33.ロードムービー的な所が冗長で、そういうシーンを描きたかったんだろうなと感じた。肝心の解決シーンも今イチ盛り上がりなかった。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 4点(2023-12-06 18:31:10) |
★32.《ネタバレ》 うーん。監督はいつもと同じことをやっているのだと思います。ワタシ、見始めたら最後まで一気に行きましたから、何かに惹かれてたとは思うんだけど、見終わった後は、一体、今なに見たんだろう、と。新興宗教の方の作ったアニメ+廃墟ブーム+いわゆる「聖地」作り、みたいな印象。なんでもかんでも、理由を教えてもらえたり、説明があると思うなよってことかなあ。そういえば、物語の最初の方で鈴芽が違和感に戸惑いつつも、状況に前のめりの入り込んでいくところは好きでした。全然わかんないけど、こっちに進むのがいいみたいというような。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 4点(2023-11-23 22:03:25) |
31.《ネタバレ》 映像が本当にきめ細やかで美しいなと思いました。 浮世絵の国が育んだ映像表現の到達点という気が致します。 東日本大震災を取り上げているのでヘビーになりすぎたりしないかと心配しましたが、 ファンタジーもの青春ものとしてちゃんと成立していて、この塩梅と言いますかバランスの摂り具合が素晴らしいと思いました。 それでいてちゃんとユーモアも散りばめられていて、感動させつつも笑えたりもして本当に見事ですね。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2023-11-07 13:30:20) |
30.《ネタバレ》 やっと配信が始まったので鑑賞。正直期待が大きすぎたかもしれません。いつもの新海誠ワールドでしたが、私的には天気のこのほうが突き抜けてて面白かったです。けっきょくダイジンって、左大臣って何だったのでしょう? 【木村一号】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-10-28 18:34:54) |
29.《ネタバレ》 細かいツッコミどころはさておき、前向きな人生観に感銘を受けた。 ・何と言っても、最後に、母を無くした幼少のすずめを励ますシーン。「どんなに悲しくても、ちゃんと大きくなる。未来なんて怖くない。」未来に不安を覚える多くの迷える少年少女(年齢にかかわらず)に希望を与える真っ直ぐな言葉。 ・(駐車場に現れた左大臣のせいで?)キレたおばさんの一言はひどくはあるが、それはそれで本心でもあった。自転車のシーンで、あえて否定はせず、「それだけやないとよ」(他にも沢山良いことがあったよ)、と、綺麗事にせず清濁あわせて前向きに捉えた仲直りが良かった。 全体を通し、災害をテーマにしつつ、人生なにがあるかわからないが、今日一日でも、一時間でも、生きたい、というポジティブな方向に振り切っている。細かい設定の伏線回収不足など気にならず、清々しい映画であった。 【チェブ大王】さん [インターネット(邦画)] 8点(2023-09-24 22:44:06) |
28.自然災害やパンデミックなど、これまで想定もしていなかったことが起きる昨今、若い世代は希望が持てるのか。 新海監督が伝えたかったのは「希望を持つことの大切さ」なのではないか。コントロールできない災害はどうしても起こり得る。 アンコントローラブルな出来事を受け止めながらも、日常を取り戻し、希望を見出すこと。前へ進むこと。そう思えました。 東日本大地震の記憶が呼び起こされて途中息苦しくなりましたが、すずめがその過去を受け入れて前へ進む姿は、まさに「希望」でした。ありがとうございました。 【ハクリキコ】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-07-02 01:49:36) |
27.《ネタバレ》 最後の戸締まりと銘打って特別上映だったのでようやく初鑑賞した。 新海誠の通例である「ボーイ・ミーツ・ガール」+「描き込まれた映像美」=「セカイ系」には食傷気味だったものの、 『天気の子』よりはモヤモヤとフラストレーションは少なくて見やすかった。 それでもダイジンの立ち位置が不明瞭で、風呂敷を畳め切れていない点はなくはないけれど。 今回はロードムービーとしての面白さがあった。 青年の身体を取り戻すために西から東へ戸締りしながら行く先々での人々との交流。 『君の名は。』や『天気の子』でもぼかした形で描かれていたが、 やがて東日本大震災の記憶と向き合うことになる。 当事者には思い出したくない記憶と恐怖があり、奪われてしまった故郷と人生がある。 叔母の葛藤と吐露がそうだ。 それでも一人で生きていくことは不可能で、旅先を含めた誰かの支えによってヒロインの現在があり、 青年と自分自身の救済に繋がっていく。 無理に向き合わなくても希望に向けて歩くことはできる。 ただ、災いからはいつかどこかで起きて避けられないし、 そこにはかつて人の営みや時間があったことを風化しないで欲しい。 そういうメッセージを感じ取れた。 |
