12.《ネタバレ》 序盤から中盤くらいまでおっぱいしか見所がなかったけど、失踪した途端にミステリー作品らしくなった。 たぶん殺されたんだろうなぁって思いながら見てたけど、真相がわからないまま終わるというのは斬新だった。 猫とか、井戸とか、意味深なヒントはあったけど、確信に至る結論は出せなくて残念でした。 いろいろな解釈があっていいということなんだろうけど、モヤモヤするよね。 【もとや】さん [インターネット(吹替)] 6点(2022-02-02 16:27:20) |
11.《ネタバレ》 なんちゅうか、映像も話も詩的で文芸的で‶匂わせ”で終始している苦手なジャンルの作品でしたよ。 世間の評価を見るに、いろんな受け取り方ができるものだなあと驚きます。作家志望の青年の妄想であるとか存在の観念の投影が云々(??)とか。 わたしはミステリ好きです。なので白黒はっきりつけない描き方は好ましくないです。 限りなくサイコ気のある金持ちぼんぼんが殺ったと思わせてフェードアウト。アイツに決まってるだろうがあ。「生きている」ことを実感するのがビニールハウスを燃やすこと、だそうだから。猫まで匂わせに参加。ここまで誘導しておいて違った展開があるなら教えてほしい。 一番近道のシンプルな考え方しかできないわたしには「無いみかん」の味なんかしない。つくづくこの映画の客じゃなかったな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2021-08-22 23:16:46) |
10.《ネタバレ》 ユアインという役者を知っているか、が映画の評価に影響しそうです。 酪農業の息子&作家希望のフリーター、家族なく彼女なくバイトだけの若造を見事に表現したユアインはマルチな才能の韓国トップスターです。 原作とは別物でした。 原作の主人公は家族もお金もある中年ですが、映画では対極の何もない若者。原作は恋人失踪の捜索をあきらめるが、映画ではそうはいかない。 「毎朝焼けたビニールハウスがないか確認している」とジョンスがベンに話してしまう。そんなこと言っちゃいけないよう!と胸が張り裂ける思いでした。ベンの前であまりに無防備です。傷つくジョンスの隣で薄笑いを浮かべて楽しんでるかのようなベン。そりゃ殺されても仕方ないよ、殺人は許されないけどジョンスは必死だよ!切実だよ!と思いました。役立たずで目障りなものを消す。存在していなかったように消す。ジョンスにとってベンはまさに消したいものだった! 焼くものが納屋かビニールハウスか、はこの映画の場合、ビニールハウスも高級車も骨は残る。同じだと思いました。しかもベンは実際なにも焼いてないのだから。 予告に「待ち受ける衝撃のラストは想像を絶するーー」とあります。血のりの付いた上着を脱ぐとこまでは想像できる。そのあとどこまで脱ぐかは想像を絶するという意味でしょう!雪のちらつく冬の畑を立ち去るユアインの後ろ姿にむせび泣きました。あっぱれ! 【LOIS】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-11-04 21:03:28) |
9.《ネタバレ》 うーん、一言いえるのは前の方も言っていたように村上春樹の小説を借りずにイ・チャンドン独自の世界観の作品を見たかったなというのに尽きるかな。やっぱりスケールが小さくなってるんですよね。そもそも元ネタも短編で謎を謎のままで放り出してるような作品だし。もちろん映画のクオリティは高いし、あの小説をここまで昇華しているのはさすがですし、ただイ・チャンドン基準で考えると・・物足りない。元ネタを借りて韓国の格差社会を若者の失恋・蹉跌・嫉妬を通して詩情豊かにそれこそ元ネタよりも文学的に描いている。並みの監督基準からみれば文句なく5ツ星ですよ。「パラサイト」が盛り盛りにブラックコメディ的に格差社会を描いたのと対照的だけどね。でも、イ・チャンドン基準だとね・・・。はぁ~残念。 【エリア加算】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-09-22 22:16:25) |
