15.WW2での豊後水道に於ける日米海戦が描かれています。クラーク・ゲイブルとバート・ランカスターの新旧オレ様男共演が興味深かったのですが、「戦艦バウンティ号の反乱」でのチャールズ・ロートンの足下にも及ばないクラーク・ゲイブルのアクの無さに肩透かしもいいところ。これではバート・ランカスターとの対峙も全く盛り上がりません。最初から分かっている結末に向けてオーソドックスにまとめ上げられている職人監督の手堅い佳作。 |
14.《ネタバレ》 『Uボート』登場以前に製作された潜水艦映画の中ではかなりの良作、まるで『白鯨』のパロディのような荒唐無稽な展開ではあるが、ロバート・ワイズが職人の腕で見どころのある作品に仕上げています。 海軍全面協力でガトー級潜水艦の実物が使われて、意外と高速で海上を疾走する姿や内部の細かいメカなんかも丹念に見せてくれます。このクラスはとっくに米海軍では現役引退した骨とう品ですけど、他国では戦後に供与されたまだ第一線で配備されていたころですね。船員室や食堂などが狭いながらもきちんと整備されていて、さすがUSネイヴィー、同時期のUボートや伊号潜水艦とはえらい違いです。そして日本じゃどうあがいてもモノにできなかったレーダーを装備、波間に先っぽだけ出ている潜望鏡でも探知できたっていうから、そりゃ日本が勝てるわけありません。対する帝国海軍の駆逐艦アキカゼ、豊後水道で米潜を四隻屠ったという触れ込みですが、VFX用プロップなのに艦影がフレッチャー級駆逐艦と同一なのはお粗末。またソナーで米潜を追い詰めますけど、情けないことに帝国海軍には水中聴音機しかなく最後までソナーを開発できなかったというのが史実です。だいいち、直進してくる駆逐艦のような細い船体に真正面から魚雷を発射しても、相手が進路を変えない限りまず命中しないし、命中しても角度が浅すぎて魚雷が弾かれてしまう確率が高い。つまりクラーク・ゲイブルの必殺技は昔の少年漫画に出てくるようなレベルのお話しなんですが、それをここまで説得力あるというかもっともらしいお話しにできたのは、ひとえにロバート・ワイズの力量の賜物と言えるでしょう。人間ドラマとしては艦長と副長の対立という『ケイン号の叛乱』に通じる緊迫感があるテーマですけど、なんかゲイブルは意外とまともでランカスターもほとんど艦長に逆らわないし、拍子抜けさせられた次第です。そしてなんか物足りないなと感じてましたが、本作だけでなくハリウッド製の潜水艦映画には潜水艦特有の密室性や閉塞感が感じられないんですね。それもお国柄かな? 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-06 22:32:37) |
★13.《ネタバレ》 潜水艦モノっていいですよね、緊張感というか緊迫感があって。で、やっぱり出演者が全員男という(女っけゼロwあ、絵はあったw)硬派なところも〇。でもしかし日本軍側の役者さんたちの緊張感のなさが大減点。「やったーー」は無いな~(苦笑)推測ですけど日系の方たち?なのかな、制作側からすれば日本語はよく分かんないだろうしね、そこらへんはノーマークだったのか。でも日本人としては気になるなぁ、三船さんとかでてたら相当いい雰囲気よねとかチト思ってしまいましたハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-03 07:38:42) |
12.名匠ロバート・ワイズ。「ウエストサイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」といった まずはミュージカルの大作が思い浮かぶのですが、この人は本当に色んな映画を撮っています。 本作は太平洋戦争における日本海軍と米海軍の息詰まる攻防を描いた潜水艦もの。 狭い艦内の中で俳優の動きが極端に制限されるので戦争映画の中では地味に映るのですが、 本作も含め潜水艦ものは秀作が多いと思います。敵を目視できない潜行中のレーダー探知や些細な音など、 互いの意思を読み合い、次の一手の出方を探り合う。張りつめたような緊張感が漂うサスペンスは潜水艦ものならではです。 特に両軍の潜水艦が機関停止状態で対峙する時間帯。見ている方まで息を殺してしまうような緊張感があります。 潜水艦ものはアクションが制限される分俳優の力量も重要になりますが、 艦長ゲーブルと副艦長ランカスター、2人の名優が演じる男と男のドラマも見応え充分の作品です。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-08 19:18:38) |
