171.本作の形式は、オムニバス映画に似ている。ただし通常のオムニバス映画は、一つの題材を複数の監督によって捉えた複眼的な映画になる。それに対して、本作は、複数の題材を一人の監督によって、無理矢理に、同一の視線上に置いた極めて単眼的な映画であった。世界を繋げる一丁のライフル銃、そしてバベルという一点に還元される物語という感じである。はっきりいって、主張ばかりが三重四重に強調された凡作以下の映画であった。そもそもな話、世界と言うものは広大かつ曖昧であり、一人の作家の視点からは理解以前に全容の把握すら難しいというのが、超々々大前提の現代人の共通認識だと思っていたのだが・・・ 【よいしょ】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-08-11 18:42:57) |
170.当時は菊地凛子の演技などでとても話題になったけど、実際のところテーマが見えづらく、伝わりにくい。 【noji】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-07-14 20:09:24) |
169.これ、テレビ放送を録画しておいて見たんだけどCMのあとブラピから急に日本のバレーボールの場面が出てきたもんだからブルーレイが故障して録画に失敗したのかと思ったよ(苦笑)個々の場面はそれなりに面白いんだけどトータルでみると結局何が言いたいの?って感じかな。自分の場合女子高生の全裸誘惑には負けそうな気がする(汗) 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 5点(2013-06-29 22:51:56) |
168.《ネタバレ》 ビックリするほどつまらない。「日本人の役者がわりと出ている」程度の理由で公開当時は結構大々的にプッシュされてたと思うが、こんなものプッシュして大勢が観に行って被害にあったと思うとひどい。それこそが真の悲劇だよ。 【虎王】さん [地上波(吹替)] 4点(2012-09-25 13:46:14) |
167.悲劇っていうのは、自分のものとして感じられてこそ、というのが第一の感想。バラバラと悲劇的なものを見せられても、自分には悲劇には感じられない。こういう複数の視点、いわば神の視点からストーリーが描かれるようになったのはいつからなのか素人の自分にはわからないが、幸せな景色を眺める目的ならばいざ知らず、悲劇を並べて眺めることの意味がわからなかった(もちろん微妙につながっていることに意味があるのかもしれないが)。これだったら、ドキュメンタリー番組でも見てるほうがよほどリアルで面白い。 【ぽん太】さん [地上波(吹替)] 3点(2012-05-30 20:13:04) |
166.《ネタバレ》 聖書に出てくるあまりに有名なバベルの塔のエピソードをモチーフに、人と人が永遠に分かりあうことが出来ない世界で起こる悲劇を群像劇として描いている。素直に娯楽作として楽しめる映画でもないし、上映時間も長いのだが、それでもちゃんと最後まで興味を逸らすことなく観ることが出来たのはさすがだと思う。だが、あまりテーマとしてまとまっていない印象を受けた。それぞれのエピソード(特に砂漠を延々と彷徨う中年女性の話は心が痛む)を東京で纏めてしまったのは、明らかに失敗。こんな不条理な世界を生き抜くパワーを、少なくとも全裸で泣く菊池凛子からは感じられなかった。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-04-25 22:42:43) |
165.《ネタバレ》 実在した古代都市・バビロンにて、天に届く高い塔を作ろうとした人類が神の怒りを買い、神が塔を崩壊し言葉を通じなくさせ、人類は世界各地に散っていった、というのが有名な「バベルの塔」の記述である。人類の愚かさを戒める有名な伝説だ。この映画も恐らく、世界中に散らばってなお私利私欲に走って他人を傷つけてしまう人間の愚かさを伝えようとしているのではないかと思う。そうしたメッセージ性は確かに伝わってくるのだが、致命的なまでに表現が下品だ。聾唖の少女が、言葉が喋れないからと言って本当にあんな愛情表現をするだろうか。「言葉を通じなくさせた」というバベルの塔の話を具象化した存在なのだろうが、誤解を招くのでああいった表現はしないでほしい。聾唖でも手話や筆談で普通の人とコミュニケーションを図っている方もたくさんいる。演じた役者には罪はないがこれでアカデミー助演ノミネートなんて有り得ないと思ってしまった。メッセージ性は良かったのだが、それを伝えるための表現にどうしようもなく不快感を感じたのでこの点数で。 【mickey】さん [DVD(字幕)] 3点(2012-04-11 17:40:27) |
164.聖書の知識があれば理解できたのかもしれませんが、私にはそれほどメッセージは感じられませんでした。 【しかせんべい】さん [地上波(吹替)] 3点(2012-03-30 16:42:13) |