8.非常に奥深く難解なミステリー。 抑揚がなく、淡々と物語は進む。 観賞後、考察サイトで多くの方の感想、解釈を見て内容を理解する。 エンタメというより文学的な作品(村上春樹っつぽい?)なので、好き嫌いが別れるかな。 【tonao】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-07-12 11:45:26) |
7.終盤までずっとテンポが悪いなぁ。 その割に結末は畳むように突如終わるし。 ミステリーだからって全部謎めいたまま終わらせていいものだろうか。 さすがに投げっぱなしが多すぎる。 イマイチ消化不良感。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-06-28 20:01:20) |
|
6.《ネタバレ》 そりゃ、イ・チャンドン監督作品なんで、すごくいい映画なのは間違いないです。村上春樹の世界と現代韓国社会を見事に融合させた力量はさすがとしか言いようがないです。ただ、イ・チャンドンの作品を10年待ち続けた者としては、春樹の世界を借りるのではなく、やはりイ・チャンドン独自の世界を見せてほしかったなというのが正直なところです。 村上春樹の世界は大好きですし原作も読んで感銘を受けています。ただ、やはり、イ・チャンドンに10年近く待たされた者としては、オアシスやシークレットサンシャインのような見る者を圧倒するイ・チャンドン独自のワールドを期待していたので、ちょっと残念でした。 もちろん映画作品としては素晴らしいことには間違いないのですが。 正直、私がイ・チャンドンを知らずにこの作品を初めてみたら、6点という点数はつけなかったと思います。ただ、この監督が好きだからこそ、村上春樹の世界に預けることなく、自らの視点で、現在の韓国社会をもっと鋭い視点で抉れることができたんじゃないのかなと思ったからこその点数です。 【TM】さん [DVD(吹替)] 6点(2020-02-11 02:25:33) |
5.《ネタバレ》 噂通りのスゴイ映画。何重にも物語が交錯し、さまざまな解釈を呼びこむ巧みな構成。難解という評判もあるけれど、前半のヘミとの出会いからベンの登場による不穏な三角関係からは、韓国社会の格差問題への社会派的な問題意識も垣間見えるし、中盤のヘミの失踪からのサスペンスな展開は次に何が起こるのかという緊張感に満ちている。そんなわけで、構えて鑑賞したものの、結局はエンタメ的にも楽しめてしまった。ネット配信で見たので、1回見たあと、すぐにまた見直すと、いろんな言葉や表情、そしてショットの数々の意味が膨らみ、二重三重においしい。解釈はいろいろあって、あちこちでいろんな解釈を聞いたり、読んだりするのも楽しい。個人的には、存在というか「実在」をめぐる物語として見た。冒頭のソウルの街頭の雑然さ、生々しいセックスのシーン、ジョンスのどうにも散らかった実家、北朝鮮のプロパガンダ放送が流れる田舎の風景まで、前半はたしかにそこに「人」や「もの」が「在る」さまが描かれていたように思う。それが、あの夕陽のなかでヘミが踊る名シーンから、画面からは「在ったはず」のものが忽然と消えていく。「不在」が募り、現実と虚構が入り交じり、人々の証言は食い違う。何が何だかよくわからなくなったときに現れた、あるアイテムと「猫」の強烈な実在感。なかったと思っていたものが「在り」、あったはずのものがなくなる終盤の展開は、「実在」感の喪失という使い古されたテーマを、新しい感性で描いたと思う。「実在」感の喪失と、でもそのなかで確かに「在った」ことを信じて「書く」という行為は、まさに村上春樹の小説そのものであり、そういう意味では、やっぱりこれは非常に優れた「納屋を焼く」のアダプテーションなんだと思います。 【ころりさん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-01-11 13:23:19) |
4.《ネタバレ》 天才イチャンドンの待望の新作。 若くして、人生を描ききった、この天才は ズバリ今作のテーマは「自慰」。 女性がいなくなり、猟奇殺人風のサスペンス仕立てにしてあるが、 これは若い男の映画だ。 毎回、どの国にもないようなテーマで、作品を創り上げるこの天才。 次作のテーマはなんだろう。 いつか彼のストレートなラブストーリーを観られる日を待ち望みます。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-11-09 18:39:07) |
