77.《ネタバレ》 ドイツ人の父とポーランド人の母を持つオスカルが大人達の醜い所を見て大人になりたくない。そう決めて自ら成長する事を拒む。それは「早く大人になってお姉さんみたいな綺麗な人といっぱいお付きあいしたいから」と叫ぶクレヨンしんちゃんとは全くもって正反対である。しかし、そうは言うものの共通点もある。それは共にガキのくせしてませている。女好きでスケベであるという所などそっくりである。そもそも子供なんてそういうものではないだろうか?特に男にとって、まだ幼い少年にとっては女の人を見ると母親の姿とダブらせようとしたくなるものでないかとこの少年を見ていると思ったりします。ブリキを常に離さず、本当の友達はブリキだけなのかもしれないこのオスカルの何とも哀れなこと、大人なんて信用出来ないから自分は一生子供であり続けよう、そうやって大人社会を否定し、常に大人に対しては冷めた視線で見ている姿は何かに対し、怯えているようであり、その怯えという意味では初恋の相手だった少女マリアとの再会の後の場面にも現れているように思えます。二人きりで脱衣場でいる場面、裸のマリアにしがみつくオスカルの姿は自分をこのような人間へとしてしまった母親へのやるせない気持ちみたいなものが感じられる。それにしてもあの海から大量に打ち上げられたうなぎと牛?馬?どっちだ?の気持ち悪さと新しいブリキを買ってもらいに寄った店で沢山のブリキの横に置かれていた人形の不気味なまでの目付きの怖さ、更に怖いと言えば周りはどんどん歳を取って大きくなっているのに自分だけは三歳時と変わらない姿でいるなんて、想像するだけで怖いです。だって、周りは皆、大人の遊び、大人しか立ち寄れない映画館やレンタルコーナーにも堂々と入っていけのるに自分だけ一人入っていけない。そう考えるとって、すいません。何アホなこと言ってるんだろう?とにかく色んな意味で怖い映画でした。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-05 11:36:49) |
76.独特の雰囲気でした。良かったのは「美しく青きドナウ」のとこ。印象に残ったのは腋毛。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-07 23:20:54) |
75.この映画の鑑賞後、オスカルのイメージが「ベルバラ」のオスカル様から太鼓のオスカル君に一変いたしました。ところで、この不条理な世界、あの叫び方、何かに似てるなぁ・・・と思ってたら、やっと思い出しました。あれだ、楳図かずお氏だ。 【くなくな】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-09-11 00:40:17) |
74.肝心のオスカルがあまりにも我儘で自分勝手でしつけができてなさすぎで、全然ついていけませんでした。にもかかわらず、進行には最後まで興味を持って追って行けたので、表現としてはよくできているのでしょう。マリアの自然な可愛さが印象的でした。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-08-25 02:44:00) |
73.なんか映像や雰囲気には気持ち悪い妙な力があるんですが、主人公ほかの登場人物の心情が伝わりづらく、今イチのれませんでした。長い。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-08-14 19:43:10) |
72.《ネタバレ》 祖母アンナの時代や動乱を潜り抜けてダンツィヒで生き続けた、ぶれる事のない力強さが印象的でした。彼女のスカートの中から始まる世代を超えた人間群像劇。オスカルはフランスの象徴のようなエッフェル塔を彼女の姿に例えた。それぐらい彼や一族にとっての祖母とは大きな存在で、成長することを決め西へと旅立つシーンでは彼女への思いから故に出た、オスカルのそれまでのとげとげしさが抜けた純真無垢な姿を見ることも出来ました。そして全てが終わり、始まりの場所の荒野に座り込むアンナ。映画の始まりと終わり、戦争、人間の没落などの全てを股にかけ、あらゆる出来事を優しく包み込むかのようなその姿はとてつもなく偉大にうつりました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-03-03 20:55:58) |