26.《ネタバレ》 すっかりレビューを書くのを忘れていました。今更ながら書きます。 阪神淡路大震災と東日本大震災の両方を(震源地から離れているとはいえ)経験した身としては、今回の映画はグッとくるものがありました。 特に東日本大震災よりも震源地に近いところに住んでいた阪神淡路大震災の方が印象に残っているので、あの近辺で地震を防ぐという展開はかなり響きましたね。 ただダイジンの見せ方がほんとにいまいちで、何がしたいのかわからない、掴みどころがないキャラとなっている為、各地の開きかけている裏戸を案内していたといわれても、「もっと違うやり方あるよね?」という感じでもやっとした気分のまま終わりました。 この点を改良し、ダイジンを素直な裏戸案内役として物語を展開すれば、あんまりモヤっとすることなく終わったんだろうなと思いましたが、それをやると「現代のSNSのバズりを活かした探索」という、もう一つやりたかったであろう表現が使えないでしょうから、難しいところですね。 とまあ脚本にはやや不満が残るものの、映像、音楽とどれも高品質で、大人向けの現代ファンタジーアニメとして確固たる地位を確立してるなという印象。 ジブリの代わりにはならないけど、新海誠の安定した立ち位置は揺るがなさそうだなと思いました。 【みーちゃん】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-03-28 14:39:25) |
25.《ネタバレ》 多少おどろおどろしいシーンもありますがありがちな突然のショッキングなシーンというのはなくそういう点で好みの映画でした。 荒唐無稽なアイデアというわけではなく日本人の肌感に合う、つまり別の見方をすれば割とありがちなアイデアから脱してはいないと思いました。 感動の後すっきりした終わり方が良いと思いました。 しかし見た直後はそうでもなかったのですが、帰宅の道すがら思い出してみると喉元に引っ掛かる違和感のようなものもありました。 猫の性格づけというか意味付けが不安定で、上手い転換というよりなんかいやーな騙され方した感があります。 最後に男が帰ってくるシーンがありますが、じゃあ日本から地震を一掃したということでしょうか。まさかね。変な所です。 3.11の津波は遠く太平洋沖で発生した地震なのですが、この映画のミミズは国内にうづいているだけであり、それさえ退治すればいいのだろうか。変に感じます。 地震や津波は発生させなければよいという種類のものではないことは日本に住む者なら誰でも知っている事です。起こるものは起こるのだから防災や減災のため普段の用意や心構えの方が大事だよねとあらためて思ったのでした。 まあ深く考えず単純に映画として評価するなら、流して見るなら自分の好みに合う良い映画でした。では時間が経ったらまた見るかというとそれはないなと思う映画でした。 現場からは以上です。 【ほとはら】さん [映画館(邦画)] 6点(2023-03-18 21:39:45) |
24.《ネタバレ》 相変わらず絵は綺麗。 キラキラ夜空もちゃんと出てくるし、新海エフェクトのかかった夕日がちなシーン、都会の建物の林立具合も美しいし、東京都を見下ろしたような緻密な描画も登場する。 美しく緻密に描かれた自然や都会の中で登場人物たちが躍動し、人外の大いなる存在が荒ぶる壮大な姿を映画館の大音響とともに観てしまうと、大迫力に押されてそれだけで涙が出てしまう...。 ただ、他のレビュアーも書いているように、引っかかる点も多かった。 - 要石になること=体が凍ること。これは凍るのではなく、石英として結晶化していく描写だったのか? - 要石の化身が動物なのはいいが、グッズ展開を見込んだようなファンシーで目の大きいネコである必然性は... - 細腕の女子高生にあの懸垂は無理がある。新海誠は筋トレを経験すべき。 - 地鎮、荒ぶる神、神の人情味のなさ...もののけ姫? - みみずが殲滅されるときは全身モコモコに膨らんで虹色に破裂する。エヴァ? - 椅子...ピクサー映画を見ているようだった これらが対して何を暗喩しているのか、掘り下げた先に果たして奥行きはあるのかが自信を持って感じられず、鑑賞中引っかかり続けた。 - そして愛が全てを解決する、世界を救う、ヒーロー譚…。