16.《ネタバレ》 伊坂幸太郎シリーズの監督さんだけのことはあり、作り方が非常に丁寧ですね。ただ、も~ちょっとだけコンパクトにまとめてくれたらな~、とも思いました。人間関係においての危うさである記憶や噂。また、お手軽情報社会の身勝手さいい加減さ。他人事では済まされない身近な現象。鑑賞後、身につまされる思いになりました。真実ってほんと、分かりにくいものですね。私はこの映画の中で、一番ひどいのは赤星雄治ではなく、城野美姫の両親だと強く感じました。真実がどうであれ、子供を信じてやれない親は最低です。噂に流され、真相が判明すると手のひらを返す。どうしようもない輩です。はい!原作は未読なので、機会があれば読んでみたくなりました。張り巡らされた伏線がどんどん回収されていく様は、お見事としか言いようがありません。本当に鮮やかでした。一番気に入ったのは、城野美姫がホテルに身を隠していた理由です。あれにはやられましたよ。彼女の性格がピタッとハマった瞬間でした。今度は気になった点を。イジメにあって妄想に逃げ込む。あれは好きではないです。現実と向き合うべきでしょ。難しいけどそれなりの努力は必要かと。それから美姫が滞在していたホテル。あれだけ騒がれているのに気付かないか、普通。警察的にも重要参考人のはずなんだしね。まあ色々と述べましたが、それなりに楽しめました。現代版「羅生門」みたいで面白かったです。 |
【黒ネコ】さん [DVD(吹替)] 6点(2014-09-05 19:57:34) |
14.《ネタバレ》 結局のところ城野美姫がどんな人間なのか誰にもわからないところが良かったです。ビジネスホテルで首を括ろうとしたのも本人の証言ですし。Twitterやワイドショーを使った情報リテラシーも織り交ぜ、社会学の研究テーマのような映画で楽しめました。芹沢ブラザーズがゴロゴロ転がっていったシーンは笑いました。池脇千鶴の美姫と北川景子の典子でも観てみたいとか妄想が膨らみます。2度目のワイドショーが少しウザかったですが、丁寧な作りの映画です。 【DAIMETAL】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-08-17 08:24:53) |
13.《ネタバレ》 城野さんに罪を被せようとしているのは見え見えなので、いかに周りの人が適当に推測して話しを作り上げていくのかを見る映画ですね。真犯人の動機にもう一ひねりが欲しかったところですが、城野さんも聖人じゃないところは良かったです。 【Banjojo】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-05-18 09:08:40) |
12.《ネタバレ》 先の読める展開ではありましたが、現代のネット社会での安易な発言によってそれが世の中に多大な影響を及ぼしてしまう可能性があるという恐ろしさが見事に描かれていました。 最後、赤星は城野の運転する車に轢かれかけますが、あれはもしかしてわざとなのでしょうか? 【くーちゃん】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-05-06 23:43:22) |
★11.《ネタバレ》 扱う題材は現代的でとても良いんだけど、映画として面白いかと言うと微妙。リアリティはあるんだけど、話は正直面白くない。現代の日本で日常的にある話を俯瞰して見せただけ。 同じシーンを違う視点から見せたり、それがどういう風に報道されるか見せることが何度もあるので、テンポがよろしくない。
さて、本作で重要なのは犯人探しではなく、いかにして無責任な発言が人を追い詰めるのかというところにある。 個人的には、真実は藪の中っていうところをもっと押し出した結末にした方が面白かったと思う。しかし、本作は多くの人に訴えかける目的が合ったようにも思えるので分かりやすすぎるくらいで良かったのだろう。
無責任な発信者は決して責任を感じない。 報道した一部の人間だけに責任を取らせて終わらせる。自分は絶対的に悪くないし、悪くても「ごめんなさい」の一言で済む。 この映画では、その胸糞感を観客にストレートに伝えている。 叩きやすい相手を探し、吊るしあげて、それをあたかも正義の行為のように思い込む。間違いがあっても完全匿名でやっている限りは自分にはさほどの被害は及ばない。そして、同じことを繰り返す。 もはや、ジャーナリストだけの問題ではない。ブロガー、Twitterユーザー、掲示板投稿者も発信者として意識するべきである。 まさに本作は、道徳の時間やネット教育の教材としては、非常によくできていると思う。