71.《ネタバレ》 オスカルの行動と叫び声に終始イライラ。ストーリーも自分にとっては短いエピソードをつなげたように感じて、それで難解でした。なぜ成長を自らの意思で止められるのか、ということはまだいいとして、叫びでガラス割ったり、カエルとか小便の鍋を飲ますのはなんなんだろう。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 3点(2008-02-10 16:40:23) |
70.ドイツの昔の風習や習慣は良く知らないが、映画としてデフォルメした部分を 割り引くと、当時の生活を体験した事があるような錯覚を覚える。 だからこそリアルに人間の欲や利己的な感情が気持ち悪いほどに見えてくる作品。 同じ病気の人が集まるコミュニティ内の空気も画面を通して伝わってきます。 主人公は、そんな人間の汚い部分を全部許容した上でソレ以上の汚れっぷり!たくましい! そうそう、カラオケになると声が裏返ってしまう人を見ると「お前はブリキの太鼓か」と心の中でツっこんでたりもします。 【パターズ】さん [地上波(字幕)] 9点(2008-01-23 20:52:08) |
★69.《ネタバレ》 好きな作品。 オスカル少年の独特な語りが面白い。 この作品、冒頭でおばさんがジャガイモ?を、とてもおいしそうに食べているのが印象的だった。 そして、オスカルのお母さんが魚をまずそうに食べているんだけど、何故かおいしそうに感じた。 しかし、あの魚を獲るシーンの「牛」は気持ち悪すぎるでしょう。。。 僕は何度も再生してしまいましたよ。 シュールな作品だが、とても壮大な一つのドラマだと思う。 でも意味が分からない。 なぜ小人なの? なぜ太鼓なの?なぜガラスを割るの? なぜ成長しないの?不思議なことだらけ。 でも、とても素晴らしい。 【ゴシックヘッド】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-04 02:37:44) |
68.最近、初めて観たつもりが、実は小さい頃に観ていたことを思い出した。 記憶を呼び覚ますだけの強烈な負のパワーを持った映画。 そういう意味ではケタ外れだ。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-11 09:06:19) |
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67.非常にストーリーがよく出来ているが、題名に対して内容がエグイ。 波乱万丈過ぎ。 【将】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-03 17:00:06) |
66.高校生の時、名画座に授業をサボって見に行きました。女子が一人で見に行く映画じゃなかったかも。モギリのお姉さんにジロジロ見られたっけ。子供が太鼓叩いてるポスター見て、おとぎ話かと思ったんです(まあある意味大人のファンタジーか)。始まってすぐに、うわ~すっご…画面に釘付け。怖い物見たさだったのか、最後までしっかり観賞いたしました。ただ不思議と、そんなにグロいとかエロいとかは感じなかったです。表現自体はキョーレツですが(ウナギとニシンはやっぱり鬱)。不快だったのはオスカル君。大人の醜さを見て成長を止めたっていうけれど、精神的には十分大人なわけで、子供のふりして好き放題やってるキミが一番ズル賢いよ。あ、私今までアレは「牛」の頭だとばかり…「馬」なのですね!(どっちでも大差ないか)。20年以上前に観たきりなのに、ほとんどのシーンを忘れることが出来ない。怪作です。 【Tweety】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-21 21:20:28) |
65.《ネタバレ》 内容も映像も全てにおいて自分に強い衝撃を与えた映画。三歳で成長を止めたオスカルの醒めたナレーションと奇声、太鼓の音、次々と死んでいくオスカルの周りの人たち、三歳児の性交、つばに砂糖かけてなめあうシーン・・・・グロテスクなシーンの連発が時代の狂気を物語っているように思える。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-27 00:35:31) |