11.《ネタバレ》 潜水艦の復讐もの。リチャードソン中佐は駆逐艦「秋風」に沈められた経験があり、復讐に情熱を燃やす。そして豊後水道に近づくなという命令を無視して「秋風」との対決をめざす。彼の戦術はこうだ。先ず駆逐艦の前を行く船団を魚雷攻撃し、駆逐艦がこちらへ向かってくるのを待つ。そこへ正面から直進し、距離が1500になったところで潜航、即座に船首を狙って魚雷発進するというもの。魚雷が当らなければ餌食となる、いわば捨て身の作戦。一度目の対決では魚雷が出ずに失敗。撃沈偽装工作でなんとか難を逃れた。二度目の対決では勝利するが、すぐに敵潜水艦に攻撃される。「秋風」と敵潜水艦はコンビで行動していたのだ。平底船の陰に隠れようとする敵潜水艦を狙って魚雷発進、平底船をスルーして見事に撃沈。巧みな戦術を駆使したバトルは見る者を飽きさせない。 ◆艦長と副艦長の相克も注目。つねに反目しあっていた二人だったが、最後に副艦長は状況を把握、艦長と同じ目的に達する。このあたりの人間ドラマが秀逸だ。傷ついたリチャードソン中佐は死亡。勝利はしたものの戦争の悲惨さを描くのを忘れてはいない。 ◆忘れているのは日本に対するリスペクトだろう。日本人の描写はわずかなもので、演技や日本語もお粗末そのもの。敵をリスペクトすることで、一層味方に感情移入して盛り上がるのを知らないのだろうか。 ◆リチャードソン中佐はスマートすぎて海の男に見えないきらいがある。をもっと常識をはずれた人物、例えば「白鯨」の船長とか、ジョーズの船長のような荒くれ者に描けばもっと良くなっただろう。そうすれば副艦長との対決も高揚するし、死の場面でも余韻を残すことになったと思う。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-03-03 21:02:59) |
10.《ネタバレ》 対戦相手が日本軍ということで複雑な思いもありますが、ゲイブル/ランカスターのコンビは強力。ストーリーもテンポよく、特に潜水艦同士での位置の探り合いはサスペンスもあって引き込まれました。ほとんど視覚の使えない潜水艦で、センサーがいかに重要かが改めてわかります。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-05 16:44:03) |
9.《ネタバレ》 潜水艦映画としては不朽の名作ですが、点数ちょい低めです。日本軍なんか頭良すぎ! いくらブンゴスイドーを死守するためとはいえ、海軍があんな作戦立案しないと思うんですよ。「そんな姑息な策で戦うのはけしからん!」とか幕僚本部怒りまくりそう(そんで巨大戦艦主義に奔走して負けちゃうわけだ)。これが謀略戦・情報戦のためなら何でもやったチャーチルや蒋介石の軍なら、すっごい説得力があるんだけどねえ。むしろクラーク・ゲーブル艦の方が、日本的な戦法をやってるような気がします。日本の歴史を知るが故に、この過大評価はちょっと背中がむずがゆい。そういや今、巨艦巨砲バンザイな映画が大ヒット中ですなあ。コッチと見比べてみると戦略の違いが見えてくるかもしれないっすねー。 【エスねこ】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-12-30 13:06:36) |
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8.《ネタバレ》 アメリカ軍のエピソードと日本軍のエピソードを同時に進行させている。 駆逐艦 秋風との戦闘は見もの。 【哀しみの王】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-12-29 16:11:04) |