だから、このレビューに書かれていることも全て疑うべきなのだ。お金もらって褒めたり貶したりしているわけではないという証拠もない。情報を確かな根拠なしに信じることは犯罪に加担しているも同然。 なぜ、その情報を信じるのかということに常に意識的でありたい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-05-03 19:03:20) |
10.画面が物語の単なる絵解きなら、そこに溢れるTwitterのキャプションも単なる文字説明。しかもご丁寧なことに音読つきだ。 肉声の伴わない無機質な活字の匿名性と威力にこそ、ネットの恐ろしさがあるのでは ないのか。 文字情報を羅列し、それをそのまま「読み聞かせ」て良しとする。 それを延々と繰り返すのだから芸がない。観客は赤ん坊か。 そして安直な絵解き画面はラストで極まる。 画面左手に向かって灯をかざす貫地谷しほりのショットに続くのは 同じく画面左手に向かって視線を送る井上真央。 灯を交わし合う彼女らの切り返しはイマジナリーラインすら無視され、 その位置関係を意味上は把握出来ても、 二人は映画感覚としてまるで繋がり合っていない。 折角、言葉によらない交流のシーンを段取りながら、 最も肝心なところでこの繋ぎはないだろう。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-05-01 23:59:46) |
9.《ネタバレ》 「誰が真犯人か?」ということを登場人物達は気にしていない。ゆえにスリリングでもなければサスペンスフルでもない。演出も意図的にそういった方向には向かっていない。本作は「犯人探し」にあたり、傲慢に身勝手に憶測を飛ばす、メディアやメディアに踊らされる人々を描こうとしていた。情報の質量が軽くなっている現代において、観る者の質量を計る意識を、自問自答させるかのような物語の作りで、優れた原作だと思う。その一方で個人個人の取捨選択能力や判断能力を計れる物語でありながら、随所で演出が逆方向にベクトルが向いてしまっている。ゆえに、推進力となる部分に力が加わっていない。監督は、その意図を作品内だけに留めてしまっている気がしてならない。せっかく「ウォーリーをさがせ」の絵本で蝋燭の件をやっているのに、そこにナレーションを付けたら何の意味も無い。思いは、ウォーリー同様、見つけ、キャッチしようとする行為なのだから。 【ボビー】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-04-25 04:49:22) |
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【ドンマイ】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-04-16 02:33:03) |
7.原作者・湊かなえさんの著書はどれも読みやすく好きな作家のひとりです。 過去映像化されたもので「告白」は出色の出来栄えだったので、製作発表された時期から非常に楽しみにしておりました。 で、観終わった感想ですが、良くも悪くも原作に忠実。 キャスティングは無難で良かったと思うが、構成・演出が、原作を読んでいる時のイメージングの範疇を越えることはなく、常套手段の羅生門方式然り、意外性がなくありきたりだったのが残念です。 ただ、やはり活字と違うのは、映像によるミスリードを楽しめる、惹きこまれるという意味では、この分野の映像化は向いてると思うので今後に期待。 最後に、綾野剛さんって若い頃の浅野忠信さんに雰囲気や喋り方似てませんか?(笑 【シネマブルク】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-04-15 09:27:43) |
6.《ネタバレ》 いつもながら切れ味鋭い中村監督の手腕。観ていて安心できる(?)傑作サスペンス。ただ真犯人の動機の弱さと殺害計画の杜撰さが気になるところ。綾野剛はまるで地でやっているかのようなヌメリ感ある演技で出色の出来。惜しむらくは「地味なOL」という設定ならば、もっと主人公のキャスティングを考えたほうが良かったのでは…。 【Q兵衛】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-04-14 14:17:44) |
5.《ネタバレ》 犯人の意外性が無かった。めった刺しで死体を焼くにしては動機が弱すぎないか?内容もやや陳腐。 【じょーー】さん [映画館(邦画)] 4点(2014-04-13 19:55:52) |
