒し」とか「優しさ」の物語であるけれども、同時に「革命」の物語でもある。包帯を巻きつづけるディノやワラたちの行動の原点は「包帯一本巻いて世界が変わったらめっけもんやん」という思いだけれど、多分、そんなことで世界が変わらないことは彼らが一番良く知っていること。それでも彼らが包帯を巻きつづけたのは、たとえばすごく近い場所にいる人間がそれを受け入れてくれたり、そして自分が変わりたいからなんだと思った。結局それは卑近な物語にしか過ぎないけれど、でも「革命」なんて、そんなものかもしれない。具体的には何の意味もないことなのだけれど、けど、誰も知らないところで誰かがそれをやっているということに、多分意味がある。何もない地平に「可能性」を生み出すということは、大変なことだ。 【ぽん太】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-09-22 10:20:08) (良:1票) |