ハリウッドや昔のトレンディドラマのような既視感... - オープンカーのルーフの故障、などなど 震災を風化させないというテーマ自体はチャレンジングでリスペクトするし、2時間退屈せずに見れたし、傷ついた魂の救済や異なる世界線と時空の交差が描かれているところは他の新海誠作品同様に私の琴線をボロンボロンかき鳴らしてくるので、そこは大いによかった。叔母さんの善意の代償について辛辣な心情を吐露するシーンも現代の心情に寄り添っていてとてもよかった (たまきさんにはその後、みのるさんと幸せになる将来が待っていてほしい)。 だけど、先述の設定の恣意性がもうちょっとなんとかなったのではという思いが残り、この点数とさせてもらった。 本当は震災、人知を超えた不条理さとそれでも生きていく、生きていかねばならない人間たちそのものを描くつもりが、大人の事情でネコやイケメン、ラブロマンスを捩じ込まざるを得なかったのか?私の掘り下げが足りないのかも知れないし、そもそもが文芸性よりもエンタメ性に振っていて、前提とする視点が異なるのかも知れない。 どこかの機会で再鑑賞したい。 【よこやまゆうき】さん [映画館(邦画)] 6点(2023-01-15 00:01:06) |
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23.ロードムービーの趣きですね。脚本はかがみの孤城の方が良かったかな。作画はすずめの戸締まりの方が少し良かった。 【よしふみ】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-01-14 21:02:52) |
22.《ネタバレ》 友人が「ネコの扱いがどーも・・?」と言っていたので、ネコ好きの私としては、じゃあ今回は観なくていいか、と単純に思っていたのが、ポッカリ仕事のキャンセルで時間が空いたのでやっぱりこれか、と足を運びました。 結果、開始30分後あたりから引き込まれるわ、日本中走るわ、飛ぶわ、で目まぐるしかったものの、楽しめて良かった!! 確かに震災の傷はまだまだ解消されていないし、いろいろ??なところはあったけれど;。 芹澤君はいいねえ~(#^.^#) 旅の途中で出会う女性たちもみんな親切だし。人情は昭和っぽいかしらね。 で、、ダイジン、いいやつじゃんね、人間の代わりに救ってくれた。でもやっぱりいけにえみたいで・・。 そこが解消されれば+1点 【AKO】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-01-14 17:48:02) |
21.《ネタバレ》 良かった。世界観は整理できないところも多いが、ロードムービーとしては最高。旅の途中で出会う人物もバトンを渡しているようだった。芹澤が一番良かったかな。映像も素晴らしいし迫力十分。最後はグッときた。あれから12年。同じような経験をしている子が前向きに生きていることを願う。 【ラグ】さん [映画館(邦画)] 8点(2023-01-09 17:46:03) |
20.《ネタバレ》 ★巷でいろいろ言われてたので心配しながら見たけど、普通に面白かった。 ★タイトル通り「主人公の女の子が地震の起こる元を不思議な力でとじていくお話」としては、スペクタクルな絵と音楽でごまかされてるけど(いや、見ごたえはあります、劇場で見ると)、すずめの能力、サブキャラの草太(閉じ師)や猫(要石)のダイジン、大みみずと常世、すべての設定がふわふわ過ぎる。 ★ただそんなのが気にならないくらい一つ一つのエピソードが面白くてくすっとしてしんみりしてちょと泣けて、好感持てた。ロードムービーは言いえて妙。 ★椅子の草太、椅子なのにしかも3本脚なのにアクティブ過ぎ!新しいアクションジャンルにしてもいいくらい縦横無尽に駆け回る。馬のギャロップみたいな「足音」が爽快(笑)。人間の姿だとただのスカしたイケメンかと思ったら寝坊はするはAIロボ呼ばわりされて子供たちのお守りさせられるし。 ★しかもネット含め衆目に堂々とさらされまくってるし(ダイジンもだ)。こうした不用心ともいえる開けっぴろげさと、実際の人間関係の微妙さとなんかずれた感じが現代っぽい。 ★震災をネタ(エンタメ)にしたことに対する批判については・・・半分は同意するがもう半分は過剰じゃね、と思う。特に当事者でもないやつらが得意げになって叩いてる様は見苦しい。じゃあ(同種の傾向を持つ戦争映画もだけど)いつまで遡ればいいのかね?直接体験したひとがみんな亡くなるまで?でもそれまでにまた災害起こるよね。 ★架空の物語なんだから全部架空にしちゃうのもありだが、たとえ東北とか311とか言わなくたってあの映像見りゃ分かるだろうし。どこまでブラインド掛ければいいのか?