59.理性無き愛国心の恐ろしさを黒沢年男と天本英世の鬼気迫る言動から痛感させられます。戦争を終結させた天皇陛下のお姿に、開戦阻止が叶わなかった残念さをあらためて感じました。陛下は民を思って涙なされた。すすり泣く幹部達は何を思って涙したのか。綺羅星の如き俳優陣。一人一人が歴史の証人として後世に伝えたいという気迫でもって見せた史実に2時間半もあっという間でした。 |
58.これ、ほぼ実話なんですよね。驚いた。はじめから最後まで濃かった。それと黒沢年男。完全にいっちゃっている。彼はこんな狂気ができるんだ。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-09-21 23:58:28) |
57.《ネタバレ》 ○なんと濃厚な2時間半。恥ずかしながら知らないことも多く新鮮な感覚で見ることができた。○結末は分かっていながらの緊張感。畑中演じる黒沢年男の無鉄砲で実直な演技があってこそえもある。○厚木基地の話が若干浮いた印象ではあるが、各登場人物が存在感があり、見る者を引きつける。○日本にとって大きな節目を迎えた日から68年。戦争とは何か、いろいろと考えさせられる。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-08-16 13:23:27) |
56.《ネタバレ》 当時の日本人の葛藤が、ひしひし伝わってくる。陸軍の過激さが、あの頃の日本を象徴してるんだろうなぁ。 映画を見て感じたのは、国民に対する情報統制(操作)。 上官の思い(さじ加減)で、動く国民、兵隊。 やっぱ悲しい時代だなぁ。 昭和天皇の偉大さを改めて感じました。 【kontiki】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-07-07 23:43:50) |
55.これは昔々ある国に起こったおとぎ話ではない(丸山眞男) 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-06-29 00:24:00) |
54.《ネタバレ》 終戦の玉音放送が流れるまでの一日を史実に基づいて描いているので見ごたえがある。 クーデターの未遂がリアルに描かれ引き込まれる。 そこにいる誰もが国のことを思っての行動だが、判断を間違えるとこうした行き違いが生まれるのか。 軍部の暴走で戦争をまだ続けていれば、第三、第四の被爆地も出ただろうから、考えれば恐ろしくなる。 逆にいえば、広島、長崎が被爆する前に終戦できなかった指導部の責任も感じる。 国を守るとか国民の命を守るという概念がそもそも違ったのだろう。 刀で斬られた首の転がり方や血の噴き出し方がいかにも古臭いが、それもご愛嬌か。 モノクロの長い映画だが、まったく退屈せずに最後まで観ることができた。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-05-15 01:14:40) |
53.戦争終結の日、激動の一日をドキュメントタッチで描いたドラマ。 緊張感がひしひしと伝わってくる見応えたっぷりの内容に、著名な俳優さんたちが多数出ていて、それぞれが重厚な演技を見せてくれます。 配役の中では、少佐役の黒沢年男が一番印象的。声がでかくてやたらうるさくて、自分の信念だけで突っ走る妄信タイプ。こういう人、当時はたくさんいたんだろうな。 結末はわかっていても手に汗握る、あっという間の2時間40分。お薦めの邦画。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-31 08:30:41) |
52.《ネタバレ》 こんな悔しい気持ちで聞く君が代は初めてだ。胸が苦しくなった。クーデターを起こした軍人の気持ちは、閣僚も重々分かってるはずだ。ただこればかりは、負けを認めなければならない。皆の悔し涙を観て、涙しました。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-03 19:36:49) |