4.《ネタバレ》 原作未読(映画を見た後に立ち読みでざらっと)。Twitterなど現代的なツールを交えつつも、「十二人の怒れる男」よろしく、証言者ごとに異なる犯人像の変遷を楽しむ映画でした。話としては、まあまあ面白かったとは思います。が、後半に容疑者である美姫(井上真央)の主人公視点になってしまったのは、ちょっと不満でした。欲を言えば、二枚目俳優綾野剛演じる赤星を徹底的な道化役と決めたのなら、最後までその視点のまま(つまり容疑者が犯人であるかのようにラスト近くまで)話を引っ張ってって欲しかったかも。まあ原作をほぼ忠実に映像化しているようですが。そこそこ面白かったので6点。 【蛇蟇斎狐狸窟】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-04-13 18:46:59) |
3.原作を上手に映像化してます。中村監督起用で大正解。「アヒルと鴨のコインロッカー」と作りが似ていると思います。そこが狙いだったのでしょうか?真相がハッキリする場面をピークとせず、あえて昨今の「人間の怖さ」を主眼に描いているところが良いと思います。 【tonao】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-04-07 12:27:00) |
2.《ネタバレ》 率直に言ってしまうと"映画"として面白くなかったです。多分目指した所は現代版『羅生門』だと思うのです。数々の証言に信ぴょう性は無く、真相は藪の中に隠されていると言う、そういうストーリーです。ただ『羅生門』の方は事件の真相そのものに観客が疑いを抱く様になっている優れたミステリであったのに対し、本作は誰の目から見ても証言者の勝手な想像だろうと断言できることまで無闇矢鱈に藪の中に放り込む。例えば、証言者の一人、満島栄美が色々想像する話ってのは本当に想像でしか無い訳で、そんなものを映像で見せられても無駄に尺が長くなるだけだと思います。そのある事ない事想像する大衆の怖さを描いている作品でもあるのだから全くの無駄とは思えませんが、「そんな想像見せるならサッサと次の証言者の話に移ってくれない?」と思ってしまいました。 そして非常にキツかったのがワイドショーのシーン。意図はわかるんです。憶測の情報を基に勝手にある人物を容疑者として扱うワイドショー(数年前にみ○も○たが非道い憶測をしてましたね)、またその元となるネットの問題性。でもそのワイドショーの映像をわざわざ5分以上も見せる必要があるのでしょうか?普段あまりワイドショー番組を観ないので、このシーンはとても辟易しました。映画として必要なのは分かるけど、映画として全然面白くなかったです。 あと超バリアフリーな、わかり易ーい演出方法も正直どうなんだと思います。この映画は基本的に証言者のナレーションに合わせて進んでいきますが、例えばある証言者が「その時、私は見たのです。彼女が笑っているところを!」と言った時に、容疑者が「(ニヤリ)」と笑うシーンにはこっちが笑ってしまった。そんなシーンばっかり。 文句ばっかり書いてますが、要所要所でTwitterに興じる大衆の愚かさを描いた後に、終盤近くで美姫と夕子がロウソクを点滅させてお互いに繋がっていることを再確認するシーンは素晴らしいと思いました。Twitterもロウソク遊びも他者と交信し繋がりを持つという意味では同じですからね。でもそれって多分原作(未読)にある要素だろうし、映画化作品の良さとは別でしょうが。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 3点(2014-03-31 00:56:54) (良:2票) |
1.《ネタバレ》 本作はネット炎上がテーマだそうですが、実のところネット炎上よりも人間はいかに自分に都合良く記憶をねじ曲げて語るかの方が真のテーマです。さまざまな証言者が登場するが、本当に真実を語っているのは1人だけ。あとはみんな嘘を語っているか、あるいはディティールを改ざんして語っています。それを恣意的に編集すればどんなストーリーもでっち上げが可能だと言う事ですね。中盤の同僚のセリフ「これ、みんなほんとの事言ってるんですかねぇ」が全てと言っても良いです。今も昔もイジメは変わらない、ネットも現実世界もみんな無責任な事しか言わない、そんな中で城野の心に唯一届いたのがロウソクの光と言うのはいささか出来過ぎだとは思うけど、それなりに感動させてもらいました。唯一、難点を上げるとすれば、井上真央はどんな地味化粧をしても美人である事は覆い隠しようもないですね。いい役者さんだけどね、うん。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-03-29 16:36:31) |