163.《ネタバレ》 このオハナシは要するに、「ツタンカーメンの呪い」とか「ホープダイヤモンドの呪い」とかの一種ですね。名付けて「ライフル銃の呪い」。とあるライフル銃に関わった者たちは皆不幸に襲われる。ライフル銃の元の持ち主である日本人は、妻が自殺し、娘は色情魔に!――ライフル銃の次の持ち主であるモロッコの男性は、お巡りさんにヒドイ目に合わされ!(自業自得ですが) ――さらにその次の持ち主である少年は、所構わずライフルを乱射(?)、偶然通りがかったバスに乗っていたアメリカ人女性が撃たれる! しかもその後、銃撃戦の末に少年の兄の命が奪われ! ――さらには何と、ライフルで撃たれたアメリカ人夫婦の子供まで、メキシコ国境で何だかややこしいことに! ………と言う訳で、「呪い」なんぞと呼ばれているものが、およそコジツケばかりであることが、よくわかりますね。 あ、「呪い」がテーマの映画ではなかったんですか。 それにしても、この映画、あまりパッとしない。舞台がモロッコ、日本、メキシコと、要するに「辺境」ばかり(日本の描かれ方は、確かに都会は登場するけれども、好奇の視点でヘンテコワールドとして描かれた、明らかな「辺境」の扱い)。そりゃ複数の「辺境」を混ぜこぜに描いて、ホレ互いに通じ合わない世界だ、まさにバベルだ、と言われても、そりゃそうでしょ、としか言いようがない。バラバラなものをバラバラに描いても、ねえ(せめて「呪い」ででもいいから、繋がってりゃ)。モロッコの少年は兄を失ったが、撃った女性は九死に一生を得て、彼は殺人者の汚名を着ることからは守られた、ってか。いささか安直な“救い”ではないかな(中盤の大騒ぎに比べて)。はたまた、日本の女子高生(って言っても、バレーボールのシーンはママさんバレーにしか見えなかったが)は、男性(特に年上の)に色目使いまくりだったが、実際に彼女が求めていたのは「異性」としての男性ではなく、「父」としての男性であったのだ、最後は父に守られ、あわやというところで彼女の純潔は守られたのだ、ってか。どうでもいいやんか、そんなの(それに実際、若い男からは自分で逃げてるしね。デスパレートなように見せて、ちゃんと自分で自分を守ってる。あと、メキシコのエピソードも、最後は平凡なところに落ち着くし。この映画、社会問題みたいなことも色々取り上げているのに、何だか“安全弁”が多すぎませんか? 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-13 16:57:05) |
162.《ネタバレ》 悪意はなくても悲劇が連鎖してゆく。4カ国をまたいで。きっかけはほんの愚かな行為なのだけど、状況がどんどん悪くなってゆく。もがく中で、絆を取り戻す人たちあり、これまでの生活を失う人たちありで、4つの国が円環にはならないけど(端の日本とメキシコがね。惜しい)、横並びに繋がってゆく展開はなかなか見応えありました。 けどなあ。チエコがね。“バベルの塔”のキーワードとも言える「言葉」を失った彼女はコミュニケーション不全のあげくあんな風になったの?しかし日本人の目からみるとやってることエロ投稿のためのネタみたいで、リアリティの無いことこの上ない。彼女って、メイドカフェなんかが出現するニッポン、十代の子供がエロの対象になるニッポンを外側から見た外国人の想像の産物みたい。チエコを見る時のぎょっとする感じが、この映画の感興をそいでるのは否めない。あと子供を殺すのは嫌いだ。モロッコのお兄ちゃんが撃たれる場面、あそこはきっと彼の国の人たちも言いたいことがたくさんあるんじゃないかな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-28 00:27:11) |
|
★161.《ネタバレ》 ちょっと重い感じです。いや、かなり。人間の見たくないところ、どうしようもないところ、痛いところなどが出てきます。歯痒い。やるせねー。 それにしてもジャパニーズJKですよ。やっぱそこにいっちゃいます(アホ)。 けっこう生々しいんですね。 政治的な問題や手続きの問題はこの際ほんとにどうでもよく感じられて歯痒い。 人間であることの罪や苦悩が見えてくるようで、宗教映画なんですかね。 様々な問題が浮き彫りになります。 また悪とはなんであるのでしょう。 あまりに辛くて重いですが、音楽が美しく空しく響いてます。 なんだか観客に託す感じで終わっちゃって、ちょっと残されちゃった感じもしますが、まあそれも良かったかもしれません。 幾つかの国が出てくるので多面的な見方が少し出来て良かったです。 それでなかなかリアルな感じだったと思います。 日本はまたリアルにただ映してる感じなんですが、少し異様な感じでした。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(吹替)] 6点(2011-12-31 10:32:12) |
160.《ネタバレ》 娯楽作では無い。明確なテーマを観客に突き付ける作品でも無い。アカデミー賞候補の肩書きから、映画に何らかのカタルシスを求める人は拍子抜けするだろう。 だが、私は何故か撃たれたケイト・ブランシェットをブラッド・ピットが介抱するシーン(特にトイレの所)は泣けてしまった。 日本を誤解させるシーンも多く正直腹が立つ作品だが、観る人それぞれの心の琴線に触れるシーンが一つでも有れば良いのでは無いだろうか。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 5点(2011-05-09 13:10:59) |
【たこちゅう】さん [地上波(吹替)] 4点(2011-05-09 00:24:41) |