さじ加減は難しい。 ★ドキュメンタリーならOKなのか?ドキュメンタリーだって作成者の思想や脚色は入る。それに自分はエンタメだからと言ってドキュメンタリー映画に劣るものではないと思う。 ★「戸締り」は特別な能力者が地震の巣を封じ込めてはい解決、ではなく、登場人物たち、そして我々観客に対する呼び掛けでもある。大切な人、ものをなくすのは辛いし、過ぎ去った時は戻らないけど、いつかは前を向いて歩いていける、そういうきっかけを探そうよとも言えるし、目に見えない災い、いつ降りかかるかわからないそういう国に住んでいるんだなあと改めて思いを強くもする。 ★純粋に映画としては若干中途半端な出来かなだけど、観てよかったと思えたのでこの点数。 【wagasi】さん [映画館(邦画)] 7点(2023-01-09 00:47:31) |
19.『君の名は.』『天気の子』に続く,災害シリーズですね. あり得ないような現象が描かれていた『天気の子』よりは受け入れられますが,自然災害を人知を超えた存在が介入しているような描写はどうかと思います.エンジニアの端くれとしては,受け入れがたいです. 電子通貨が普及し始めた現代ならではのロードムービーで,面白かった. 【あきぴー@武蔵国】さん [映画館(邦画)] 6点(2023-01-05 21:54:32) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 期待値が高くハードルが上がりすぎたのか、肩透かしをくらった感じではあります。設定があまりにも突拍子すぎて色々と気になることが多すぎました。お得意の映像と音楽の融合はあまりインパクトがなかった気がします。 【いっちぃ】さん [映画館(邦画)] 5点(2022-12-17 18:50:03) |
17.色々とツッコミどころは多いし、説明不足のところも多いし、結構モヤモヤする。 それでも見終わって、明らかに楽しい。 監督の人間観だったり、恋愛観が至極真っ当だからだろう。 見てる途中、「あーこれロードムービーにしたかったのね」なんて、余計なことも考えてしまうくらい、集中させる力は弱いんだけど、端々のシーンが楽しくてうれしくなってしまう。 個人的に好きなのは、神戸のスナックのシーン。 母親から夜の女への変身が見事で、店も色っぽくて好き。 そのほか、イスやら猫やら、主要なキャラクターもなかなかかわいいし、新海監督は商業映画のツボを押さえているなあ。 いい映画だと思う。天気の子よりはずっと好き。 【まかだ】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-12-16 17:55:43) |
16.《ネタバレ》 見終わって「大満足!」とはならず、なーんかモヤモヤしてて、これは何だろう?と考えました。 面白かったんですよ。SNSで猫を追うやり方、旅先で会う人々との交流や、旅の途中で災害を閉じてゆく過程。ミミズのスペクタクルな映像。新海監督が少人数でやってた時と違って、音楽も映像も役者も、何もかもがお金がかかってて見事。 でも見終わって 「凄くよくできた映画を見て、大満足!」 とならない。何故だろう? と思って考えて気が付きました。 細かいところがよく分からんのです。いっぱい「?」なのです。広げた風呂敷が、締め閉じられてないんです。 大きな風呂敷はきちんと締められているので、見終わったときはハッピーエンドに素直に「良かった」って思う。 でも、小さな風呂敷は広げっぱなし。いくつもいくつも締め閉じられず広げっぱなしなんですよね。 ・ダイジンの何もかもがわからない。なんであのニックネーム? あいつは何でスズメに執着するの? なんでカレシを呪った? 要石に戻ってやったのはどうして? ・黒いデカい猫(左大臣)は何もかも分からない。ダイジンとの関係も分からない。 ・爺さん、「出来ない・無理」しか言わなかったけど、何のために出てきたの? 過去に猫と何かあったみたいだけど、思わせぶりなだけ。 ・おばさんがヒステリックに本音ぶちまけるシーンは必要? あれちゃんと収拾ついてる? 何故叫ばせた? ・そもそも、すずめは子供の頃何故あっちに行けたの? すずめがミミズを見れたのは何故? ほかにもたくさん。こんだけ風呂敷広げっぱなしで、ラスト「良かった」って観客に思わせるのも大したもんです。 でもね、でも。これじゃ監督に 「よく分からなかったら、小説買って読んでね」 って言われてるみたいでモヤモヤするんです。 「君の名は。」の時は、一応全部風呂敷は締められてました。お父さんのバックボーンなんか「そういう事なんだろうな」と想像出来る最小限の情報は全部映画に出てた。小説は映画の世界を深く味わうために買うものでした。 でもこの作品はそもそも、情報を出していない。映画を見た観客が、更に財布の紐を開かないとワケが分からないのって、あまり好きではありません。 もったいないですねー。ミミズの回を一回減らして、その分を上記の説明に振り当てて欲しかった。 【りんどう】さん [映画館(邦画)] 6点(2022-12-14 20:32:34) (良:2票) |