51.《ネタバレ》 この映画は凄い。熱量というかエネルギーが半端ない。 映画のルックは重厚、濃厚。軽ーい感じの登場人物は一人もいない。 恥ずかしながら、玉音放送の強制阻止事件、クーデター未遂事件が、誰もが知っている終戦記念日に起こっていたとは知らなかった。 戦争当時を知っている岡本監督が描いた二日間、実際にこのような混乱の状況であったんだろうと思えるのも、演出力の賜物に違いない。 天皇の終戦詔勅が録音されたテープの捜索シーンは、結末を知っていても手に汗握る。 しかし、尊重すべき天皇の意向を踏みつぶすような行動をした将校たちの真意というのはいったいどういうものだったのだろうか。統帥権というものの悪用の典型なのだろうか。 二二六事件の際も昭和天皇は激怒したというが、彼らははたして国の為だけを思い行動していたのか。 当時の日本人、とりわけ軍の中枢にいて戦局を動かしていた人々の、考えかた、価値観、行動基準、さらには国を思う気持ちがどれほどであったのか、今の日本人は考えても考えすぎることはないのではないか。 【kosuke】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2012-04-28 01:17:05) |
50.《ネタバレ》 この作品は、日本人のメンタリティに対して(善し悪し問わずに)しつこいくらいに訴えかけてくる。 そして、その冗長さも中弛みもない、ジットリ暑く、みっちり濃く、ひたすら長い1日に否応なく付き合わされる。 昭和二十年八月十四~十五日の、濃密多難な長い1日。傑作でした。 160分以上の見応えのある尺も、苦にこそはならないがそこそこ長い。 そして、蛇足もイイトコロだが、20分以上あるプロローグを観た後に改めて現るタイトル「日本のいちばん長い日」を観て、私は思った。 そこも長いのか、と。(だいなし) 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-05-17 13:47:19) |
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49.《ネタバレ》 現実にどうなったかを知っている知っていないは関係なく、8~10点をつけるには緊迫感が足りない気がしました。観ているうちにシドニー・ルメットの『未知なる飛行』くらいの緊迫感を期待してしまったので(長の決定に反対する人物の心情や行動の描写など似たものがあって引き込まれる)。『生きる』で役場に脅しにくるヤクザや、『七人の侍』で銃をかっぱらって戻ってきた久蔵が、あのイメージからは想像しがたい柔和な見かけの人物になっていたり、今じゃ毛糸の帽子かぶってニコニコしてるおじちゃん黒沢年男がギラギラお目々でイッちゃってる熱血サイコ若造を任されていたり、そういうところも楽しめました。どの作品観ても代わり映えしないような今どきの線の細いジャニメン俳優に比べたら、俳優さんたちに存在感があります。年男ちゃんが演じたところは、分かりやすい暴走サイコなものになっていますが、実際、降伏した後に日本がどう扱われるか次第では、あの人たちの気持ちも分からないではないです。直後の実際の日本を知る僕ら未来人は、結果論で好き勝手言えるけど、彼らは先が分からなかったのだから。この映画は、志村さんが「儀式」云々を述べるラスト近くの下りで「そうか、帝国だったんだ・・・」と再認識させられたことが強く印象に残りました。こういう映画を観ると、その前の話として、軍隊が暴走して戦争をおっぱじめた部分の物語とかを観てみたくなりました。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-01-08 17:35:41) |
48.《ネタバレ》 この作品の凄い所は、製作意図や史実に関係なく、あきらかに「ドタバタギャグ」として観れることである。このような作品を邦画では他に知らない、洋画であれば「ファーゴ」漫画であれば「ナニワ金融道」が近いかもしれない、かといってこの作品がふざけているとか、そういう話ではない、まぁ現実にわけもわからずドタバタしていたのが「あの日」だったのだろう、悲劇と喜劇は紙一重だということが実感として理解できる稀有な作品である。 【るね】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2011-01-03 21:12:48) |