3.《ネタバレ》 納屋じゃなきゃ駄目なんだ。納屋じゃなきゃ…。 年末にNHKで先行放送された「バーニング」を観て、あまりの不完全さと消化不良っぷりに、早く完全版(劇場版)を観たいと思っていたのだが、やっと観ることが出来た! 大筋はテレビ版と同じ為、途中までは復習する感じで見てて、あ、濡れ場はさすがにNHKじゃカットされていたのね!とか、主人公と父親の関係についてより深く掘り下げられていたりとか、新たなシーンもあってかなり楽しめたのだが、エンディングを迎えてもいまいち釈然としないというか、待たされた故に期待が上がり過ぎていた為か、あれ?こんな終わり方?と感じてしまった。 それから、村上春樹の原作短編『納屋を焼く』を巧く脚色してよくここまで膨らませたなと感心したが、ひとつだけ残念な事が…。 韓国にはおそらく“納屋“というものがないんだろうね。代わりに焼くものがビニールハウスって、骨組みが残るから完全に燃え尽きないじゃん!納屋だからこそ跡形もなく燃え尽きるという事で犯人にとっても快楽を得られたという点で説得力があったのに、ビニールハウスじゃそこまでの説得力を感じないのよねぇ。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-04-02 00:14:12) |
2.《ネタバレ》 途中まで、単調すぎて眠たかったが(夕陽の中、半裸で踊るヒロインのシーンは別として)、途中から俄然面白くなった。夢と現実の中を進むのは、マルホランドドライブみたいに感じて、興奮した。特に、猫・腕時計のシーンは、監督の周到さに驚かされるとともに、映画に引き込まれた。ただ、原作のもつ現実世界からのデタッチメントからくる飄々さがなく、全体的には重く(監督作)少しヘビーな映画であった。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 8点(2019-02-28 14:12:11) |
★1.《ネタバレ》 逆光が強く印象に残る。それは女友達ヘミが半裸で踊るパントマイムの夕刻だけではない。彼女が住む、弱々しい一条の光線が北向きの窓からかろうじて射す薄暗い部屋、さらには、ジョンスが外界から恐る恐る内部を覗き込む荒れ果てたビニールハウス。それらもまた悉く逆光の構図で描かれている。空港からヘミとベンを乗せて走るジョンスのトラックのその車内でも、光はリアウインドーから射し込む。光源に背を向けた彼らは、時に陰影が描き出す水墨画のようでもあり、また、その墨の濃淡に仔細な表情を隠す模糊たる存在でもある。常に翳ったヘミの部屋では実存すら不確実であった猫ボイルがのちにその姿を顕にするのが、隈無く光に充たされたベンの部屋であるということはとても象徴的だ。生命力が迸るかのようなグレートハンガーを陶然と踊るヘミは、墨絵からやがて輪郭だけをくっきりとふちどるばかりの影絵となり、刻一刻と夕闇に塗りつぶされていく。のちにジョンスが見る夢の中では徹底的な無音で描かれる、烈しく燃えさかり焼け落ちていくビニールハウス。イ・チャンドン監督はヘミに於ける無情なその様を、あらかじめ丹念にここで描出している。一つの救いは、そこにマイルス・デイヴィスの喇叭が哀切に鳴り響いているということだ。井戸の記憶や、猫、さらには自分自身の存在すらも焼き尽くし、彼女は泥のような眠りに落ちる。思えば『シークレット・サンシャイン』のジョンチャンは、女の見つめるささかなな陽だまりを、傍らで静かに共有することで、彼女に深く愛を示した。『オアシス』のジョンドゥは愛する女のため、禍々しい影絵を鋸で果敢に切り落とした。だがジョンスは、与えられたそのどちらの機会も、ただただ無感動な傍観者として逸してしまう。そうして、這々の体で微睡みから目覚めた瀕死の女に、男は決定的な言葉を投げつける。女は二度と男を見返すことなく闇に溶け、この世界から跡形もなく消え去る。やがて描かれるフィルム・ノワールめいた後段は、一方でジョンスにとっての喪の作業、その隠喩でもあるだろう。無いことを忘れる、それはこんなにも苦しく、そして難しい。靄と煙の立ち込める曖昧な境界線をぐるぐると、彼は息を切らして永遠に走り続ける。 【BOWWOW】さん [映画館(字幕)] 10点(2019-02-25 18:41:45) |