15.《ネタバレ》 震災テーマの希望ある決着は非常に良かったです。良い。 伝奇ものっぽいおどろおどろしい感じも、こんなのも描けたんだーと、今後こっち方面で特化した作品を作られたら楽しそう! と思ったりなんかしました。 しかしいろいろ気になる点が多々あり、列挙しておきます。 -- ・主人公の成長物語として見ると物足りなかった 男性主人公だと、 自分のことは自分で助けるしかないと覚悟を決める →力を得る →自分の力によって助かる他者がいることを知る →公的使命感に目覚める とかいう展開になるのが女性主人公だと、 そもそも自分を救うのは自分と思ってない(力がなくて、得ようと思っても得られないとあきらめている) →力を得る →自分で自分のことを助けられるんだ という感じで、男性主人公の成長物語のスタート地点に立っただけなんですけどと思ってしまって、重要ではあるけど、なんかな(主人公たちがヒロイックな力を持ってるので余計に)という感想。ゴールがそれならもっと地味な設定にした方が良くなかろうか。 -- ・今までの作品とは変わって恋愛をメインのテーマにしないのはわかるんだけど、突然「好きな人のために!」とか言いだして、中途半端で、それっぽい伏線とかエピソードも足しちゃってるので、どっちがやりたいのかよくわからんみたいな -- ・草太が「死にたくない」とか言いだすのが全く解せない そもそも自分の家系でやってる戸締りの使命のために自分の人生の何割かが消費されても構わないと受け入れて全国行脚までする覚悟が決まってるキャラが、そんなん言うか? と思ってしまい。(いきなり受け入れがたいのはわかるけどそのうち納得するキャラにしか見えない) なんか、主人公が助ける目的成立のために無理やりそういう言動やら性格に捻じ曲げられてるようにしか見えなくて、新海誠作品て、自分の考えたかんどうてきなはなし成立のために登場人物や、場合によっては視聴者の感情移入する感情まで捻じ曲げようとしてくるところが、しばしば気持ち悪くなってくるのですが(失礼)。 -- ・昭和の懐かしいメロディ連打がなんだかなあ 前までのRADWINPS全開が好きだったので、賛否両論あるけど慣れもあるだろうし、期待してたのですが、なくて拍子抜けでした。 「懐かしがる人はこういうのが聞きたいんだろう?」的あざとさも鼻についてしまい。 -- ・ダイジンがかわいそう 社会正義のために特定個人を犠牲にすることはやめよう、というのが最近の方向性と思ってたのですが、非人間存在を犠牲に肩代わりにするってやってることが偽善で本質的に変わってなくて、非常に昔ながらの偽善的解決になってて、そうじゃない誰も犠牲にならない地平を期待してたのだがなあ。 【sim】さん [映画館(邦画)] 7点(2022-12-14 13:41:47) |
14.《ネタバレ》 3.11を根底に描いた映画は数あれど、ある種のケジメや未来に向けての「希望」を持たせてくれた作品として貴重。 確かに心にトラウマを抱えている方々にとって、この作品の一部にある震災描写や、スマホから発せられる緊急地震速報の音は恐怖であり、鑑賞に注意が必要かもしれない。 ただ実際には、「すずめ」が心の奥底に抱えているわだかまりの払拭、あるいは自分が行動しなくては厄災を防ぐ事が出来ないという使命感、それに立ち向かう為の旅立ち、そこに共感と勇気が与えられ恐怖が和らげられる。 その描写は明快であり、心が揺さぶられる。 そして旅の先々で出会う人々の優しさ。ここに本当に胸が熱くなった。善意のロードムービーである。 愛媛の民宿の女子高生も、神戸のスナックのママもその存在は人のあるべき姿。何か行動しようとする者をひたすら応援する。 そこに恐怖に打ち勝つ「希望」が感じられた。 3.11の直後に見られた、ボランティアの方々の迅速かつ的確な人道的行動、また国内、世界各国から寄せられた支援や温かい言葉。何か重なるように思い出してしまう。 もちろん、災害は毎日の様に世界中で発生しているし、「閉じ師」がどれだけいれば世界を救えるかなんて考えると、このアニメも所詮甘ったるい空想にしか過ぎない。海外の災害に神道が通用するとも思えないし。 しかし、鑑賞後に感じたある種の幸福感は、確実に「希望」とイコールである。 「すずめ」の選択した行動は尊く、新海監督の熱く強いメッセージとして受け取った。 【こた】さん [映画館(邦画)] 8点(2022-12-14 08:44:41) |