64.これ大学はいってすぐ、まだ童貞のとき。非常なエロス。オスカルがうらやましかった。全篇超グロテスクの極み。日野日出志かと思った。超トラウマ状態!?? また、あれ以来、ずううーーっと頭ん中で鳴っていた変な音楽(へんな楽器?) のサントラ、最近ようやく手に入れました。最高!特にラストの、広い原野を汽車が 走ってゆくとこの音楽は非常に変で、しかも感動的で最高です。でも変。 みんなで”うなぎのテーマ”を聴け! うなぎのテーマ命! 戦争。農場。草原。砂浜。トリックスター。フリークス。妖精。コビト。えろぐろ。ごちゃごちゃ。むにゃむにゃ。生のうなぎ。なま魚。ドイツ。老赤ちゃん。なんという感覚!?? 変態。たいへん。 当時、オスカルの”たたたたたたたんー!きーぃーーぃーーーー!!!”がっしゃーあーん!!!っていうのが、面白くてしかたなかった。人間っておもしろい! 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-13 00:49:17) |
63.《ネタバレ》 アゴタ・クリストフの『悪童日記』を思い出した。残酷でユーモラスで、重厚で軽妙、邪悪なエネルギーにあふれた摩訶不思議な寓話。西欧史には詳しくないが、主人公オスカルの運命ががそのままポーランドの歴史の暗喩となっていることはなんとなく察しがつく。簡単に身体を許す祖母と母親、ポーランド人として闘う弱い男とナチズムに迎合する強い男という二人の父親はいかにも象徴的だ。後者の父親を死に追いやった後、主人公は墓穴に落ちたのを契機に再び成長を始める。かりそめの「死」を迎えることでようやくまともに成長を始めるオスカル。それは物理的にも心理的にも侵略されたポーランドが、徹底的な壊滅によってリセットされ、再びまっとうな国家として歩みだす姿でもあるのだろう。もっとも、そんな難しい解釈をしなくても普通に面白い作品ではある。主人公の少年役はほんっっっとうに可愛くなくて、よくこんな適役を見つけてきたものだとある意味感心した(子供なのか小人なのかわからないと思っていたら、小人症の子供だったらしい)。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-03-17 23:46:26) |
62.時々おえっぷとなりながら見た。久々に引き込まれる映画。どこが、と言われるとわからないのだけれど・・・。永遠に大人にならないことを誓うなんて、ずるいですね。どんなにみっともなくても、おとなにならないといけないよ。 【のりもちあつあつ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-02-11 23:53:15) |
61.大人の汚い世界を知って3歳の時に成長するのやめたオスカルの解説と共に、淡々と物語が進んでいきますが、時にはグロテスクでもあり、また時には滑稽でもあり…冷めた演出も手伝って、なんか自分たちの生きる世界全てが馬鹿馬鹿しく思えてくる映画でした。 |
60.わざわざ見せなくてもいいような不快でえげつない映像がこれでもかと押し寄せてくる。しかし根底に流れる感情は決して悪意ではなく、むしろユーモラスな温かささえ感じさせる。そういう意味ではこの映画そのものが子供の心をそのまま映した極めて純粋なものであると言えるのかもしれない。一生忘れないであろう強烈な印象を残す作品でした。 【ラーション】さん 10点(2005-01-31 08:05:20) |
59.《ネタバレ》 アクの強い評判を持つ映画を観る時って、期待と想像でパンドラの箱でも開けるような気持ちになる。今回もそうだったが、目を背けたくなるような映像はそれほど無かったし、オスカルの説明ナレーションのおかげで難解さに首を傾げることも無かった。何を言わんとしているかなんて全然考えずに観たが、ヨーロッパが持つどす黒い重い雰囲気が上手く表現されていたし、ナチの盛衰を平行させて描くストーリーもなかなか面白くて、2時間以上の時間があっという間だった。子どもが初めて触れあう大人は親で、親を頼って生きていく。その親の愚行を目の当たりにして成長を止め、息を潜め自分自身で脳みそを発達させ、三人の親を葬りまた成長を始める主人公。自らの束縛に自分で始末を付ける主人公の不気味さは必見。人間なら誰しも持つ、狂気や闇や奇怪な空気が随所に盛り込まれていて、そのままフタをして隠しておいてもよかった感情がソロリソロリと首をもたげてくる。好き嫌い、でなくとても興味深い作品。 【のはら】さん 8点(2005-01-15 12:41:17) (良:1票) |
【Miranda】さん 4点(2005-01-07 23:10:32) |