47.《ネタバレ》 日本首脳は戦争を止めようと考えた。理由は勝てる見込みが無く、戦争維持能力もなくなったから。無差別空襲と原爆とソ連参戦が大きい。だが陸軍の考えは違った。「補給戦や小さな局地戦で負けただけ。本格的な開戦はやっていない。本土決戦をすべき。敗戦は英霊に申し訳ない」「もうあと二千万の特攻を出せばかならず勝てる」いわば現実を直視できない妄想家のようなもの。海軍は連合艦隊がほぼ全滅しているので冷静だった。そこへ英断下って、終戦決定。陸軍大臣は受け入れたが、一部の軍人は反乱を企てた。名付けて天皇人質作戦。かなり無茶な作戦で、天皇激怒必死、成功確率1%未満。陸軍らしいといえば陸軍らしい。市ヶ谷台(陸軍省・陸軍参謀本部)の将校全員自決計画もあった。自決する自決すると言って自決しないのも陸軍の伝統。 ◆不思議なことに反乱将校は、逮捕されておらず、鎮圧後もビラを撒くなどしており、陸軍の身内への甘さがよく出ている。誰も責任を取ろうとはしないのだ。戦争で多くの兵や民間人を死に至らしめても、最後には自決すれば申し訳が立つと考えている。だから一億玉砕(たとえ全滅したとしても、日本民族の美名は永遠に歴史に残るだろう)などと主張する。本土決戦で何百万人の人が犠牲になろうが、そんなことは眼中に無い。彼らにすれば臣民は隷属者でしかない。お国の為と言いながら、「体面、天皇、英霊」しか見えてない。厳しく言えば自己防衛。自決も天皇、英霊に対する責任感で国民に対してでは無い。戦争の生んだ化け物のようなもの。皮肉だが、ある意味戦争の犠牲者。戦争しか知らない子供達の哀れな末路だ。平和を知らず、国家神道、軍事教育一辺倒で育ったのだから。 ◆反乱将校がまるで狂犬のように描かれ、理性の無い駄々っ子のように見える。これは演出上の都合だろう。実際は陸軍大学出のエリートであり、もっと冷静に行動していた筈。彼らは終戦の後に平和がくるとは考えなかった。隷属されると考えていた。日本が満州にしたように。人生の総てだった陸軍が崩壊するのが怖かった。閣議で戦後のビジョンを誰も見いだせなかったのも悲劇の一因だ。 ◆8月14日日本軍は特攻隊を送り出し、米軍は熊谷、伊勢崎、秋田・土崎を空襲した。映画では特攻隊が美化され、空襲は無視。反乱はこれで終了したわけではなく、厚木基地では更に徹底交戦を主張、24日には反乱の生き残りが川口放送所占拠事件が起こす。 【よしのぶ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2010-12-28 05:57:08) (良:2票) |
46.岡八の傑作のひとつだと思います。玉音放送の直前直後の混乱を非常にクールな視点で描きながらも、登場人物全員の思惑や信条といったものが伝わってきます。だから嫌でも観ている側が冷静で居られなくなり、物語に注視してしまいます。 【奥州亭三景】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-11-22 12:36:28) |
45.昭和20年8月15日。日本が忘れてはならない一番長い日にして大日本帝国最後の日。ポツダム宣言を受諾し天皇陛下の玉音放送があり、戦争が終わった日として日本史の授業で習った。しかしその前日から一刻を争うこんなドラマがあったとは。内閣、陸軍省、近衛師団、東部軍、宮内庁、NHK、児玉基地、厚木基地、横浜警備隊、前日からのこれだけの人間の数々のドラマを全く中だるみの無い緊迫感を持ってよくぞ熱く描き切られたことと感服します。立場や考え方、この一日に取った行動はそれぞれですが、その是非は別にしてそれぞれの根底にあった日本を思う熱き思いを演じた本作の全ての男達の熱き名演技に感動しました。これを機にぜひとも原作も読んでみたいと思います。 【とらや】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-11-20 17:37:43) |