158.《ネタバレ》 4つの物語の共通事項は、主要人物たちが、突然思いもかけぬ絶望の淵に立たされること。バベルの塔は、建設中にいきなり人々の言語が分かれて意思疎通ができなくなり、工事が中断された忌まわしきオブジェだ。元々人々は同じ言葉を話す同一文化人だったが、突然予期せぬ災難に遭い、世界各国へと放浪を余儀なくされる。聖書のこのエピソードを考えたとき、この作品のタイトルの巧みさに舌を巻いた。幸せを求めて挫折し、孤独な魂を抱えて放浪せざるを得ないという人間の性は、正しくバベルそのものだ。また、4つの国をまたいでグローバルな視点をうながすことも、安易にインターネットを用いていないのが気に入った。国と国とが連携するとき否応なく時間がかかること、インフラの整っていない地での絶望的な医療や、見はるかす大自然の脅威などで、地球という惑星の大きさをずっしりと重く感じることができた。 【tony】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-18 23:35:21) (良:1票) |
157.映画館で席を立った唯一の作品です。 その後半端はいかんとDVDで観ました。 全部観ましたが辛かったです。 この映画の何かを生理的に受け付けないようです。 いつかまたチャレンジしたいと思います。 【棘棘棘棘棘棘棘】さん [DVD(字幕)] 2点(2011-01-23 22:45:18) |
156.《ネタバレ》 四つの話が、密接に繋がってないところがミソで、そうなるとどこか作って「お話」的になってしまう。ほんの少し掠る程度で、繋がっていることで、四つの話を一つの話に入れる契機としているだけ。この監督は、「不可避的、運命的出来事に押しつぶされる人間とそこからの再生の可能性」を歌っている。テーマを一般化するために、四つの話を並べているだけである。「バベル」というタイトルを付けたのも、言語は違うけど、人間同じなんだ、という人間の性を一般化したい監督の意図が伺える。最後のうまさは、見ている人は、「女の子」死ぬんだと思わせて(彼女は死に場所死に方を探していたのでしょう。その前に、アレを、ってことですね、最後に分かります)、実は、「救いの手」を差し伸べた点、ある意味、どんでん返し。監督の人間性を信じる姿を感じる。メキシコのおばさんが救われないのもワザとらしくなくていい。むしろ、ラストのどんでん返しの布石になっている。刑事さんの手紙は、きっと「私、死ぬのを辞めます」だったはずだ。 【K-Young】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-01-02 19:58:59) (良:1票) |
155.見終わって、面白さが無かったなあと。日本のストーリーはいらなかったと感じた。21グラムの時も思ったが、いろいろ盛り込みすぎだと思う。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-12-29 19:05:32) |
154.繋がりがあるようでないような小話の連作。すべてがどうでもいいような映画にするほどでもない話なので、それらの間から何か深いものを読み取るような気力もおきない。 【ぷろぐれめたる】さん [映画館(字幕)] 3点(2010-12-26 17:55:32) (良:1票) |
153.《ネタバレ》 この監督の他の作品は「21グラム」しか観てないから偉そうなことは言えないけど、時系列なんかをバラバラにしてそれほど難しくないモノを難しいモノのように仕上げるのが好きみたいだと感じた。こういう人は私にとってはとても面倒臭い人になります。 本作は群像劇のカタチをとって難しくもないテーマを難しくしてますね。 ところで私、外国人が描く日本と日本人というものにわりと寛大なほうだと思ってるんですが、これは酷い! 都会の高層マンションに住む傍目には恵まれているようで、実は機能していない家族っていうのはわかる。しかし日本は猟銃を所持している人はいても普通の主婦が拳銃自殺なんてしませんし、いくら言葉でコミュニケーションがとれないからって、素っ裸になってベランダで立っている娘を見て通じあえたなんて思う親はいませんから。 ひょっとしてこの監督は日本のAVを結構観てる人なんじゃないかとも思った、歯医者のシーンとかありそうでしょ。 個人所有のひとつのライフルがもとで大騒動になるっていうのはわかるんですけど、そのライフルの出所が日本人ビジネスマンっていうのはどう考えても無理がありすぎです、どういうつもりでこんな設定にしたんだろ???確かに猟銃を使った事件があるにはあるけど、この監督さんにとってはそれが凄く特別なことなのかしら。 モロッコのエピソードはいいとしてベビーシッターのはどうなのかなあ、これもちょっと無理やりぽかったです。タイトルを知った時点で宗教的な教訓を感じるはなしかと思ったけど、そこまで感慨深いものはなかったです。 メキシコのおばさんだけじゃなく登場人物はみんな愚かといっていいんじゃないかな、その巻き添えをくった幼い兄妹がかわいそうでした。何もモロッコくんだりまで行かず、近場にすりゃよかったものを・・・とにかく無事に保護されてよかったです。 40代後半の監督さん、もうそろそろそれなりの品性を感じる表現を身につけてもいいと思いました 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-10-12 11:31:53) (良:1票) |
152.《ネタバレ》 モロッコの子供達、夫婦、その子供達&子守、日本の聾の女学生とストーリーに引き込む力はとてもありました。ただこの話がどのように繋がっていくのかとワクワクして観たのですが、特にそんなオチは無くで終わってしまったので、鑑賞後の満足感があまりありませんでした。とりあえず色々とヤバイ描写が多かったですね~。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-09-26 21:08:35) |