7.《ネタバレ》 兵は詭道なり、ではないのだろうが、題名からして偽装工作である。タイトルとは反対に浅く早く潜航する訓練ばっかりやっている映画。艦橋に取り残される男のエピソードや、何気なく聞かされる平底船をなぜ狙わないかの艦長の説明などが後々の展開に効いてくるのがドラマ作りとして巧み。日本の爆撃機が二度にわたってピンポイントに殺到してこれる理由がさっぱりわからない点と、クラーク・ゲーブル演じる艦長の執念深さの説明が不足なのがやや不満だが、潜水艦映画はこれに限らず第二次世界大戦の時代のものが圧倒的に面白い、ということを改めて感じることとなった。 【南浦和で笑う三波】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-02 22:07:57) (良:1票) |
6.戦闘シーンが見ごたえたっぷり!な潜水艦映画。艦内では、イケイケ派のクラーク・ゲーブル艦長と、慎重派のバート・ランカスター副艦長との確執が。さすがに艦長役がクラーク・ゲーブルでは、狂気も冷酷さも感じられないもんで、ドロドロした盛り上がりには発展しません(⇔反戦映画の場合は、得てしてそういう方向に発展していくわけですが)。あくまで、緊迫の海戦を存分に描ききり、一級のアクション映画になっております。駆逐艦・秋風との死闘! 敵潜水艦との死闘! そういや「豊後水道」ってどこだっけ!(→こっそり地図で確認してみたりなんかする私。しっかりせぇ) 【鱗歌】さん [地上波(字幕)] 8点(2005-09-23 22:24:27) |
5.最近みた潜水艦映画では極上モノなんじゃないかなぁ。戦艦爆破シーンも模型と思うんだが結構迫力あって面白かったぁ。 |
4.学生の頃、二大俳優出演でワクワクしながら観た記憶あり。 対日本海軍と豊後水道での戦いで親近感あるものの、日本海軍、商船団の撃沈は 気分は良くないが・・・ 【ご自由さん】さん 6点(2004-10-01 21:09:13) |
3.R・ワイズ監督の作品は大好きです(サウンド・オブ・ミュージック、ウエストサイド物語etc..)。この作品もストーリー、特撮の面でも良く出来てるとは思いますが、個人的に潜水艦ものは少し苦手みたいです。あと、日本人役の人の日本語が下手すぎます。"風と共に去りぬ"のクラーク・ゲイブルが出てたのは良かった。 【A.O.D】さん 6点(2004-09-26 11:25:10) |
2.白黒なんだけど、潜水艦ものはやっぱり退屈しない。特にこれなんて昔の技術やのによくできてる。全体的に緊迫感はちょっと低めなんやけど(展開が早いからかな?)日本海軍との決戦は、うまくまとまっててさすがにおもしろい。模型チックなところもなぜかワクワクしてしまう。ただし、日本人の俳優さんには、少しがっくし。まー昔の映画やしアメリカ人が見る分には問題ないから仕方ないが、台詞棒読みやからね。アメリカの俳優がちゃんと演技してるだけに、なんの感情もこもってない「やったー、やったー」には正直少し笑ってしまった。そんなに出てこないから、あんまり気にはならんけど。潜水艦モノ好きは見て損はしないと思う。 【なにわ君】さん 7点(2004-05-20 17:10:18) |
1.《ネタバレ》 あのサウンドオブミュージックを作ったW・ワイラー監督が作った潜水艦ものです。演出力が確かな人が作ると月並みな作品には終わりません。話は第二次大戦の豊後水道が舞台です。もちろん相手は日本の海軍。アメリカの潜水艦と日本の艦隊がその海域で戦うのですが、冒頭C・ゲーブル扮する潜水艦艦長の船はさんざんにやられてしまいます。日本海軍が結構強くて手強い、という描き方です。で、彼はB・ランカスター扮する潜水艦の副艦長が今度は艦長に昇進して出撃、部下も祝福、という潜水艦に乗り込んで自分がやられたリベンジに艦長になってしまう。これってその後の潜水艦ものでも同じパターンがありました。Uー571でもKー19でも「君にはまだ早い」って言うの。で、2回目の戦いを繰り広げ、彼の采配で日本海軍の艦隊を打ち破る。アメリカ映画としてはかなり一方的でない、客観的な戦いぶりを描いてると思うので負けても嫌な感じがありません。 【キリコ】さん 7点(2003-09-07 11:30:38) |