44.もっと堅苦しい作品かと思ってたら、意外にもエンターテインメント作品になっていて、興味を惹かれました。 悲惨な戦争の事実を描いてるわけで、面白いなんて言ったら不謹慎なのかも知れないけど、当時の将校たちの心意気が感じられて、ワクワクさせられます。 もしフィクションだったとしたら、最後の一兵卒まで玉砕覚悟で戦い抜くというプライドに一票を投じたい。 もちろん戦争はよくないと思うけど、今の政治家にもこれくらいの心意気が欲しいですね。 少なくとも、現代の日本を取り巻く状況もこの頃と大差ないように感じます。 このまま無条件降伏してしまうのが本当に正しいのか、ひとりひとりの国民が冷静になって考えてみるべきなのかも知れません。 作風としては反戦ではなく、淡々と事実を描くドキュメンタリータッチで、どこまで真実に近いのかということは抜きにしても、太平洋戦争の1つの側面として、日本人なら知っておいて然るべきことなのかも知れません。 そして、やっぱりラストの玉音放送は昭和生まれの日本人としては、心を揺さ振られるものがありました。 この作品に出会うまでの僕にとって、玉音放送というのは戦争の終結を意味する平和の象徴だったんですけど、今では少し複雑な心境で受け止めるように変化したように感じられます。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-10-27 06:10:51) |
★43.《ネタバレ》 他のサイトのレヴューの「セリフが結構聞き取り難い」というアドバイスから字幕付きで観た(よりドキュメンタリーっぽく観られた)。テーマがテーマなので当たり前だが終始ピリピリ感があって演技も迫力があった(特に三船敏郎)。日本人なら、やっぱり1度は観ておかないと、と思う作品だった。 【より】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-10-03 00:28:30) |
42.『昭和天皇論』を読んだあと、観たくなってレンタルしました。とくに矛盾するところもなく(なかったように記憶している)、丁寧に丁寧に製作されたんじゃないかと思いました。映画の舞台となった昭和20年8月15日と、この映画を製作した昭和42年、そして現在の太平洋戦争のイメージを重ね合わせると胸が熱くなる。あのころの未来に僕らは立っているのだと。 【ようすけ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-10-02 23:50:04) |
41.《ネタバレ》 妻投稿■「目的が手段を正当化する」と言う言葉があるけれど、それよりももっと悲惨な事になる事が多いのが、「手段が目的を支配する」時。往々にして未来の事を考えるのが怖い人間はそういう状態になりやすい。■よく、戦争反対映画で「戦争の狂気」とか「戦争が人間を狂わせてしまった」という描き方で、「人間を免罪する」ような映画があるけど(私のなかではチャップリンの「独裁者」がその一例)、この岡本と言う監督は、そんな生易しいヒューマニズムは見せない。彼は映画のなかで徹底的に「手段が目的を支配している」状態の人間を描く事で、「悪いのは戦争ではなく人間」ときっぱり言い切ってしまっている。私はこの戦争を「大日本帝国が悪者で、連合国やアジアはイイモン」という風に単純にみる事は出来ないのだが、「悪いのは戦争ではなく人間」であるという事が本当ならば、改憲派も護憲派も右も左もとにかく日本国民なら共通する問題だと思う。■岡本監督アナドレン。ラストの皇居のシーンは本物の皇居を勝手に撮影したらしいが、どうしてそこに拘ったかと言うと、映画のなかの皇居と、1970年前後の当時の皇居と同じ映像にする事によって、それと同じ世界を生きている私たちに、映画のなかの狂気と言うものは私たち自身の心と隔絶されたものではない事を訴えているのだと思う。■映画とは関係ないけど、私は一度だけ国会図書館近くで(国会議事堂を見学しに東京に出ていたので)、半蔵門から出てきた天皇陛下の車に遭遇した事がある。見えたのは一瞬でお妃さまが手を振ってくれたのだけど、一体どうなったらここまで穏やか(すなわち意志が強い)人になれるんだろうというオーラがあった。この映画を見て何となくわかった気がした。 【はち-ご=】さん [レーザーディスク(邦画)] 9点(2010-09-28 00:23:06) (良:1票) |
40.阿南陸相の自決前の言葉は身に沁みました。阿南惟幾の真意については諸説あるようなので、本当に本土決戦を望んでいたかどうかは分からないみたいですね。なんとも興味深い人物だ… 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-01 22:08:37) |